『相棒』公式で、神戸尊が再び特命係に復帰するというアナウンスがされたので。
こちら『神戸尊の事件簿』のスタンスを、つぶやき解説で神戸尊の事件簿のマスコット大河内春樹の生霊が宿っているウサギのぬいぐるみ、うさこうちはるきさんと、神戸君分かりやすく解説します。
要はこの世界ではSeason11 第1話「聖域」で杉下右京は終わっています。
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何故現実の世界、および神戸尊の事件簿の世界では
Season11第1話「聖域」は一発アウトなのか?
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神戸「大河内さん。警察官が共産圏へ行くこと。ましてや無断なんて絶対に許されないじゃないですか。それは結構知っている人多いですけど、在他国の日本国総領事館や大使館の中でその国の警察官が、無断で捜査できないことって案外知られていないんですね」
うさこうち「そうだな。Season11第1話の杉下さんは、本来ならば一発で重い懲戒処分になるはずのこの行為を、むしろそのおかげで処分保留になったと考える人は多い」
神戸「確かに。一見事件解決ですからね」
うさこうち「しかし考えてもみろ。あれは日本の警察だったから良かったようなものだ。
日本でも問題になっているだろう。中国の地方警察当局が日本を含む外国に拠点を設け、国外での取締りや在外華人の監視などを行っている可能性がある、という問題が。
外国の警察組織が、相手国の主権を侵害する形で勝手に活動したら、外交問題になるんだ。あれと同じ問題を、杉下さんも引き起こしかねない行動をしたということになる」
神戸「そうなんですよ。時々米兵が犯罪を犯して身柄がアメリカ側に引き渡されていますから、それと同じ感覚なんでしょうか?」
うさこうち「いや、そこは少し違う。米軍基地はアメリカの領土でも、治外法権の場所でもない。日本の領域で、日本の法令が適用される。
ただし、日米地位協定によって身柄の拘禁や引渡しに特別な取り決めがある。だからこそ、米軍人の犯罪は外交上の問題にもなるんだ」
神戸「つまり、日本でも結構頻繁に見る外交問題になっている案件を、杉下さんだと『杉下さんだからOK』と見る人が多いという事になりますよね?」
うさこうち「そういうことだ。ましてや香港も今は中国だからな。何があるか分からん。だから我々警察官は共産圏へ渡航することは厳しく制限されているのだが。・・・要は主人公補正だな」
神戸「(苦笑して)確かに。・・・それに、日本の総領事館や大使館内でその国の人間が犯罪を犯した場合、たとえ容疑が明白でも、公館側の承諾がなければこちらの捜査当局は一歩も立ち入れない。それどころか、不可侵権を盾に逮捕すらできない例だってあります。これだって、国際法を齧(かじ)っていれば結構よく聞く話なんですけどね」
うさこうち「それに、だ。世間には『杉下をクビにしたら野に放たれて余計に危険だから、あえて特命係という檻の中で飼い殺しにしている』などと、組織の防衛論理を好意的に解釈する者もいるようだが、『相棒』を全て観ている人ならば、そんな言い訳は通用しないのはすぐに分かるはずだ」
神戸「あ!!そうか。杉下さんは過去に一度、上層部の逆鱗に触れて本当に『退職処分』になっていますよね。組織のメンツを守るためなら、あの人を警察から叩き出すことなんて、上層部にとっては前例のある、最も手っ取り早い手段のはずですし。警察に戻ったのも『特命係という檻の中で飼い殺しにしている』という理由でした」
うさこうち「その通りだ。一度クビにしている前例がある以上、Season11第1話のような国家主権の侵害にもなりかねないというレベルの大不祥事を、再び『飼い殺し』という生ぬるい状態のまま籍を置いておくこと自体、組織としては絶対にあり得ない。一度目のクビが通用した上に、更に飼い殺しにした結果がこのザマだ。二度目が通用しない道理がないからな」
神戸「(深く頷いて)つまり、あの香港での暴走(Season11第1話)をやらかした時点で、現実の法律と組織の防衛本能に従えば、杉下右京という警察官の歴史は完全に『一発アウトで終わっている』ということですね。それが法治国家の警察としての、絶対に変えられないリアルな境界線なんですし」
うさこうち「そういうことだ。だから我々の世界線では、あそこで特命係の杉下右京は完全に幕を閉じている。公式で何が起きようと、この『神戸尊の事件簿』のスタンスが揺らぐことはない」
神戸「たとえフィクションであっても、線を引くべきところは線を引かなければならないですからね。だって僕たち警察官ですし。それにその事件が大きな分岐点なんですから、二度と交わる事はないですし」
うさこうち「そういうことだな」
神戸「あ!そうだ。次回の境界シリーズはうさこうちさんですよ!」
うさこうち「うむ。この体は移動には便利だが、しばらく登場がなかったな」
神戸「んもう。移動が楽って、僕がいつも抱っこするからじゃないですか」
うさこうち「・・・うむ」
『神戸尊の事件簿』とは。
『相棒』の二代目相棒・神戸尊を主人公とした、パラレル設定の二次創作刑事ミステリーシリーズです。
本シリーズでは、ロンドンへ渡った杉下右京が、中国返還後の香港へ無断で渡航。在香港日本国総領事館で起きた事件を、現地で捜査権限を持たないまま独断で捜査した結果、国家公務員としての重大な規律違反と外交上の問題を引き起こし、日本へ帰国できなくなっています。
これは、公式エピソードから派生させ、右京の行動がもたらす法的・外交的影響を、より重く扱ったパラレル世界です。
右京に代わって特命係を守ったのが神戸尊です。
神戸のもとで違法捜査を行わなくなった特命係は、廃止する理由を失い、のちに警視庁刑事部の正式な部署となりました。神戸自身も警部へ昇任し、特命係長に就任しています。
二次創作ではありますが、ドラマ版と同様、事件捜査と人物心理を中心とした本格刑事ミステリーとして執筆しています。
また、ストーリーの都合上、甲斐享のいる中根署は目黒区ではなく中野区になっています。
また、作中のキャラクターイラストは、すべて自作(マウス画)です。
執筆だけでなく、挿絵やバナーイラストもマウス描画で自作して掲載しています。