青の教室 「色が見つかる場所」 プロローグ / 青の教室が生まれた日
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プロローグ / 青の教室が生まれた日
春の午後、
まだ肌寒さの残る風が校庭を吹き抜けていた。
友彦は、
小さな教室の窓を開け放ち、
ゆっくりと深呼吸をした。
机は三つ。
椅子も三つ。
黒板には何も書かれていない。
「ここから始まるんだな」
誰に言うでもなくつぶやいた。
子どもたちは、
世界の風をそのまま運んでくる。
喜びも、迷いも、影も、光も。
その全部を抱えたまま、
この小さな教室にやって来る。
友彦は、
子どもたちを“変えよう”とは思っていなかった。
ただ、
彼らが持っている色を
そのまま照らす場所をつくりたかった。
青は、
他者を染めない光。
だからこそ、
どんな色も自由に伸びていく。
「ここは、色が芽吹く場所になる」
そう思った瞬間、
春の風がそっと教室を通り抜けた。
青の教室は、
静かに息をし始めた。