近年、AIで音楽を生成できるサービスが非常に身近になりました。
プロンプトを入力するだけでBGMを生成出来るサービスもあり、今では「BGMを用意する」ということ自体のハードルが大きく下がっています。
そこで、ひとつ大きな疑問が生まれました。
AIで生成したBGMを「オリジナルBGM」と謳っていいの?
恐らく、ご自身で作曲/編曲・ミックス/マスタリングなどを行う方は特に複雑な心境になる部分かと思います。
まず、日本の著作権法の観点では、AIを使ったという事実だけで、その音楽に著作権があるかどうかが一律に決まるわけではありません。
人間がどの程度創作的に関与したのかなどを踏まえて、個別に判断されます。
つまり、
「AIで作った=必ず著作権がない」
という単純な話でもありません。
なので、オリジナルと謳うことは実質可能となる可能性が高いです。
一方で、EUでは2026年8月2日からAI Actの透明性に関する規定が適用されています。
AIによって生成・改変されたコンテンツについて、提供者側に機械可読なマーキングなどを求める規定があり、ディープフェイクなどについては、利用者側にも一定の開示義務があります。
ただし、これは
「AIで作ったBGMは、EUでは全部『AI生成です』と表示しなければならない」
という単純な話ではありません。
こうして見てみると、
「法律上どう扱われるのか」と「オリジナルBGMと呼ぶことをどう考えるのか」は、別の問題なのです。
非常にややこしいですね。
例えば、ポストされているBGMの説明欄に
「オリジナルBGM」
と書かれていたら、
「この人が作曲したBGMなんだな」
と、当然のごとく受け取ります。
これは、「オリジナルBGM」という言葉の定義が「投稿者が作曲/制作をしたBGM」と脳内で変換されているからです。
しかし、実際にはAIにプロンプトを入力して生成したものだったとしたら、
「AIで生成したことも明記してほしかったな」
と思う方も多いのではないでしょうか。
もちろん、AIを使っていること自体は全く悪いと思っておりません。
ただ、
AIを使っているなら、AIを使ったと伝える。
ことが重要かもしれません。
今のところ表示に関してのルールが曖昧なので、「AI生成BGMをオリジナルと謳って良いか」に関しては、少なくとも日本において、
・倫理観
・リスペクト
・マナー
この辺りの問題なのかと考えます。
見る側も「どのような過程で制作された作品なのか」を理解した上で楽しめると思っています。
そして、これは作品そのものだけの問題ではないと思っています。
例えば、AI不使用を謳って活動している作曲家が、自身のBGMを使用した映像作品のサムネイルに「AI生成イラスト」を使用していたら
「え、もしかして、BGMもAIなのでは?」
と、別の作品まで疑われてしまう可能性だってあります。※ソースは過去のわい。
もちろん、それだけで過去の作品がAIだったと判断できるわけではありません。
ただ、一度生まれた疑念が、別の作品にまで広がってしまうことは往々にしてあります。
何事にも言えることだと思うのですが、一番大切なのは
「信用」
です。
制作方法をできるだけオープンにしておくことも、クリエイターとして大切なことの一つだと思っています。
AIを使った音楽生成と、人間が作曲・編曲して作る音楽は、用途によって使い分けてる事自体は問題ないと思います。
しかしながら、自身がAIだと疑われたくない部分と掛け合わせるのは、大変危険かと思います。
例えば、全て自身で制作した音楽を聴いてもらいたいが為に音楽に全力を注ぎ、コストを掛けたくないイラスト部分にAIイラストを使用してMVもAIで制作するなどです。※ソースはわい。
この人はAIを使う人だから、もしかしたら音楽でも使ってるけどバレてないだけかも。
当然、そのように思われてしまいます。
ですので、本当に自身の作品とは関係のないVlogや商品紹介動画などの後ろで流すくらいのレベルが丁度良いのかもしれません。
大々的にAI生成音楽を打ち出していくのであれば
『AIを使用している事を予め明記する』
事がとても大切なのかなと思います。
その方が変な勘違いも生まれませんし、同じクリエイターの方から反感を買うこともありません。
なんとなくAI使用をうやむやにして、自分が制作している風はどうしても目についてしまう恐れがあります。
倫理観とリスペクトを持ち、マナーやリテラシーを意識した上で誠実に活動をしていきましょう。
逆に、作品としてBGM制作をご依頼いただくのであれば、
誰がどのように作った音楽なのかまで含めて、安心して使っていただける作品を提供したい。
とも考えております。
project AMBIVALENCEではAI生成を一切使用しないBGM制作・販売を行なっております。
BGM制作についてのご相談も、お気軽にお申し付けください。