TEAC UD-301の改造

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IT・テクノロジー
TEAC UD-301というDACを中古で入手し、中途半端に改造した状態で使用しておりました。

はじめに、オーディオ機器を改造するときの基本的な考え方として、
・音質に直接影響のある部品を優先して交換
・後からノーマルに戻せなくなる改造は極力行わない
このような考えのもとに行っています。

はんだ付けについて、
表面実装部品は一般電気工作用ハンダを使用し、それ以外は基本的にオヤイデSS-47を使用しています。
表面実装部品は熱によるダメージを最小限とするため、融点の低い一般的なはんだを使っております。
また、ウィスカが発生してショートしないよう対策も含めて、表面実装オペアンプなどは普通のハンダを使用しています。

ハンダ付けは0.5秒以内で行っています。(体感ですが・・・)
特にカップリングコンデンサは電圧印加による自己修復作業が期待できませんので、一気にジュッとはんだ付けして、すぐにエアーダスターで冷却します。
よく、フラックス除去剤やコールドスプレーなどで急冷する方がいますが、急激な温度変化によって割れが発生することがあるため、私は行っておりません。
以下は未改造の状態の画像ですが、それぞれの位置関係を色分けして説明します。
1.jpg

・赤枠:I/V変換用オペアンプ(MUSES8920→ICソケット化
・黄枠:LPF用オペアンプ(NE5532→OPA1612)
・水色枠:カップリング用コンデンサ(Suncon低ESR→東信UTSJ)
・オレンジ枠:バッファ用オペアンプ(NE5532)そのまま
これらが音質に直接的かつ最も影響を与える部分です。

現状を確認すると、カップリングコンデンサはUTSJ、MUSES8920だった箇所にはICソケット化済みの状態となっています。
IMG_4901.JPG

中途半端な改造となっているため、追加で改造を行います。
(1)カップリングコンデンサの再換装 UTSJ → PMLCAP
(2)表面実装オペアンプの換装 NE5532 → OPA1612

一般的に、オーディオ用途ではフィルムコンデンサの使用が望ましいとされています。そのうえで、容量、サイズ、費用などの面でフィルムコンデンサが使えない場合に限って、仕方なく電解コンデンサを使うものです。

特にカップリングコンデンサのように、音声信号が通過する箇所では、可能であれば電解コンデンサではなくフィルムコンデンサを使いたいところです。

UTSJ(オリジナルではSuncon AX )が取り付けられている箇所は、以下の図で表すとLPFとNJW1195Aの間に位置します。
1.jpg

フィルムコンデンサで10uF以上のものは、事実上ルビコン「PMLCAP」一択になります。22uFを2個並列で取り付け、44uFとして使用します。
PMLCAPは表面実装型コンデンサですので、スルーホールに取り付けるには工夫が必要です。

黒いワイヤーは0.65mmのスズメッキ銅線です。被覆を剥いて使用します。
PMLCAPに足をつけなければ基板に取り付けられません。
IMG_5040.JPG

PMLCAPを2個組み合わせて44uFとし、それに足を取り付けます。
作業方法について考えた結果、書類を挟むためのダブルクリップを利用することにしました。

ただし、この形状のクリップは挟む力が非常に強力です。そのままの状態ではPMLCAPがつぶれてしまいます。
そのため、ペンチを使ってクリップを広げて曲げて、バネの力を最小限まで弱くしました。これによって、まるで指で優しくつまむような力でコンデンサを挟むことができるようになりました。
IMG_5042.JPG

2つのコンデンサを重ねるのですが、この時、ずれないように気を付けます。
電極をしっかり重ねたうえではんだ付けすることが重要です。
1.jpg

できあがりました。
コンデンサ同士も、取り付ける足も、すべて電極が接触するように気を付けました。

IMG_5044.JPG
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IMG_5047.JPG

ようやく取り付けることができました。
スルーホールに挿入する際も、はんだを介して接続されないように気を付けています。

1.jpg
コンデンサのリード幅と基板の取付穴の幅が同じ場合、上記のように垂直にリード線が嵌ります。
しかし、この場合、はんだを介在した接続になってしまうことがあるため、音質的には不利です。

コンデンサの足を少し広げてからスルーホールに挿入することで、バネが効き、スルーホール内の電極にしっかり接触したうえではんだ付けできます。
(コンデンサの付け根に無理な力がかからないように考慮しなければなりませんが。)
1.jpg
次に、表面実装型オペアンプの換装に取り掛かります。
写真は、NE5532を撤去したあと、周囲をマスキングテープで養生したものです。
SOPサイズのオペアンプを取り外すには、私の場合は精密ニッパーで足を切断して、その後基板についた足の残骸とハンダを除去する形で剥がしています。

オペアンプの足付近にはチップ部品が数多く存在しているため、誤ってコテ先が触れて部品が取れてしまわないよう丁寧に養生します。
IMG_5046.JPG

オペアンプ換装後の写真を撮影しておりませんでしたが、理想は以下の写真のようにハンダが多すぎず少なすぎず、きれいにフィレットを形成していることです。
IMG_4995.JPG

今回の改造では、最終的には以下のようになりました。ソケットにはOPA627を搭載するつもりです。それ以外はOPA1612です。
1.jpg
I/V変換用のオペアンプは高速なものが向いていますが、基板設計がそれに対応していない場合に発振のリスクがあるため「そこそこ高速」なものが良いと思います。今回はOPA627を搭載するつもりです。
OPA627は高いスルーレートと高速セトリングタイムを持ちながらもGBWが控えめであり、高速な動作を実現しつつも、発振のリスクが比較的低いという印象があります。

表面実装型のオペアンプは、すべてOPA1612です。GBWは40MHz、オープンループゲインが130dbと高めで心配でしたが、発振している様子もなく安定動作しています。

ソケットの上にあるオペアンプがLPFです。85kHzでカットされるため高めの周波数設定ですが、可聴周波数帯域内での周波数特性をフラットにするため、あえて高めの周波数に設定しているのかと思います。

その後、電子ボリュームのNJW1195を経由し、さらにOPA1612があります。
左右にあるものは高周波カット付の平衡出力用増幅(2倍)で、XLR出力へ繋がっており、真ん中にあるOPA1612はRCA出力用に差動信号を不平衡信号にするためのものです。

感想として、せっかくI/V変換にMUSES8920が搭載されているのに、その後の回路でNE5532という凡庸なオペアンプが搭載されていたことがやや残念です。高級機でも5532を使っている例はザラですが。

以上、音質に直接影響する部分の改造に関するものでした。



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