優しくて、残酷な「時」とともに

優しくて、残酷な「時」とともに

記事
コラム
時の流れって、優しくもあり、残酷でもあるのだと、
あらためて感じています。

20代の独身の頃にお世話になった上司。

別居して遠い地に来てからも
会いに来てくれたり、
離婚するときには
とても力になってくださった方でした。

私はしっかりと歳を重ねて60代になったけれど、
自分の中では、その人はずっと
あの頃のままの姿で生き続けていました。

けれど昨日、喪中はがきが届きました。

時の流れには抗えないという現実を、
静かに突きつけられた気がしました。

最近は、
年賀状でのやり取りしかできていなかったけれど、
「きっと元気でいらっしゃる」
と、疑いもせず、信じてきっていました。

でも時は確実に流れ、
あの頃の時間をすべて“過去”にして、

もう二度と戻れない日々を
作り出していっていたんだと、
今になって気づきました。

いま、心は、とても静かだけれど、
深い悲しみの中にいます。



先日、ひとつの映画を観ました。

志半ばで病に侵され、
大好きだった野球を諦めなければならなくなった
一人の選手の物語。

それでも彼は、
残された時間の一日一日を
大切に生き抜いていました。

その中で出てきた言葉が、胸に残っています。

「一日一生」

24時間という限られた時間を、
人生のすべてと捉え、大切に過ごすこと。

明日が約束されているわけではないからこそ、
今日という日を愛おしく、
意味あるものとして生きるという姿勢。

日々、時間に追われ、生活に追われ、
私たちは唯一無二の日々を、
あまりにも当たり前のように
過ごしてしまっています。

でも、今過ごしているこの時間も、実は
奇跡のような積み重ねの上に成り立っているんだ、
と思うのです。

だから、これからは、
今という時間が、
奇跡の上に成り立っているということに、
そっと意識を向けながら、

一日一日を、
大切に、大切に、
過ごしていきたいと思います。

当たり前のように過ぎていく朝も、
何気なく交わす言葉も、
静かに流れていく夜も、

本当は、二度と同じものは訪れない、
たったひとつの時間。

だからこそ、急がなくてもいい。

完璧でなくてもいい。
ただ、生きているこの瞬間を、
静かに抱きしめていたいのです。


今日という一日が、あなたにとっても
やさしい時間でありますように。







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