毎月CSVを開いて、空欄を探して、重複を消して、合計を出す。
面倒なので自動化したい。でも、いざ人に頼もうとすると「今の作業を楽にしてください」以上の説明が難しい。
最初から仕様書を書く必要はありません。まず、普段の作業で自分が手を止めている行を見つけてください。
集計を速くするだけでは、その確認は残ります。何を集計に入れ、何を確認に回すかが決まると、頼むものが具体的になります。
■ 同じ注文番号が2行あったら、片方を消していい?
たとえば、次のような受注CSVがあるとします。説明用の架空データです。
注文番号/日付/金額
A001 / 2026-09-01 / 12000
A002 / 2026-09-02 / 15000
A003 / 2026-09-03 / 8000
A003 / 2026-09-03 / 9000
A004 / 2026-09-04 / 空欄
A005 / 2026-09-05 / 要確認
A006 / 2026-02-30 / 5000
「重複を除いて合計する」だけでは、まだ作り方を決められません。
A003は二重登録かもしれないし、金額を修正した履歴かもしれない。注文番号が同じでも、明細ごとに複数行になる業務もあります。
理由が分からないまま先頭の行を採用すると、誤った金額を残す可能性があります。
この見本では、同じ注文番号の行は両方を確認に回します。空欄の金額、不正な文字、存在しない日付も集計に入れません。
すると、結果はこうなります。
- 登録候補:A001とA002の2行。合計27,000円
- 要確認:A003の2行とA004〜A006の計5行
- 要確認の各行に、止めた理由を付ける
27,000円は「会社の確定売上」ではありません。今回の確認条件を通った2行の合計です。保留した5行を誰がどう直すかは、別に残ります。
この区別がついていれば、ツールが出した数字を過信せずに使えます。
■ 普段の確認を、状態・処理・判断に分ける
難しい言葉に置き換えず、普段している判断を書きます。
注文番号が重複
ツール:該当する全行を理由付きで取り出す
人の判断:二重登録・訂正・別明細のどれか
金額が空欄
ツール:集計から外して確認一覧に出す
人の判断:正しい金額の確認先
日付が存在しない
ツール:自動で別の日付に直さず止める
人の判断:元資料を見て正しい日付を決める
すべての不備を自動修正する必要はありません。自動で決めてよいことと、人に返したいことが分かれているほうが、運用しやすい場合があります。
逆に、社内でもまだ決まっていない判断は「未定」と書いてください。そこを推測で埋めて作ると、速く間違える仕組みになってしまいます。
■ 時間を測るなら、集計ボタンを押す前後も含める
集計が一瞬になっても、ファイル探しや修正依頼が残ることがあります。
次の作業を一度だけ、分けて測ってみてください。
1. CSVを受け取り、対象のファイルをそろえる
2. 不備を探す
3. 担当者に確認し、返答を待つ
4. 修正後に集計する
5. 元データと合計を照合し、結果を渡す
たとえば月90分のうち、確認待ちを除く手作業が60分。その60分がツールで20分になるなら、減る手作業は月40分です。月90分が丸ごとなくなる計算にはしません。これは計算例で、実際の削減量を保証するものではありません。
たまにしか行わず、毎回ルールが変わる作業なら、いきなり専用ツールを作らず、入力形式や手順をそろえるだけで足りることもあります。
■ 依頼の最初の一文は、これで足ります
毎月の受注CSVで、注文番号の重複と金額の空欄を探しています。不備のある行を理由付きで取り出し、確認条件を通った行だけの合計も見たいです。重複を勝手に削除せず、両方残して確認したいです。
このあとに、普段の行数・ファイル容量・使うPCとブラウザ・希望納期を添えます。実データをそのまま送る必要はありません。列名と形式を残した架空の例から、対応範囲を確認できます。
ミナト事業設計室では、こうしたCSVの確認・集計ツールを制作しています。基本料金30,000円の対象は1業務・1種類のCSV・10列以内・確認ルール5つまで。複数CSVの統合や外部システムとの連携は、基本範囲とは分けて確認します。
完成見本と対応範囲を見る
相談では、上の一文をご自身の作業に置き換えてお送りください。まず、その作業が今回の制作範囲に合うかを確認します。