改善リーダーには、改善手法を身に付けることと同時に、組織を動かす手腕が求められます。
なぜならば、1人でできる仕事の範囲は小さくても、多人数の協力を得ると成果が大きく、更に定着しやすいからです。
アメリカの経営学者:チェスター・バーナード氏は、組織を機能させる3つの条件を提唱しています。
① 共通目的
② 貢献意欲
③ コミュニケーション
第一に「共通目的」を挙げています。
組織のリーダーはメンバー全員と共に、目的を共有します。
目的とは、得たい結果、求める姿と換言でき、目指すべき方向性を示します。
例えば、多くの企業様で取組んでいる5S活動を、全社のテーマとして推進したいならば、「何のために5Sをするのか」「何を求めて5Sをするのか」を共有することです。
この、5S活動を「共通目的」と結び付けた記事は、以下を再確認してください。
第二に「貢献意欲」です。
前出の「共通目的」に対して、「よし、ヤロウ」と前向きになるよう導きます。
モチベーション、動機付け、共感、共鳴などとも言われ、メンバーのやる気スイッチを入れる作業です。
このテーマは厄介な性質であり、リーダーが「やる気出して」と言って、メンバーが「ハイ、わかりました」という類のものでは無いもので、
メンバー(相手)の心の底から湧き出る感情なので、それを掘り起こさなければならないのです。
これは簡単なことではなく、リーダーの資質が問われます。
そのためには、相手に関心を持ち、相手を知り、相手のことを研究することが必要で、しかも一人ひとり特性が異なるので、知識だけではなく、現場経験がものをいいます。
従って、「貢献意欲」を引き出せるか否かは、リーダーの技量として差が出やすいものなので、成功と失敗体験を積み、しっかり腕を磨きましょう。
第三に「コミュニケーション」を挙げています。
前出の「貢献意欲」が高まったとしても、それを一時的なものにしては、「共通目的」は果たせません。
今日だけではなく、明日も、来週も、来月も、1年間、場合によっては複数年に渡り、「貢献意欲」を持ち続ける必要があるのです。
そこで必要になるのが「コミュニケーション」。
リーダーはメンバーの意見に耳を傾け、反応が薄ければ意見を吸い上げることも必要です。
一方で、自分の思いや期待値を伝え、メンバーに共感してもらうことも重要です。
例えば、メンバーと個人面談をして、互いの意見をぶつけ合って、そこから「貢献意欲」を引き出し、「共通目的」に導く地道な作業です。
このようにバーナード氏が、大変わかりやすく整理してくれたお陰で、私はソニー在職中に現場をマネジメントしていた時には、大変にお世話になった3つの条件です。
どのようにお世話になったかというと、
その日のマネジメントを反省する時に、この3つの視点で振り返りました。
すると、「(貢献意欲を引き出すためには)もっと違うやり方があったかも」「次は、違う人の意見を聴いてみよう」となり、ステップアップできるのです。
3条件に基づいて日々の反省を繰り返すことで、組織を機能させるコツを体得できたような気がします。
何よりも、「方向性は間違っていない」と思えることは、当時から心強く感じていました。
「組織を通じて結果を出す」「相手に思った通りの結果を出させる」ことは難しいものですが、一方で、チームが機能して成果が出た時の喜びは、体験した者にしか解らない貴重な財産です。
皆さんが更にマネジメントの腕を磨く上で、今回のバーナード氏の「組織を機能させる3条件」を参考にしてください。