一人で食事をするのは、平気です。
買い物も一人で行けますし、予定のない休日に誰とも会わずに過ごすことも、それほど苦ではありません。
むしろ、
「今日は誰にも合わせなくていい」
と思うと、少しほっとすることさえあります。
誰かと一緒にいるのが嫌いなわけではないけれど、長時間ずっと一緒にいると疲れてしまう。
自分の好きな時間に起きて、自分の好きなものを食べて、自分の好きなように過ごせる。
そんな一人の時間が、けっこう好きです。
ところが。
夜、動画を見終わって、スマートフォンを置いて。
部屋の中が急に静かになったとき。
ふと、
「この先も、ずっと一人だったらどうしよう」
と思うことがあります。
もし病気になったら。
年齢を重ねて、今まで簡単にできていたことができなくなったら。
何か嬉しいことがあったとき、それを話す人がいなかったら。
そんなことを考えると、少しだけ心細くなる。
でも翌朝になると、
やっぱり一人は気楽だな、と思ったりする。
一人が好きなのに、一人でいる未来は少し怖い。
こういう気持ちを持っていると、
「私は本当は一人が好きなのか、それとも寂しいのか」
自分でもよく分からなくなることがあります。
けれど私は、この二つは矛盾していないと思っています。
■「一人」と「孤独」は、たぶん同じではない
一人でいることと、孤独であることは、似ているようで少し違います。
一人でいるというのは、ある意味では「状態」です。
今、この場所に自分しかいない。
一人で暮らしている。
一人で食事をしている。
一人で休日を過ごしている。
一方で孤独は、もっと感覚に近いものだと思います。
「誰とも繋がっていない気がする」
「自分のことを分かってくれる人がいない気がする」
「必要なときに頼れる人がいない」
そんなふうに感じること。
だから、一人でカフェにいて、とても満たされている人もいます。
逆に、家族と一緒に暮らしていても、強い孤独を感じることもあります。
人に囲まれているから孤独ではないとは限らないし、
一人でいるから孤独とも限りません。
そう考えると、
一人でいるのが好きなのに孤独が怖い、という気持ちは、それほど不思議ではありません。
一人で過ごす時間が好きなのと、
誰とも繋がらずに生きていきたいのとは、
全く同じではないからです。
■誰かが欲しい。でも、ずっと一緒にはいたくない
人との距離感には、かなり個人差があります。
毎日連絡を取りたい人もいます。
数週間くらい連絡を取らなくても、何も気にならない人もいます。
友達は多いほうが楽しいという人もいれば、
本当に気を許せる人が二、三人いれば十分という人もいます。
好きな人とはできるだけ一緒にいたい人もいるでしょう。
反対に、好きだからこそ、それぞれ一人で過ごす時間も必要だという人もいます。
毎日同じ家で暮らすことに安心を感じる人もいれば、
同じ家に住んでいても、それぞれ別の部屋で過ごす時間が欲しい人もいます。
どれが正しいという話ではありません。
人によって、
心地よい距離が違う。
それだけなのだと思います。
ところが私たちは、ときどき、
「恋人なら毎日連絡するもの」
「結婚したらいつも一緒にいるもの」
「友達は多いほうがいい」
そんな世間一般のイメージを、自分にも当てはめてしまいます。
そして、それが苦しくなると、
「私は人付き合いに向いていないのかな」
と思ってしまう。
でも、本当は人付き合いが嫌いなのではなく、
自分に合わない距離感で人と付き合ってきただけ
ということもあります。
■一人が好きだから、誰も必要ではないわけではない
私は、この二つは分けて考えたほうがいいと思っています。
一人の時間が欲しい。
それは、
自由でいたい。
静かに過ごしたい。
自分のペースを守りたい。
気を遣わずに回復したい。
という気持ちかもしれません。
一方で、誰かと繋がっていたい。
それは、
自分のことを知っている人がいてほしい。
困ったときに頼れる人がいてほしい。
何かあったときに話を聞いてほしい。
人生の出来事を、ときどき誰かと共有したい。
という気持ちかもしれません。
つまり、
「自由が欲しい」と「繋がりが欲しい」は、同時に存在してもいいのです。
静かな部屋が好きだからといって、
誰からも連絡が来ない人生を望んでいるとは限りません。
一人旅が好きだからといって、
人生の全てを一人で抱えたいとは限りません。
一人が好きだからといって、誰も必要としていないわけではない。
誰かを必要とするからといって、一人でいられないわけでもない。
この二つは、反対側にあるものではないのだと思います。
■あなたは、一人でいることの何が好きですか?
ここで、一度考えてみてほしいことがあります。
あなたは、一人でいることの何が好きですか?
誰にも気を遣わなくていいこと。
予定を合わせなくていいこと。
好きなものを好きな時間に食べられること。
静かなこと。
自分の考えを整理できること。
誰かの機嫌に振り回されなくていいこと。
きっと、人それぞれ違うと思います。
そして、もう一つ。
ずっと一人だと想像したとき、何が一番怖いですか?
病気になったときでしょうか。
年を取ったときでしょうか。
話し相手がいなくなることでしょうか。
何か嬉しいことがあっても、それを話せる人がいないことでしょうか。
困ったときに頼れる人がいないことでしょうか。
この二つを分けて考えてみると、
意外な本音が見えてくることがあります。
「一人が嫌なのだと思っていたけれど、本当は一人そのものが嫌なのではなかった。」
「結婚したいと思っていたけれど、実は生活を全部共有したいわけではなかった。」
「恋人が欲しいというより、何かあったときに話せる人が欲しかった。」
そんなこともあるかもしれません。
■結婚すれば、この不安はなくなるのだろうか
将来一人でいることが不安になると、
「やっぱり結婚したほうがいいのかな」
と考えることもあると思います。
もちろん、誰かと生活を共有することで安心できる人はいます。
家に帰れば誰かがいる。
体調が悪いときに気づいてもらえる。
嬉しい出来事があったとき、一番に話せる相手がいる。
そうした日常に幸せを感じる人もいます。
けれど、
結婚そのものが、孤独をなくしてくれるわけではありません。
結婚していても、心が通じていないと感じることはあります。
同じ家に暮らしていても、
「自分のことを誰にも分かってもらえていない」
と感じることもあります。
だから、
「孤独が怖いから結婚する」
だけでは、たぶん少し足りません。
逆に、
「一人でいるのが楽だから、私は結婚しなくてもいい」
と急いで決める必要もありません。
大切なのは、
自分は何が怖くて、一人でいることの何が好きなのか。
それを分けて考えることです。
同居は苦手だけれど、パートナーは欲しい。
恋愛より、友人関係のほうが大切。
結婚には興味がないけれど、老後に孤立するのは少し怖い。
自由でいたいけれど、人生の出来事を共有する人は欲しい。
そんな形があってもいいと思います。
■人との繋がりは、恋人や家族だけではない
「将来一人になったらどうしよう」
と考えるとき、
なぜか私たちは、恋人や配偶者のことばかり考えてしまうことがあります。
でも、人との繋がりは、それだけではありません。
昔からの友人かもしれません。
きょうだいかもしれません。
仕事を通じて知り合った人かもしれません。
趣味の仲間かもしれません。
地域で顔を合わせる人かもしれません。
たまに連絡を取るだけだけれど、
会えば昨日まで一緒にいたように話せる人かもしれません。
そして、
一人の人に、全てを満たしてもらわなくてもいい。
寂しいときに話す人。
困ったときに頼る人。
趣味を楽しむ人。
人生について話す人。
それぞれ違っていてもいいのです。
人間関係は、
「誰か一人を見つければ完成するもの」
ではないのだと思います。
■年齢を重ねると、少し先のことを考えるようになる
若い頃は、
「今楽しいから、それでいい」
と思えていたことでも、
年齢を重ねると、少し先のことが見えてきます。
友達が結婚して、以前のように気軽に会えなくなったり。
仕事を辞めたら、今の人間関係も変わるのかなと思ったり。
親が年を取り、自分自身の老後を少し現実的に想像するようになったり。
それは、必要以上に怖がることではありません。
けれど、
「今一人で平気だから、この先も何も考えなくていい」
と決めつけなくてもいいと思います。
今、一人で過ごすことが心地いい。
でも将来も、
完全に誰とも関わらずに生きたいわけではない。
そう気づいたのなら、
今すぐ人付き合いを増やす必要はなくても、
自分にとって必要な繋がりは何なのか
少し考えておくのも悪くありません。
■自分にとって心地よい距離を知る
あなたは、
毎日連絡をもらうと安心するでしょうか。
それとも、少し疲れてしまうでしょうか。
好きな人とは毎日会いたいでしょうか。
それとも、会わない日があるほうが、次に会うとき優しくなれるでしょうか。
友達は多いほうが安心でしょうか。
それとも、数人いれば十分でしょうか。
人と過ごしたあと、
元気になりますか。
それとも一人になって、ようやく元気が戻ってきますか。
こうしたことは、
普段あまり真剣に考えないものです。
でも、
「自分は人間関係で、どのくらいの距離を求める人なんだろう」
と考えてみると、
今までの人間関係が少し違って見えることがあります。
人付き合いが苦手だったのではなく、
近すぎる関係が苦手だった。
恋愛に向いていなかったのではなく、
四六時中一緒にいる恋愛が向いていなかった。
友達が少ないのではなく、
広く浅く付き合うことを必要としていなかった。
そんなふうに整理できることもあります。
■占いは、「自分に合う距離」を知る材料にもなる
私は占いを、
未来を決めるためだけのものだとは考えていません。
特にインド占星術では、
どんな人間関係を心地よく感じやすいか。
一人になる時間をどのくらい必要としやすいか。
人との関わりの中で、何に疲れやすいのか。
広く浅い関係と、狭く深い関係のどちらを求めやすいのか。
恋愛や結婚では、どんな距離感を心地よく感じやすいのか。
そういったことを考える材料もあります。
また、
人生の中で人間関係に意識が向きやすい時期や、
新しい出会いや関係性の変化が起こりやすい時期を見ることもあります。
ただ、
「あなたは一生孤独です」
「結婚できない星です」
「何歳で必ずパートナーができます」
そんなふうに人生を決めつけるために使うものではありません。
占いで人生を決めるのではなく、
自分の性質を知り、これから何を選ぶかを考えるために使う。
私は、そのくらいの距離感がちょうどいいと思っています。
もし、
「私は人付き合いが苦手なのかな」
「本当は結婚したいのか、自分でもよく分からない」
「一人は好きだけれど、このままでいいのか少し不安」
そんな気持ちがあるなら、
一度、自分が人間関係に何を求めているのか整理してみてもいいかもしれません。
占いは、その整理をするときの一つの方法です。
■「一人か、誰かと一緒か」ではなく
一人でいることが好き。
でも、ずっと一人は少し怖い。
その二つが同時にあるからといって、
どちらかを消さなくてもいいのだと思います。
もっと人付き合いを増やさなければいけないわけでもありません。
無理に、
「一人でも大丈夫」
と言い聞かせる必要もありません。
大切なのは、
一人を選ぶか。
誰かと一緒にいることを選ぶか。
その二択ではなく、
自分は、どんな距離なら心地よく人と繋がっていられるのか。
それを知ることなのかもしれません。
近過ぎなくていい。
毎日連絡を取らなくてもいい。
一緒に暮らさなくてもいい。
でも、
人生のどこかで、
「この人がいてよかった」
と思える関係がある。
そんな形でもいい。
一人でいられることと、
誰かと繋がっていることは、
きっと反対側にはありません。