オンライン会議が終わると、AIがきれいな議事録を作ってくれる。
話した内容が項目ごとに整理され、長い会議も数分で読み返せます。
それでも次の会議になると、こんな会話が起きることがあります。
「これは誰が担当でしたか?」
「いつまでに対応する話でしたか?」
「結局、あの案は決まったのでしょうか?」
議事録は残っているのに、仕事が前へ進んでいません。
原因は、AIの要約が足りないからとは限りません。
会議で話した内容を、次に誰が何をするかという形へ変えていないことがあります。
そこで今回は、会議内容を記録してから、次の仕事へ引き継ぐまでをAIに手伝わせる構築例を考えます。
※以下は業務の組み立て方を説明するための構築例です。実際の会議方法、使用する資料、判断条件、保存先は会社ごとに異なります。
※本記事の構築例は、Google WorkspaceおよびGoogle Workspace上のGeminiに、会議内容などの顧客データと、社内資料などの自社データを入力・参照させる設計です。実運用では、会社の情報管理ポリシーや契約条件に応じて、AIへ入力できる情報、入力しない情報、匿名化・マスキングする範囲、保存先、閲覧権限などを事前に決める必要があります。録音や文字起こしを利用する場合は、会議参加者への案内や社内ルールも確認します。個人情報や機密情報は、必要に応じて削除・置換し、人が確認してから処理します。
■ 会議が終わってから次の仕事が始まるまで
今回の例では、会議内容をGoogleドキュメントに残し、対応事項をGoogleスプレッドシートで管理します。
流れは次のとおりです。
1. 会議メモや文字起こしをGoogleドキュメントに保存する
2. AIが会議内容を読み、決まったことと未決事項を分ける
3. AIが対応事項、担当者、期限の候補を整理する
4. 会議の責任者が内容を確認する
5. 確認済みの対応事項をGoogleスプレッドシートへ記録する
6. 次回の会議前に、未完了の項目を一覧で確認する
この流れで重要なのは、長い要約を作ることではありません。
会議後に必要な情報を、決まった欄へ分けることです。
■ 1.決定事項
最初の欄は「何が決まったか」です。
たとえば、新しい問い合わせフォームについて話した会議なら、次のように記録します。
・入力項目は会社名、担当者名、メールアドレス、相談内容の4項目にする
・公開前にテスト送信を1回行う
・回答は営業用のスプレッドシートへ保存する
ここには、参加者の意見をすべて書く必要はありません。
会議の結果として合意した内容だけを残します。
一方、「4項目でよいと思う」「電話番号も必要かもしれない」といった発言は、決定事項とは分けて扱います。
AIが意見を決定事項として記録しないよう、最終確認は人が行います。
■ 2.対応事項
次の欄は「会議後に何をするか」です。
先ほどの例なら、対応事項は次のようになります。
・問い合わせフォームの初期版を作る
・回答先のスプレッドシートを準備する
・テスト用の回答を送信する
・公開前の確認結果を記録する
「フォームについて検討する」だけでは、完了したか判断しにくくなります。
そこでAIには、できるだけ確認可能な書き方へ整理させます。
「検討する」ではなく「初期版を作成し、確認用URLを共有する」と書けば、次に何をすればよいかが明確になります。
■ 3.担当者と期限
対応事項には、担当者と期限を付けます。
たとえば、次のような形です。
・フォーム初期版の作成|担当:田中さん|期限:8月20日
・保存先の準備|担当:佐藤さん|期限:8月19日
・公開前確認|担当:鈴木さん|期限:8月21日
ただし、会議中に担当者や期限が決まっていない場合、AIが勝手に補ってはいけません。
その場合は、次のように記録します。
・担当者:未決定
・期限:未決定
・確認先:会議責任者
空欄のまま見落とすのではなく、「決まっていないこと」を見える状態にします。
■ 4.未決事項
最後の欄は、会議では決められなかったことです。
たとえば、次のような内容です。
・問い合わせフォームに電話番号を追加するか
・回答データを何年間保存するか
・誰まで閲覧できるようにするか
未決事項には、何を確認すれば決められるかも付けます。
・電話番号の必要性を営業担当へ確認する
・保存期間を社内の情報管理ルールで確認する
・閲覧権限を責任者へ確認する
これにより、次の会議で同じ話を最初から繰り返すのではなく、必要な確認結果を持ち寄れます。
■ AIが判断してはいけない内容
会議では、AIだけで確定してはいけない内容も扱います。
たとえば、次のようなものです。
・予算や価格の決定
・契約条件の変更
・顧客への約束
・個人情報や機密情報の取り扱い
・社外公開する文章
・社内ルールの例外対応
これらが会議に含まれていた場合、AIは「決定済み」として処理せず、責任者の確認が必要な項目として分けます。
また、誰の発言か分からない内容や、複数の解釈ができる内容も人へ戻します。
■ 作るのは「議事録を書くAI」ではない
ここまでで作ったのは、会話を短くまとめるだけのAIではありません。
会議内容を読み、決定事項、対応事項、担当者、期限、未決事項に分け、確認が必要なものを人へ戻し、次回まで追える形で記録する「会議後の引き継ぎ担当」です。
きれいな議事録を作ることが目的ではありません。
会議で決めたことを、実際の仕事へ渡すことが目的です。
人が確認する場所を先に決めておけば、AIへ任せられる範囲も広げやすくなります。
■ Google Workspace上に業務別のAI担当を作ります
ココナラでは、Google Workspace上に業務別の担当AIを整備する「AI部署」の構築サービスを出品しています。
会議後の対応整理のほか、問い合わせ対応、営業支援、社内規程の確認、経理資料の照合、ナレッジ整理など、資料の確認、人の承認、対応記録が関わる業務を対象にできます。
基本料金では、対象業務を整理したうえで、AI受付1、業務担当AI4、統制AI2の計7担当を初期構築します。カスタムGem、NotebookLM、Googleドライブ、管理台帳、Apps Scriptを組み合わせ、構築したAIの使い方もビデオチャットでご説明します。
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