夫の浮気を見つけてしまった夜
夜の十一時を少し過ぎた頃。
夫がお風呂に入っている間に、テーブルの上のスマホが震えました。
画面に浮かんだのは、知らない女性の名前と、
「昨日は、帰りたくなかった」
という言葉。
ほんの数秒で通知は消えました。
けれど、その一文だけは、目の奥に焼きついたまま消えませんでした。
いつもと同じ夜だったはずなのに
お風呂から出てきた夫は、いつもと変わらない顔をしていました。
冷蔵庫から水を出し、テレビを眺めながら、
「明日早いから、先に寝るね」
と言いました。
その声を聞きながら、昨日のことを思い返します。
夫は、残業だと言っていた。
帰宅したのは、日付が変わる少し前だった。
シャツから、家では使わない香りがした気もする。
休日にも、スマホを持って外へ出ることが増えていた。
これまで気に留めなかった小さな違和感が、一斉に意味を持ち始めました。
いつから?
相手は誰?
一度だけ?
それとも、ずっと私だけが知らなかった?
聞きたいことは次々に浮かぶのに、声がでなかった。
疑いが、事実へ変わる
このまま夫を寝室へ行かせたら、朝まで一人で考え続けてしまう。
そう思った私は、
「昨日、誰と一緒にいたの?」
と聞きました。
夫は一瞬だけ黙り、
「会社の人と飲んでいた」
と答えました。
「『昨日は帰りたくなかった』ってLINEが来ていたよ」
そう伝えると、夫の表情が変わりました。
見間違いだとも、仕事の連絡だとも言いませんでした。
しばらく黙ったあと、夫は、少し前からその女性と会っていたことを認めました。
疑いが、事実へ変わった瞬間でした。
知りたかったはずなのに、聞かなければよかったと思う
本当のことを知りたいと思っていました。
それなのに、夫の口から認める言葉を聞いた瞬間、
「聞かなければ、知らずにいられたのかも」と思いました。
夫は何かを説明していました。
寂しかった。相談に乗ってもらっていた。
最初はそんなつもりではなかった。
けれど、言葉はほとんど頭に入りませんでした。
昨日まで信じていた生活が、目の前で別の形へ変わっていくようでした。
なぜか、自分を責めてしまう
怒り、悲しみ、恐怖、屈辱。
さまざまな感情が押し寄せるなかで、なぜか、
「私の何がいけなかったのだろう」
という考えまで出てくることがあります。
仕事や家事に追われ、夫に優しくできない日があった。
会話が減っていた。
女性として見てもらう努力が足りなかった。
過去の自分を振り返り、浮気をされた理由を探し始めていました
私が知らないあいだに夫婦の間に、すれ違いや不満があったかもしれません。
けれど、夫婦の問題と、秘密の関係を作るという選択は同じでないと思ったのです
関係に問題があったのなら、本来は言葉にして、二人で向き合う必要がありました。
夫が浮気をしたという現実を、私がが背負う必要はないのだと
許すか、別れるかを今すぐ決めなくていい
浮気が事実だと分かった途端、
このまま夫婦を続けるのか。
それとも、別れるのか。
その夜のうちに、許すか別れるかを決める必要はありません。
夫の説明を最後まで聞けなくても構いません。
「今日はこれ以上話せない」
と伝え、会話を止めましょう
別の部屋で休む。
何か温かいものを飲む。
眠れないまま朝を迎えるかもしれません。
いつもと同じように朝食を作り、家族を送り出しながら、
「昨日までの生活は、何だったのだろう」
と思うかもしれません。
夫の気持ちを理解することより先に、自分が何を感じているのかを確かめる。
許せないなら、無理に許そうとしないでいいの。
まだ決められないなら、決められないままでいる。
浮気を見つけてしまった夜は、結婚の終わりを決める夜ではありません。
ただし、夫へ詳しく問いただす前に、残しておいたほうがよい記録や、確認しておきたいこともあります。
次の記事では、
「夫の浮気を問いただす前に|万が一の離婚に備える記録と準備」
として、自分を守るために何を残し、どのような準備をしてから話し合えばよいのかを具体的に整理します。