「自分らしい表紙」にしたい。でも、誰に届ける?

「自分らしい表紙」にしたい。でも、誰に届ける?

記事
デザイン・イラスト
電子書籍を出版するなら、表紙にもこだわりたいですよね。
好きな色を使いたい。
お気に入りの写真を入れたい。
自分らしい雰囲気にしたい。
せっかく自分で書いた本だから、表紙も自分が気に入るものにしたい。
それは、とても自然なことだと思います。
実際、表紙を作るときに「自分の好きな雰囲気」を大切にすることは、決して悪いことではありません。

でも、ここで一つ考えてみてほしいことがあります。
その表紙は、自分が好きな表紙でしょうか? それとも、読者に届けたい表紙でしょうか?
もちろん、どちらか一方を選ばなければいけないわけではありません。
今回は、この2つのバランスについて考えてみたいと思います。

自分の好きなものを詰め込んでいませんか?

例えば、あなたが電子書籍を出版するとします。
好きな色はピンク。
かわいいイラストも好き。
ふんわりした優しい雰囲気が好み。
そんな自分の好みを取り入れて表紙を作ったら、きっと愛着のある一冊になるでしょう。

でも、もしその本が「経営者向けの実践的なビジネス書」だったらどうでしょう?
もちろん、ビジネス書にピンクやかわいいイラストを使ってはいけないという決まりはありません。
ただ、読者がその表紙を見たときに、どんな印象を持つかは考えておきたいところです。
もしかすると、内容の専門性や信頼感が十分に伝わらないかもしれません。
ここで大切なのは、
自分の好きなものを使うことと、読者に合ったデザインにすることは、少し違う
ということです。

表紙を見る人は、どんな気持ちで本を探している?

少し想像してみてください。
あなたが何か悩みを抱えていて、その解決方法を探すために電子書籍を見ているとします。

例えば、
- 仕事のストレスを何とかしたい
- お金の不安を解消したい
- 子育ての悩みを軽くしたい
- これからの人生を考え直したい
そんなとき、どんな表紙に目が留まるでしょうか?

安心できそうな表紙?
専門家が書いたような信頼感のある表紙?
難しい内容でも、わかりやすく学べそうな表紙?
読者が求めているものによって、魅力的に感じるデザインは変わります。

つまり、表紙を考えるときには、
「私はどんな表紙が好き?」だけでなく、「読者はどんな表紙を見たら安心する?」
という視点も必要なのです。

「誰に届けたいか」が決まると、デザインも変わる

例えば、同じ「片付け」をテーマにした本でも、読者によって表紙の方向性は変わります。

ちょっと考えてみましょう。
① 忙しい主婦向けの片付け本
毎日忙しくて、片付ける時間も気力もない。
そんな人には、親しみやすく、気軽に読めそうな雰囲気が合うかもしれません。
② ミニマリストを目指す人向けの片付け本
持ち物を減らして、シンプルな暮らしをしたい。
そんな人には、余白を活かしたすっきりしたデザインが合いそうです。
③ 整理収納の専門家が書いた片付け本
具体的な方法や知識を学びたい人が対象なら、整理された印象や信頼感を意識したデザインが考えられます。

同じテーマなのに、表紙の雰囲気はずいぶん違いますよね。

このように、
本のテーマだけでなく、誰に読んでほしいのかによって、表紙の方向性も変わってくる
のです。

自分らしさをなくす必要はありません

ここまで読むと、
「じゃあ、自分の好きなデザインは我慢したほうがいいの?」
と思うかもしれません。

でも、そうではありません。
私は、自分らしさも大切にしてほしいと思っています。
好きな色や雰囲気は、その人らしさを表す大切な要素です。
ただ、それをそのまま使うのではなく、
「読者に届けたい印象に合わせて、どう取り入れるか」
を考えてみるのです。

例えば、
- ピンクが好きなら、落ち着いたくすみピンクにしてみる
- かわいいイラストが好きなら、甘くなりすぎないシンプルなイラストにする
- 写真が好きなら、本の内容に合った写真を選ぶ
- シンプルなデザインが好きなら、タイトルの見せ方に工夫をする
ほんの少し考え方を変えるだけで、自分の好みを活かしながら、読者にも届きやすい表紙に近づけることができます。

今週の「誰に届けたい?」チェック

ここで一度、自分の電子書籍について考えてみましょう。
次の質問に答えてみてください。

□ この本を一番読んでほしいのは、どんな人?
□ その人は、今どんな悩みや課題を抱えている?
□ 本を読んだあと、どんな気持ちになってほしい?
□ 表紙を見たとき、どんな印象を持ってほしい?
□ 自分の好きなデザインと、読者に届けたい印象は合っている?

全部を完璧に答える必要はありません。
少し考えるだけでも、今までとは違った視点で自分の本を見られるようになると思います。

「自分が好き」だけでも、「読者に合わせる」だけでもない

表紙を作るとき、正解は一つではありません。
自分が好きなデザインを大切にすることも、読者のことを考えることも、どちらも大切です。
その2つをうまく組み合わせることができたら、
「自分らしいのに、読者にも伝わる表紙」
に近づけるのではないでしょうか。

せっかく自分の思いを込めて作った一冊です。
自分が気に入ることはもちろん、届けたい人にもその魅力が伝わる。
そんな表紙を目指したいですね。

次回予告

いよいよ、このシリーズも次回で最終回です。
第5回は、
「せっかく作った一冊を、もっと伝わる一冊に」

これまで考えてきた、
- 誰に届けたいのか
- 何を伝えたいのか
- どんな印象を持ってほしいのか
- 何を一番目立たせるのか
を整理しながら、実際に表紙の方向性を考えていきます。

「この本だから、この表紙」
そんな一冊にするために、最後にもう一度、表紙について考えてみましょう。












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