生成AIを使ってロゴやイラストを作る方が増えています。
その中で、
「印刷会社からAIデータで入稿してくださいと言われた」
「このAI画像をIllustrator(.ai)データにしてほしい」
「画像をベクター化してほしい」
というご相談も多くいただくようになりました。
しかし、「AI画像をベクター化する」という言葉だけでは、実際にどのような作業が必要なのか判断できません。
場合によっては短時間で対応できることもありますが、デザインを描き直すほどの作業量になるケースもあります。
この記事では、ベクター化とは何か、そしてご依頼前に知っておいていただきたいポイントをご紹介します。
そもそもベクターデータとは?
ベクターデータとは、点や線、曲線などの情報で描かれたデータです。
JPEGやPNGなどの画像は、小さな色の粒(ピクセル)が集まってできています。そのため、大きく拡大すると画質が粗くなってしまいます。
一方、ベクターデータは図形や線の情報をもとに描かれているため、
・名刺
・チラシ
・ポスター
・看板
など、どんなサイズに拡大・縮小してもきれいな状態を保てます。
そのため、ロゴやアイコン、シンプルなイラストなどは、ベクターデータで制作されることが一般的です。
ベクターデータ化とは?
画像やデザインを、ベクター形式のデータにすることです。
(ここでベクター化するために使うのが、Illustratorです。Illustratorは、画像をベクターデータ化したり、一からベクターデータを作成したりできる代表的なソフトです。)
ベクターデータにする方法の例です。
例えば、Illustratorで
・トレースして作る(※)
・図形を一から作る
・文字を打ち直す
・パスを組み直す
・ツールを使って自動でベクター化する
※トレースとは、元の画像を見ながら、線や形を描き起こす作業のことです。手作業でも、自動トレースでも「元画像をなぞる」という意味になります。例えば、手書きロゴをIllustratorで描き直す、紙のロゴをなぞってデータ化する、これらはトレースです。
トレースは、ベクターデータ化するための方法なんですね。
「ベクター化してください」だけでは判断できません
「ベクター化をお願いします」というご依頼でも、目的によって必要な作業は大きく変わります。
例えば、
・ロゴを印刷用データにしたい
・サイズを自由に変更できるようにしたい
・色だけ変更したい
このような場合は、比較的シンプルな作業で対応できることがあります。
一方で、
「AIで作った画像を、見た目そのままで印刷用データにしてください」
という場合は、必要な作業が大きく変わります。
まずは「何のためにベクター化したいのか」を確認することが、とても重要です。
AI画像は、そのままきれいにベクター化できるとは限りません
生成AIで作られた画像は、とても魅力的に見えます。
しかし、よく見ると
・線が少し歪んでいる
・左右が完全には揃っていない
・細かな模様が複雑
・境界がぼんやりしている
といった特徴があることも少なくありません。
このような画像を自動でベクター化すると、
・線がガタガタになる
・不要なアンカーポイントが大量にできる
・印刷するとイメージが変わってしまう
ということがあります。
もちろん、シンプルなロゴやアイコンであれば、そのままベクター化できるケースもあります。
一方で、複雑なイラストやリアルな画像では、デザイナーによる調整や描き直しが必要になることが多いです。
「トレース」ではなく「再制作」になることもあります
「この画像をそっくりそのままベクターデータにしてください。」
このようなご依頼の場合、単純なトレースでは対応できないケースがあります。
例えば、
・線を整える
・図形を作り直す
・バランスを修正する
・色を調整する
など、人の手でデザインを組み直す作業が必要になることがあります。
つまり、単純にそのまま「ベクター化」というよりも、デザインを再制作する工程になることもあるのです。
そのため、通常の画像トレースよりも制作時間や料金が高くなる場合があります。
ご相談の際に教えていただけるとスムーズです
より正確なお見積りやご提案のため、以下の内容をお知らせいただけると助かります。
・元画像(できるだけ高画質)
・使用目的(印刷・Web・SNSなど)
・印刷物の種類(名刺・チラシ・看板など)
・どこまで元画像に近づけたいか
・希望納期
・ご予算
これらが分かることで、必要な作業内容を判断し、最適な方法をご提案できます。
まとめ
生成AIは、アイデアを形にする便利なツールです。
一方で、AI画像を印刷用のベクターデータへ変換する作業は、画像の内容によって難易度が大きく変わります。
そのため、「ベクター化してください」というご依頼だけではなく、
「何に使いたいのか」「どのくらい元画像に近づけたいのか」
を教えていただけると、より適切なお見積りやご提案が可能になります。
用途によってはシンプルなトレースで対応できることもあれば、デザインを整えたり再制作したりすることで、より品質の高い印刷用データをご提供できる場合もあります。
「この画像はベクター化できるのかな?」
「印刷会社に提出するには、どんなデータが必要?」
そんな疑問がありましたら、お気軽にご相談ください。一緒に最適な方法を考え、ご希望に合ったデータをご提案いたします。