これは朱子の詩「偶成」に出てくる最初の一句ですが、一生のうちで「時」はいつかというと、やはり「若い頃」ということになるでしょう。英語でもTime and tide wait for no man.「歳月人を待たず」と言い、ラテン語では有名なars longa, vita brevis.(アルス・ロンガ・ウィータ・ブレウィス)「芸道は長く、人生は短し」(元々「医学者の父」と呼ばれたギリシアのヒポクラテスの言葉です)という警句があります。もちろん、いつまでが「若い頃」かというと人によって違いがあるでしょうから、30代でも40代でも「若い」と思っている人には「若い頃」なのです。「若い頃怠ける者は恥多い老年」(ポルトガルのことわざ)という言葉があるように、この貴重な時期を逃すことは惜しいとしか言いようがありません。気力も体力も充実しているこの時にこそ、「志」を立て、「努力」や「試行錯誤」を重ね、「年月」を重ねてこそ、「大願成就」はあり得るのです。一般に「志」が大きければ大きいほど、それを成就するために必要な「運」も大きいものとなります(ある意味では「能力」以上に「運」が必要であるとすら言えるでしょう。自分の「能力」に不足があれば、「人の力」を借りればいいわけですから。その典型は日本の高度経済成長を実現した池田勇人でしょう。池田元首相の知性を褒め称える人は誰もいませんが、その「運」のよさは誰もが認めるところです。彼の経済ブレーン達はそうそうたるメンバーでした。よく「天の時、地の利、人の和」と言いますが、これらを一致させるのがまさしく「運」なのです)。