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ペットショップで売れ残った子犬は、殺処分されてしまうのか。
SNSやネットの噂を見て、悲しい想像をしてしまう方もいるかもしれません。
私も長く現場にいましたから、その不安な気持ちはよくわかります。
しかし、私は20年間ペットショップで働き続けた中で、
売れ残ったからという理由で殺処分されるケースを一度も見たことがありませんでした。
まずは、この一点だけでも、安心してほしいのです。
もちろん、世の中には本当に許されない環境で動物を扱う悪質なショップも存在します。
劣悪な環境で、犬たちがきちんとご飯ももらえず、汚れたまま放置されるような店舗。
そういうお店は、正直に言って「なくなってほしい」と私は思っています。
動物を商材としてしか見ず、命を軽んじる場所に未来は必要ありません。
しかし、その一方で、
真面目に、誠実に、犬たちの幸せを第一に考えているショップも間違いなく存在します。
私はその現場で働いてきた一人として、
どうか「全部が悪」だと思わないでほしいという気持ちがあります。
ペットショップという場所は、ブリーダーからお金を払って犬を仕入れています。
月齢が進んだからといって殺処分してしまえば、
その仕入れ代金はすべて無駄になってしまいます。
経済的にも理屈が合わず、倫理的にも業界の基本姿勢から外れる行為です。
それでも誤解が広まってしまうのは、
「一部の悪質業者」と「誤った情報の拡散」が原因です。
しかし、現実はまったく違います。
売れ残った子犬たちは、各ショップが責任を持って新しい家族を探します。
常連のお客様への譲渡、スタッフの家族として迎え入れるケース、
時にはお店の看板犬として愛され、店の“顔”になることもあります。
実際、私が初めて家族に迎えたミニチュアダックスも、
一度はお客様に迎えられたものの事情で戻され、
そのまま2年間お店で過ごした子でした。
当時、犬を飼ったことがなかった私に上司が
「この子を連れて帰ってあげてくれないか」と声をかけてくれました。
正直迷いましたが、あの子は私の人生を変えました。
家に迎えると、信じられないほど素直で愛情深く、
私の言うことを一生懸命に聞こうとしてくれて、
気がつけば家族全員の大切な存在になっていました。
十二年半という長い時間を一緒に過ごし、
今思い出しても胸が温かくなるほどの宝物です。
この経験を通して感じたことがあります。
売れ残りというラベルに、本当の価値は存在しません。
犬の価値は「価格」ではなく、その子が持つ愛情と存在そのものです。
だからこそ、私は誤解を解きたいのです。
一部の悪質ショップを根絶することには賛成です。
しかし、良心的なショップをまとめて“悪”と決めつけるのは、
犬たちにとっても、未来の飼い主さんにとっても不幸なことです。
良いショップが先に消えてしまえば、
正しい情報を持ってペットを迎える機会が失われてしまいます。
大切なのは、
正しい知識を持ち、自分の目で良いショップを見極めること。
これから犬を迎える人すべてに、
「どんなお店で、どんな人から、どんな環境で育った子を迎えるのか」
ぜひこの視点だけは忘れないでほしいのです。
あなたの選択が、その子の未来をつくります。
そして、良心的なショップを選ぶことは、犬たちの世界を守ることにもつながります。
どうか、正しい情報をもとに、
その子の一生を幸せへつなぐ選択をしてください。