2022年11月7日
学習塾リバティ 木村友彦
「普通は」、というよりもむしろ「古い人は」と言った方がいいか。「自分自身の立っている位置を定点とし、それを拠りどころにして周囲の世界を秩序づける(別役実『迷う犬』)」のが人間の有り様だと思う。しかし、どうも現代では、幼少時より情報があふれる世界で育つことによるのか、「周囲の世界」に自分を合わせることが正しいと考えている子どもたちが多いようだ。「不安」の支配的な世の中だ。
情報があふれていることにより、子どもたちはお父さんやお母さんの価値観とは違う世界を持っていることもよく見受けられる。お父さんやお母さんの言うことを聞かない子は悪い子なのだろうか。
私の見るところでは、人はだれでも、長い人生どこか大事なところで「自分」が試されることが必ずある。そのとき、「定点意識」が希薄な人は「迷った」と感じられる。「近頃多くなった」という「迷う犬」と同じように、すくんで動けなくなってしまうのだろう。
子育てのむずかしい時代なのかもしれないが、「原点」は変わらないと考える。「宇宙人」のような子どもにも「一分の真理」があることもよくある。私に言わせれば「定点意識」と「学業成績」は正の相関関係がある。「よく考えなさい」とは私たち自身に向けられた言葉なのかもしれないじゃないか。こんな世の中でも、自分を通そうとしている子は「エラい子」なんだと私は高く評価している。