中3物語/ほいほいの魔法の畑 第7話/時速38kmの紀行文/<伝説4>Yとセンセ編

中3物語/ほいほいの魔法の畑 第7話/時速38kmの紀行文/<伝説4>Yとセンセ編

記事
学び
2022年4月4日
学習塾リバティ 木村友彦


 「そーですか。休みましたか。」自分を追い込みがちになっていたので自分で休んだのだそうだ。のんびりしたのだそうだ。

<伝説4> YはY。コードネームなし。冗談が通じない訳ではないが真面目。だからコードネームがつけられない気がする。奴も大物になるだろう。必ずっ。
 春期講習で朝9時~夜11時の授業が続いていた。そんな今日。午後に少し時間が空いた。ふ~ん。夕方にT(たこやき)が来るまでやな。
昼寝した。昼飯食ったが小腹もすいた。いつものブン(コンビニ)か。てベッドから起き出した。久々にゼータクな時間をすごそうかあ。車。
 こーいうときは「床屋」かな。「昼下がりの床屋のゆるやかな時間の流れ」という別役実の『迷う犬』の表現が大好き。受験で願かけた髭はもう剃ったがボサボサの髪は未処理だ。でも春休みが明けたらにしょ。今日はドライブにしょ。とにかくゆっくりしょ。そー思った。
 ブンで焼き鳥3本。「388円です」「はい」「久しぶりですね。しばらく(店頭に)出していませんでしたからね。」いつものレジのおねーさんが笑う。ホッとした時間が流れ始める。ハシゴしよっ。次はFマでアイスコーヒーだ。教習所の角を右折し時速38kmでと心がけて走った。
 猪名川沿いはのんびりできる。右手に毎年楽しむ桜が満開。菜の花も満開。とてもきれい。そこすぎるとたき火の匂い。エアコンをたまたま「外気」にしていたんだ。時速38kmが馴染んでる。センターラインが黄色から白の破線になったところで、後続のダイハツのハイジェットと郵便局の赤い車が追いこしていった。こんな道では赤の信号もササッと青に変わる。もう営業していないと思われる理髪店。よごれた青赤白のサインポールを見ながら「あーこんな床屋だ」。後続車がパッシングをかけてくる。左に即、路肩スペース。ユックリズムを見事に貫徹できる。
 Fマのアイスコーヒーは大きいのにしょ。そー思ったとき思い出した。そーだ。Yだ。今日はもしかしたらYが教室に来るかもしれない。5時。もう来てるかもしれない。
 自分がエラーするかもしれない。気まぐれで教室に来る子もいるから、そういう可能性のあるときはデンキつけっぱなし。鍵もあけっぱなしで外出する。今日もそーだった。Yなら一人で勉強してる。そー思ったし、Yに「のんびりセンセ」をお手本として示すのもいい。都合よく考えた。右折し変電所の前を通り抜けた先の下り坂では時速65km。でも気持ちはのんびりしてる。Fマの予定変更なしでいこうと思った。
 FマはMサイズが大きい。レジのおっちゃん。「アイスコーヒーですか?」「はい。アイスカフェラテも同じ容器なんですね」「ホットだと3円安いです」「アイスが好きで冬でもアイスです」「暑いですね」「今日はいい天気です」。Fマ前の栗栖交差点を曲がっていくパトカーまでがのんびりしている。
 Y勉強してるかな。帰っちゃったかな。。。時速50kmは全然焦ってない。伸びやかな気持ちで教室に戻った。
 見事に第1志望高校に合格したYは入試前。焦りで勉強が手につかなかったんだ。前3日は小説を読んでいた。寝る前はモーツァルトを聴いたらしい。
 センセ。今はインターネットラジオ La-Grosse-Radio-Reggae を聴きながらとても良い気分で書いている。

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