勉強のコツ⑱:時には他人に分かるように書いて知識をまとめてみる

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 アウトプットはインプットの器を拡大する上で不可欠ですが、直接人にしゃべったり、教えたりする以外に文章を書くという方法があります。実は、「書く力」は「言語能力の集大成」(「聞く」「話す」「読む」の最後に来る)とも言えるもので、例えば英語がペラペラのアメリカ人でも優れた書き手であるとは限らないように(同様に日本語がペラペラの日本人でも優れた日本語文章の書き手であるとは限りません)、訓練しないととても他人が読んで理解・評価に耐えるものとはなりません。したがって、こうした訓練を重ねていくと、逆に書き手の論理展開もはるかに理解しやすくなり、問題文の理解や読書のスピードアップにもつながっていくのです。
 例えば、現代文の評論の読解では筆者の意見を論理的に理解していく必要がありますが、小論文はこれと逆の作業を行なうので、小論文の練習をしていくと現代文の読解力も増してきます。また、英語の勉強は本格的に開始しても最低3か月~半年は芽が出ない(いわゆる「出来る気がしない」期間です。この不毛な期間の存在をあらかじめ知っていないと挫折する確率は高くなります。英語の勉強に挫折するのは、ほとんどがこの「勉強開始直後の落とし穴」の時期に当たります)ものですが、これを短縮して、英語力を一気に伸ばそうと思えば「強制的アウトプット法」たる「英作文」の練習をする以外にないのです(もっと早くレベルアップしたければ、英語圏で英語のみの生活に浸ることしかありません)。
「かつて明治の文豪・高山樗牛(たかやまちょぎゅう)は「文は人なり」と喝破したが、これは千古の真理であるといってよい。頭のよい人の書いたものはすっきりしているし、キザな人の書いたものは派手だが深みに乏しい。誠実な心の持主の文章はやはり重厚さがにじんでいるし、偏狭な心の持主の文章は、どことなくがつがつした感じを受ける。
他人にわからないような文章を書く人は、実は当人にも、書いた内容がほんとうにわかっていないのだ。ある特定のグループにしか通用しないような字句を使って得々としている人は、その字句に自分だけが酔っているにすぎない。
身ぶり手ぶりの話し言葉では人をだますことはできても、書かれた言葉で人をだますことはできない。その意味で、文章はまさに人なのである。」
(『サラリーマンのライフワーク』吉野俊彦~日本銀行調査局で鍛え抜かれたエコノミストで、100冊以上の著書があり、森鴎外研究を始めとする文芸評論においても卓抜した業績を挙げています)
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