会社を畳んだ人に、僕が聞きたかった5つのこと

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コラム

会社を畳むことを考えていた頃、ネットでいろいろ検索しました。

「会社 倒産」

「経営者保証ガイドライン」

「銀行の借金はどうなる?」

「特別清算と破産は何が違う?」

調べれば、制度についての説明は出てきます。

弁護士にも相談しました。

でも、それとは別に僕が知りたかったことがありました。

実際に会社を畳んだ人は、どうなったんだろう。

これです。

もし当時、目の前に会社を畳んだ経験のある元経営者がいたら、僕は聞きたいことがたくさんありました。

1 弁護士費用はいくらかかった?

まず、お金です。

会社を畳むにも、お金がかかります。

僕自身、弁護士へ相談することになって、

「いったいいくらかかるんだろう」

と思っていました。

もちろん、会社の状況や手続きによって費用は違うでしょうから、他人の金額を聞いたところで自分も同じになるわけではありません。

それでも聞きたかった。

「あなたの場合は、いくらかかりました?」

専門家に一般的なことを聞くのとは、ちょっと違うんですよね。

実際に経験した人が、何にどのくらいお金がかかったのか。

それを知りたかったんです。

2 終わるまで、どのくらいかかった?

これも知りたかったことです。

会社を畳むと決めたら、すぐ終わるわけではありません。

僕の場合もそうでした。

「あと、どのくらいなんだろう」

という時間が続きました。

先が見えないのは、かなりしんどいです。

だから経験者がいたら、

「決めてから、本当に終わるまでどのくらいかかりました?」

と聞きたかった。

半年なのか。

1年なのか。

もっとなのか。

正確な期間を知りたいというより、この状態がいつまで続くのか、何となくでも先を見たかったんだと思います。

3 その後、どんな仕事をしている?

これも気になりました。

社長を辞めたあと、その人はどうしているのか。

また会社を経営しているのか。

会社員になったのか。

仕事は見つかったのか。

普通に生活できているのか。

僕は父親の会社に入り、そのまま二代目社長になったので、それまで他の会社で働いた経験がありませんでした。

だから会社を畳んだ先にある生活が、よく見えなかったんです。

今の僕は会社員です。

週末には深夜のコンビニでも働いています。

給料日を待つ生活になりました。笑

当時の僕が今の僕を見たら、どう思うんでしょうね。

少なくとも、

「会社を畳んだあとも、働いて生活しているんだ」

ということはわかると思います。

4 家族とは、その後どうなった?

これはネットでは、なかなかわかりません。

会社を畳んだ経験談が書いてあっても、その後、家族とどんな関係になったのかまでは書かれていないことが多い。

でも、僕にとってはものすごく大きな問題でした。

会社だけの話ではありませんでしたから。

家族を巻き込んでしまった。

心配をかけた。

泣かせた。

怒らせた。

会社を畳むことを考えている経営者の中には、会社のこと以上に、

「家族にどう話せばいいんだ」

と思っている人もいるんじゃないでしょうか。

僕もそうでした。

だから経験者がいたら、

「家族にはどう話しました?」

「その後、家族との関係はどうなりました?」

と聞きたかったと思います。

5 周りの人から、どう見られた?

これも怖かった。

僕はそれまで、本を出したり、テレビに出たりしていました。

看板について人前で話すこともありました。

外から見れば、華やかに見えていたかもしれません。

でも実際には、会社は赤字で苦しんでいました。

会社を畳んだと知られたら、

「あれだけ偉そうに経営や看板のことを語っていたのに、結局、自分の会社は畳んだんだ」

と思われるんじゃないか。

この気持ちは強かったです。

見られ方が変わるのが怖かった。

だから、実際に会社を畳んだ人に聞きたかったんです。

「周りの人の目って、変わりました?」

「それまで付き合っていた人は、どうなりました?」

「恥ずかしくなかったですか?」

今なら、この質問に対する僕なりの答えはあります。

でも、会社を畳む前の僕にはありませんでした。

僕が知りたかったのは「その後」だった

こうして並べてみると、不思議です。

弁護士費用。

かかる期間。

その後の仕事。

家族との関係。

周りからの見られ方。

最初の二つは、会社を畳むための話です。

でも、残りの三つは違います。

会社を畳んだあとの人生の話です。

僕が本当に怖かったのは、会社がなくなることだけではなかったのかもしれません。

そのあと、自分はどうなるのか。

それが見えなかった。

だから、経験した人の話を聞きたかったんだと思います。

今、僕は会社を畳んだ経験について相談を受けることがあります。

法律的な判断はできません。

弁護士でもありません。

でも、

「あなたの場合、弁護士費用はどうでした?」

「どのくらい時間がかかりました?」

「そのあと仕事はどうしました?」

「家族はどうなりました?」

「周りからどう見られました?」

こういうことなら、

「僕の場合はこうでした」

と話すことができます。

考えてみれば、今僕がやっていることは、会社を畳む前の僕自身が欲しかったものなのかもしれません。
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