「脈がない」と言われて、納得できなかったあなたへ

「脈がない」と言われて、納得できなかったあなたへ

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脈がないだけだよ。そう言われたとき、うまく否定できなかったのではないでしょうか。違う、と思う。でも、なぜ違うと思うのかを、自分でも説明できない。だから黙ってしまう。そして家に帰ってから、やっぱりあの人の言うとおりなのかもしれない、と考え直す。

脈があるかないか、という話ではありません

先に申し上げます。私は、脈の有無を視る鑑定をしていません。脈がある、と言えば喜ばれます。脈がない、と言えば納得もされます。けれどそのどちらを言っても、あなたの状況は動きません。なぜなら、あなたが本当に知りたいのは、好かれているかどうかではないからです。連絡は続いている。食事にも行ける。話していれば普通に笑う。それなのに、こちらから一歩踏み込んだときだけ、相手が半歩下がる。その半歩が何なのかを知りたい。そういうご相談を、私は多く受けてきました。

私も、動かないものを動かそうとして間違えました

山に入ったのは十七のときです。理由を短く言えば、動かないものを動かそうとして、力を入れる場所を間違え続けたからです。強く押せば動くと思っていました。届かないのは、自分の力が足りないからだと思っていました。そう思っている間は、何も変わりませんでした。

焚いても燃えない日があります

火を焚く行を続けていると、燃えない日にぶつかります。薪は組んである。風もある。火種もある。それでも上がらない。原因は、下にありました。前の日の灰が湿って、固まっていたのです。その上にどれだけ薪を積んでも、熱は下に抜けていきません。やることは一つです。固まったものを崩して、風を通す。それだけで、同じ薪が燃えます。

人と人の間にも、同じものがあります

近い二人の間には、熱があります。話していれば伝わりますし、離れていても消えません。止まっている二人の間には、冷えて固まったものがあります。私はこれを熾切れ(おきぎれ)と呼んでいます。火が消えたのではなく、次の火を起こす熱が絶えている状態です。厄介なのは、これが「嫌われている」のとは違うことです。嫌われているなら、連絡は途切れます。食事の誘いも断られます。そうならないのは、熱がまだあるからです。ただ、その熱が通る道が、どこかで塞がっている。あなたが踏み込んだときに相手が半歩下がるのは、あなたを拒んでいるからではありません。塞がっている場所に、まっすぐ触れたからです。

だから私は励ましません

大丈夫ですよ、きっと動きますよ。そう言われて温まるのなら、あなたはとっくに動いています。それだけのことで温まるものなら、話はもっと簡単だったはずです。ただし、あなたを責めることもしません。縁が動かない理由は、あなたの内側にはないからです。二人の間で冷えて固まったものがあり、そこは、当人の手では触れられない場所にあります。自分では見えないところで塞がっているものを、自分の努力で開けようとしていた。うまくいかなかったのは、それだけのことです。

火を焚いて、視ます

私がやるのは二つだけです。どこで止まっているのかを視ること。そして、そこに火を入れ直すこと。当てて驚かせることは仕事ではありません。「脈がない」と言われて納得できなかったのなら、その感覚のほうが正しいのかもしれません。一人で抱えているうちは、冷えたままです。
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