実習記録を提出したあと、指導者から
「アセスメントが浅い」
「情報を並べただけになっている」
「患者さんの全体像が見えない」
と言われた経験がある方は、決して少なくないと思います。
情報収集はしっかりしているのに、そこからどう考えを進めればアセスメントになるのか分からない。調べた病態の知識を書いても、なぜか患者さんの状態や看護問題に結びつかない。
こうした相談を受けていると、知識が足りないというより、集めた情報をつなぐ順序が整理できていない場合が多いと感じます。
今回は、「アセスメントが浅い」と言われたときに、まず見直したい3つのポイントを紹介します。
1.事実と解釈を分ける
最初に見直したいのは、「患者さんから得た事実」と「その事実から考えたこと」が、記録の中で分かれているかです。
たとえば、次のような情報が集まったとします。
- 食事摂取量が5割
- 昨日より体重が減っている
- 食事中に疲労を訴えている
ここまでは観察できた事実です。
この情報だけを書いて終わると、「情報を並べただけ」と受け取られやすくなります。
アセスメントでは、ここから一歩進めて考えます。
- 摂取量が低下している背景には何があるのか
- 疲労や呼吸状態が食事に影響していないか
- 摂取量の低下が続くと、体力の回復にどう影響するか
「食事摂取量5割、体重減少あり」で終わるのではなく、「食事中の疲労によって十分な摂取が難しく、摂取量の低下が続けば体力の回復に影響する可能性がある」と考えをつなげることで、情報の意味が伝わりやすくなります。
記録を読み返したときに、検査値や症状の説明だけで終わっている箇所があれば、
「この情報から、この患者さんに何が起きていると考えられるか」
を一文加えられないか確認してみてください。
2.患者さんの「今」だけでなく、変化を見る
アセスメントが浅く見える原因の一つに、一時点の情報だけで判断していることがあります。
大切なのは、現在の値だけではありません。
- 入院前と比べてどう変わったか
- 昨日と今日で何が変化したか
- 治療や援助の前後でどう変わったか
- 今の状態が続くと何が起こりそうか
という時間の流れを見ます。
たとえば「SpO2 95%」という数字だけでは、その患者さんにとって安定しているのか、悪化に向かっているのかは判断できません。
酸素投与の有無、呼吸数、呼吸困難感、活動時の変化、昨日までの経過などを合わせて見ることで、初めてその数値の意味が見えてきます。
アセスメントを書く前に、情報を
「入院前 → 入院時 → 現在 → 今後」
の順に並べてみると、患者さんの変化と今後のリスクを整理しやすくなります。
3.病態と生活をつなげる
疾患や検査値について詳しく書けていても、それだけでは患者さんの全体像は伝わりません。
看護では、その病態が患者さんの生活にどう影響しているかまで考える必要があります。
たとえば、次のような視点です。
- 症状によって食事、睡眠、排泄、活動がどう変わったか
- 入院や治療を本人がどう受け止めているか
- 退院後の生活で困りそうなことはないか
- 家族や仕事、経済面にどのような影響があるか
- 患者さんが大切にしていることは何か
病態の説明を書いたあとに、
「その結果、この患者さんの生活に何が起きているか」
まで考えると、個別性の見えるアセスメントに近づきます。
同じ疾患でも、年齢、家族構成、仕事、住環境、本人が大切にしていることによって、必要な看護は変わります。
病態を理解することに加えて、その人がどのような生活を送り、今回の入院や治療によって何に困っているのかを考えることが重要です。
書けないときは、3つの問いに戻る
アセスメントで手が止まったときは、次の3つを順番に問い直してみてください。
1. 今、何が起きているのか
2. なぜ起きているのか
3. このままだと何が起きる可能性があるのか
そのうえで、
「だから、看護として何を観察し、どのように関わる必要があるか」
までつなげます。
最初からきれいな文章にしようとすると、考えることと書くことを同時に行うため、手が止まりやすくなります。
まずは、次の順に箇条書きで整理してみてください。
事実
↓
考えられる原因
↓
患者さんへの影響
↓
今後のリスク
↓
必要な観察・援助
考えの流れが見えてから文章にすると、アセスメントとしてまとめやすくなります。
関連図を作るときも、この順序を意識すると、矢印をどこにつなげるかだけでなく、「なぜつながるのか」という根拠も説明しやすくなります。
まとめ
「アセスメントが浅い」と言われたときは、情報を増やす前に、次の3点を振り返ってみてください。
- 事実と解釈が分かれているか
- 時間の流れと変化を見ているか
- 病態と患者さんの生活がつながっているか
アセスメントは、難しい言葉を多く使うことではありません。
患者さんに起きていることを、根拠とともにつなげて説明することです。
情報は集めたけれど文章につながらない。関連図の矢印の根拠が説明できない。実習課題のどこから見直せばよいか分からない。
そのようなときは、今ある記録や指導者からのコメントをもとに、一緒に整理していく方法もあります。
看護過程・実習記録・関連図・SOAPについて、提出前に根拠が伝わる形へ整える相談を受け付けています。
購入前でも、課題の種類、困っている部分、提出期限をメッセージでお知らせいただければ、対応できる範囲をご案内します。
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