書いては、消しています。
元気にしてる、の一行。
それすら送れないまま、画面を閉じる。
送る理由を探しているのだと思います。
用があったから連絡した、という形にできれば送れる気がする。
その理由が、今日も見つからなかった。
未練だと言われるのが嫌で、誰にも言えずにいないでしょうか。
■ 送る言葉を間違えたから、ではありません
人に相談すると、返ってくる言葉は二手に分かれます。
伝えないと何も始まらない。
いや、追えば追うほど離れる。
どちらも、送るか送らないかの二択で話しています。
送って薄い返事が来たことも、送らずに何も起きなかったことも、
もう経験されていると思います。
どちらを選んでも同じところに着くのなら、選び方の問題ではありません。
私が視るのは、その手前です。
縁が止まった場所は、文面の中にあるとは限りません。
■ 私も、消えた火を前の晩のやり方で起こそうとしていました
山に入ったのは十七のときです。
一度落ちた火は、前の晩と同じ手順を踏めば戻ると思っていました。
同じ場所に、同じものを置いて、同じ順番でやる。
それで起きないとき、何が足りないのかが分かりませんでした。
■ 一度燃えた炭は、前の形には戻りません
火を焚く行では、燃え残った炭を取っておきます。
消し炭(けしずみ)と呼びます。
一度火が通ったものは、新しい薪より早く火がつきます。
中に、火の通った道が残っているからです。
ただ、前と同じ姿ではありません。
軽くなって、角が落ちて、欠けたところもある。
ですから、前にあった場所へそのまま戻しても据わりません。
ぐらついたままだと、当たる面が決まらず、火が乗りません。
置き直すときに見るのは、元の形ではなく、いまの形です。
いまの形で据わる置き方が見つかれば、そこから火が乗ります。
■ 別れた二人のあいだにも、通った跡が残ります
一度近かった二人のあいだには、通った跡が残ります。
話す速さ。間の取り方。言わなくても分かっていたこと。
それは、別れた日に消えるものではありません。
ただ、二人とも別れたときの形のままではいません。
あなたも変わり、相手も変わっている。
それなのに、近づき方だけが前のままになりやすい。
前のやり方で触ると、噛み合わないことがあります。
文面が悪かったのではなく、宛て先の形が変わっている。
そして、別れた日に言えなかったことは、二人のあいだに置かれたまま冷えます。
置かれたものが固まって、次の火を起こす熱が絶える。
この状態を、熾切れ(おきぎれ)と呼んでいます。
■ だから「もう一度やり直しましょう」とは言いません
やり直せますよ。
あるいは、もう諦めたほうがいい。
どちらも、戻るか戻らないかの判定を先に出しています。
私がお渡しするのは、その判定ではありません。
どこで冷えたのか。何から先に戻すのか。その順番です。
ただし、あなたの側に非があった、という話もいたしません。
元の形に戻そうとしていた。
戻す先が、もう別の形になっていた。それだけのことです。
■ 火を焚いて、視ます
私がやるのは二つだけです。
どこで止まっているのかを視ること。
そして、そこに火を入れ直すこと。
送れない下書きだけが増えているのなら、
足りないのは文面ではなく、置き直す場所のほうかもしれません。
一人で抱えているうちは、冷えたままです。
縁がどこで止まっていて、何から先に戻せばいいのかを視る鑑定は、こちらです。
縁熾霊視師 玄焔
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