頼まれると断れない。いつも自分ばかり我慢していませんか?
「これ、お願いしてもいい?」
本当は忙しい。
今日は早く帰りたいし、できれば引き受けたくない。
なのに、口から出てくるのは、
「いいですよ」
という言葉。
その場では笑顔で引き受けたものの、あとになってモヤモヤ。
「どうして私ばっかり?」
「ほかにも頼める人はいるのに」
「私だって忙しいのに……」
そんなふうに思ったことはありませんか?
そして、そんな自分にも嫌気がさしてしまう。
「嫌なら断ればいいのに、どうして言えないんだろう」
でも、次に頼まれた時も、また断れない。
今日は、そんな「断りたいのに断れない」という気持ちについて考えてみたいと思います。
断れないのは、優しいから?
人から何かを頼まれると、つい引き受けてしまう。
そんな人は、周りから「優しい人」「頼りになる人」と思われているかもしれません。
もちろん、誰かの役に立つことは素敵なことです。
でも、本当は嫌なのに断れない。
引き受けたあとで相手に腹が立ったり、自分を責めたりしてしまう。
それが何度も続くと、だんだん苦しくなってきますよね。
ここで、ちょっと考えてみてほしいんです。
あなたは、どうして断れないのでしょうか?
断ろうとした瞬間、どんな気持ちになりますか?
例えば、職場で同僚から仕事を頼まれたとします。
自分の仕事も山積み。
本当は断りたい。
でも、いざ断ろうとすると、
「忙しいのはお互いさまだし……」
「困っているのに断るのは申し訳ない」
「嫌な顔をされたらどうしよう」
そんな気持ちが出てきませんか?
あるいは、友人からのお誘い。
本当は家でゆっくり過ごしたいのに、
「せっかく誘ってくれたのに悪いな」
「断ったら、もう誘ってもらえないかも」
と考えて、ついOKしてしまう。
ここで注目してほしいのは、断ろうとした時に出てくる感情です。
例えば、
- 怖い:断ったら嫌われるかもしれない
- 申し訳ない:相手を困らせてしまう
- 不安:これからの関係が悪くなるかもしれない
- 罪悪感:自分だけ楽をするのは悪い気がする
- 気まずい:断ったあとの空気に耐えられない
同じ「断れない」という行動でも、その時に感じていることは人それぞれ。
だから、「嫌なことは断ればいい」と言われても、簡単にはできないんですよね。
断る方法を知らないのではなく、断ろうとすると出てくる嫌な感情を避けたくて、引き受けてしまうこともあるのです。
その感情の奥にある「自分の当たり前」
では、どうして断ることに、そんなに抵抗を感じるのでしょうか?
そこには、自分でも気づいていない思い込みが関係していることがあります。
例えば、
「人に頼まれたら、できる限り応えるべき」
「断るのは、相手に悪いこと」
「人に迷惑をかけてはいけない」
「自分の都合より、相手の都合を優先するべき」
「嫌われないためには、いい人でいなければならない」
こうした考え方です。
でも、本人にとっては、これが「思い込み」だなんて感じていないかもしれません。
だって、ずっとそうするのが当たり前だったから。
小さい頃から「人に優しくしなさい」「わがままを言ってはいけません」と教えられてきたかもしれない。
誰かの期待に応えることで、喜んでもらえた経験があるのかもしれない。
反対に、自分の意見を言って嫌な思いをした経験があるのかもしれません。
そうした経験の中で、いつの間にか自分なりの「当たり前」ができあがっていくことがあります。
もちろん、人を思いやることも、相手の立場を考えることも大切です。
ただ、その考え方が強くなりすぎて、**自分の気持ちを後回しにすることまで当たり前になっていたら?**
少し苦しくなってしまいますよね。
自分の「普通」と、相手の「普通」は違う
ここで、もう一つ考えてみたいことがあります。
あなたは、
「人に何かを頼む時は、相手に迷惑をかけないように気を遣うのが当たり前」
と思っているかもしれません。
だから、相手から気軽に仕事を頼まれると、
「どうして私の都合を考えてくれないんだろう」
とモヤモヤする。
でも、相手は、
「忙しかったら断ってくれるだろう」
と思っているだけかもしれません。
自分にとっての当たり前が、相手にとっても当たり前とは限らないんですよね。
もちろん、相手がこちらの事情を考えず、無理な頼み方をしている場合もあります。
ただ、相手に悪気があるかどうかとは別に、こちらが何も言わなければ、困っていることが伝わらないこともあります。
そして、自分は我慢して引き受けているのに、相手はそれに気づいていない。
そのズレが、怒りや不満につながっていることもあるのではないでしょうか。
まずは、自分の本当の気持ちを認めてみる
では、どうしたらいいのでしょうか。
私は、いきなり「勇気を出して断りましょう」とは言いません。
だって、それができたら苦労しませんよね。
まずは、自分が何を感じているのかに気づくことから始めてみませんか?
「本当は嫌だったんだな」
「断ったら嫌われるのが怖かったんだな」
「相手に申し訳ないと思っていたんだな」
「私ばかり我慢していることに腹が立っていたんだな」
そんなふうに、自分の気持ちを言葉にしてみる。
ここで大切なのは、その感情を否定しないこと。
「こんなことで怒っちゃダメ」
「嫌だと思う私は冷たい人間だ」
そんなふうに、さらに自分を責めなくてもいいんです。
嫌だと感じることと、相手を大切にすることは、両立できます。
そして、次に何かを頼まれた時には、
「ちょっと確認してからお返事しますね」
「今の仕事が終わってからでもいいですか?」
「ここまでならできます」
そんな言葉を使ってみるのも一つの方法です。
いきなり「できません」と言えなくても大丈夫。
相手の都合だけでなく、自分の都合も考える時間をつくる。
それも、今までとは違う小さな一歩です。
頭ではわかっているのに、できない時は?
ここまで読んで、
「そうなんだよね。断ってもいいって、頭ではわかっているんだけど……」
と思った方もいるかもしれません。
そうなんです。
頭で理解できることと、実際に行動できることは、必ずしも同じではありません。
「断ってもいい」
「自分の気持ちを大切にしていい」
そう思おうとしても、いざその場になると、また怖くなったり、申し訳なくなったりする。
そんな時、私は「心のブロック」という視点から考えることがあります。
心のブロックとは、自分でも気づかないうちに、考え方や行動を制限している思い込みや心の抵抗のこと。
例えば、
「断ったら嫌われる」という怖さ。
「相手の期待に応えられない」という申し訳なさ。
「自分だけ楽をしてはいけない」という罪悪感。
こうした感情が、行動する時のブレーキになっているのかもしれません。
心のブロックを軽くする、マインドブロックバスター®という方法
私は、マインドブロックバスター®という手法を使って、心を軽くするお手伝いをしています。
この方法では、悩みを長時間掘り下げるのではなく、今感じている嫌な感情に目を向け、潜在意識のイメージを別のイメージに入れ替えていきます。
例えば、
「断ったら嫌われそうで怖い」
という方なら、その「怖い」という感情をテーマにする。
「相手に申し訳ない」
という方なら、その「申し訳ない」という気持ちをテーマにする。
同じ「断れない」という悩みでも、解除するテーマは人によって違うんです。
マインドブロックバスター®は、相手の性格を変えたり、相手に自分の思い通りに動いてもらったりするためのものではありません。
自分の中にある心の抵抗を軽くすることを目指すワークです。
イメージの入れ替えが、気持ちを切り替えるきっかけになる方もいます。
ただし、感じ方や変化には個人差があります。
心を軽くするための選択肢の一つとして、知っていただけたら嬉しいです。
心が軽くなったら、今までと違う一歩へ
私は、現実を変えるためには、やっぱり行動が必要だと思っています。
でも、心が重いままでは、その一歩がなかなか踏み出せないこともありますよね。
だからこそ、まずは心の抵抗を軽くする。
「断ったら嫌われるかもしれない」という怖さが少し和らいだら、
「今回は難しいです」
と言えるかもしれません。
「ここまでならできます」
と、自分の希望を伝えられるかもしれません。
そして、実際に伝えてみたら、
「あれ? 思っていたより大丈夫だった」
と気づくこともあるでしょう。
そんな小さな経験を積み重ねることで、自分の中の「当たり前」が変わっていくこともあります。
いきなり何もかも変えなくていい。
今までより、ほんの少し自分の気持ちを大切にできたら、それも立派な変化です。
自分と未来は変え放題。
私はそう信じています。
心笑(にこ)でした。