AIでいい文章を書くには、プロンプトが大事。でも、その前に。

AIでいい文章を書くには、プロンプトが大事。でも、その前に。

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ビジネス・マーケティング
こんにちは。「ことばの手前」のカナです。

最近、AIを使って文章を書く人が増えましたよね。
そのとき、「いい文章を書いてもらうには、プロンプト(指示の出し方)が大事だよ」という話をよく耳にします。

ターゲットは誰か。
文字数はどのくらいか。
どんな雰囲気にしたいか。

たしかに、そうやって具体的に伝えるほど、AIもこちらの意図をくみ取ってくれやすくなります。

でも私は最近、そのプロンプトの「もう一歩手前」に、すごく大切なことがあるんじゃないかなって思うんです。

それは、
「そもそも、AIに何を伝えるのか」ということです。

■AIは、渡されていない想いまでは書けない


たとえば、「地域密着で、お客さまに寄り添う会社です。温かい雰囲気の代表あいさつを書いて」とAIにお願いしたとします。

きっと、すごくきれいな文章をつくってくれますよね。
「地域のみなさまとともに歩み……」みたいな感じで。

もちろん、それは間違いではありません。

でも、その会社が「どうして地域を大切にしているのか」「なぜ寄り添うという考えに行き着いたのか」、そこまではAIには伝えていません。
だから当然、AIもその部分は書けないんですよね。

どんなにお願いの仕方を工夫しても、もともと渡していない経験や想いのことまで、AIが知っているわけではありません。

■きれいな言葉の奥にある、その人だけの背景


「お客さまに寄り添っています」という同じ言葉でも、その背景は人によって全然違います。

昔、お客さまの話を十分に聞けなくて後悔した経験があるのかもしれない。

自分がお客さんの立場だったときに、話を聞いてもらえず寂しい思いをしたからかもしれない。

長く仕事をする中で、一方的に答えを出すよりも、一緒に考えた方がうまくいくと気づいたからかもしれません。

そこまで分かると、同じ「寄り添う」という言葉でも、ぐっとその人にしか言えない言葉になっていきますよね。

だから私は、お話を聞くとき、
「どうして、そう思うようになったんですか?」
「何かきっかけがあったんですか?」
って、ついもう少し聞いてみたくなるんです。

きれいにまとまった言葉よりも、そこに行き着くまでの、まだ整理されていないお話の中に、その人らしさが隠れていることが多いからです。

■「どう書いてもらうか」と同じくらい、「何を渡すか」


AIにどんな指示を出すかは、とても大切です。

でも、その指示の中に入れる「中身」がなければ、その人らしい文章にはなりにくいと思うんです。

たとえば、「うちは丁寧な会社です」とだけAIに渡すのと、

「納期に遅れそうなときは、分かった時点ですぐに連絡することをずっと大切にしています。昔、ギリギリまで自分たちで抱え込んで、かえって迷惑をかけたことがあるからです」

まで伝えるのとでは、出来上がる文章はまったく変わってきます。

これは文章力の問題ではなくて、AIに渡している「中身」そのものが違うんですよね。

自分では「当たり前」になっていること
でも、ここが少し難しいところです。
その「中身」って、自分ではなかなか気づきにくいんです。

お客さまにいつも必ず説明していること。
過去の失敗から、ずっと気をつけていること。
何年も変えずに続けていること。

ご本人にとっては、「そんなの当たり前ですよ」で終わってしまったりします。
でも、外から見ると、そこにその人の仕事への姿勢や考え方がしっかり表れていることがあります。

だから、AIに「うちの強みって何かな」と考えてもらう前に、少しだけ立ち止まって、自分自身を振り返ってみてもいいかもしれません。

「どうして、このやり方をずっと続けているんだろう」
「お客さまから、よくどんな言葉をかけてもらうかな」
「一度失敗してから、気をつけるようになったことはあるかな」
「こういう仕事のやり方だけは嫌だな、と思うのはどんなときだろう」

すぐに答えが出なくても大丈夫です。
「そう言われると、考えたことなかったな……」
って立ち止まるところに、まだ言葉になっていない大切なものがある気がします。

■AIの時代だからこそ、「自分の中にあるもの」を探す


これからは、文章を分かりやすくしたり、きれいに整えたりすることは、AIがどんどん手伝ってくれるようになります。

だからこそ、
「どう書くか」より先に、「何を伝えるか」
が、もっと大切になっていくのかなって思うんです。

「私は、なぜこの仕事をしているんだろう」
「今まで、何を大切にやってきたんだろう」
「これから出会う人に、何を知ってほしいんだろう」

その答えは、最初からきれいな言葉になって自分の中にあるとは限りません。

むしろ、
「うーん、なんででしょうね……」
「そういえば、昔こんなことがあって……」
「今まで気にしたことなかったけど……」

そんなふうに誰かと話しているうちに、初めて気づくこともあるんじゃないかなと思います。

■まだ言葉になっていない想いを、一緒に


AIがつくってくれた文章を読んで、「なんだか、自分の言葉じゃないみたいだな」と感じたとき。

「もっと自然にして」
「もっと人間味を出して」
とお願いし直すのも、ひとつの方法です。

でも、その前に一度だけ、
「私はAIに、自分の何を渡したかな?」って考えてみてほしいんです。

具体的な経験は入っているかな。
なぜそう思うのかという理由は伝えたかな。
普段大切にしていることまで話したかな。

もし、そこがまだふわっとしているなら、それはプロンプトの問題ではなくて、単純に「AIに渡す前の言葉」が、まだ見つかっていないだけかもしれません。

私は、その「言葉になる手前のもの」を、インタビューで一緒に探す仕事をしています。

最初から立派な答えなんていりません。
「うまく言えないんですけど……」
「なんとなく、こんな感じというか……」
そんなところからで大丈夫です。

お話を聞きながら、
「それって、どうしてそう思ったんですか?」
「何かきっかけがあったんですか?」
と一緒に少しずつたどっていくと、ご本人も忘れていたような経験や、まだ言葉になっていなかった想いが見つかることがあります。

そこが見えてくれば、自分で書いても、AIに手伝ってもらっても、ライターに頼んでも、その人らしい文章にぐっと近づいていくと思います。

AIでいい文章を書くには、プロンプトが大切。
それは間違いありません。

でも、その前に。
AIに、あなたの何を渡しますか?

文章になる、もう少し手前にあるもの。
まずはそこを見つけるところから、始めてみませんか。

▶インタビューから、あなたの仕事や想いを記事にしています。
「うまく話せるかわからない」という方も、お気軽にご相談ください。


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