「違反は生じていない」のに「偽装行為に違反」?X(旧Twitter)凍結の矛盾する返信メールを読み解き、日米への書面送付から16日で解除を確認した事例

「違反は生じていない」のに「偽装行為に違反」?X(旧Twitter)凍結の矛盾する返信メールを読み解き、日米への書面送付から16日で解除を確認した事例

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法律・税務・士業全般
「Xのサポートチームは、により、Xルールの違反は生じていないと判断しました。」 X(旧Twitter)の凍結に異議申し立てをしたところ、こう書かれたメールが届いた。ところが次の行には「偽装行為を禁止するルールに違反しています。」とある。違反はなかったのか、あったのか。本記事では、このメールを受け取ったご依頼人の事例をもとに、文面を一文ずつ読み解き、当事務所がどのような書面を作成して日本と米国のX社へ送付したのか、そして日本のX社への発送から16日後に解除が確認されるまでの経過をご紹介します。

届いた2通のメール

ご依頼人は、個人で利用していたXアカウントを、ある日突然凍結されました。なりすましも、自動化ツールも、複数アカウントによる操作も、心当たりはありません。まず届いたのが、次の凍結通知です(個人を特定できる部分は伏せ、文面を再現しています)。

件名:ご利用のXアカウントは凍結されました
 ご利用のアカウント(****)は、Xルールに違反していることが報告されたため凍結されました。
 具体的な内容は次のとおりです。
 偽装行為を禁止するルールに違反しています
 Xの信頼性を損なう偽装行為に従事するためにXのサービスを利用することはできません。
 新たなアカウントを作成することにより、凍結を回避しようとした場合は、新たなアカウントを凍結します。このアカウント凍結に異議申し立てをする場合は、サポートチームにお問い合わせください。
 (以下略)

1通目:凍結を知らせるメール(実際のメールをもとにした再現イメージ)

どの投稿が、どのように「偽装行為」に当たるのかは書かれていません。ご依頼人は異議申し立てを行い、ほどなく次の返信を受け取りました。【1】から【3】の番号は、このあと解説する箇所です。

件名:ご利用のアカウントについてのお知らせ
 Twitterからのお知らせです。
 アカウント****についての異議申し立てを確認いたしました。
 【1】Xのサポートチームは、により、Xルールの違反は生じていないと判断しました。具体的には以下のとおりです。
 偽装行為を禁止するルールに違反しています。
 ご提供いただいた追加情報を検討した結果、今回のケースでは当初の決定を撤回する正当な理由はないと判断いたしました。したがって、【2】ご利用のアカウントをロックする決定は撤回されません。
 アカウントの機能制限を解除するには、【3】アカウントにログインして画面の手順を完了することで違反を解決してください。
 よろしくお願いします。Xサポート

2通目:異議申し立てへの返信メール(実際のメールをもとにした再現イメージ。【1】から【3】の番号は当事務所による)

ご依頼人はその後も異議申し立てを続けましたが、同じ内容の返信が繰り返されるばかりでした。凍結から約4週間後、当事務所へご相談をいただきます。

返信メールの気になる3か所

2通目のメールは、一読しただけでは何を言っているのか分かりません。番号を付けた3か所を順に見ていきます。

・【1】「違反は生じていない」の直後に「違反しています」
 同じメールの中で、違反の有無について正反対のことが続けて書かれています。しかも「サポートチームは、により、」と、助詞だけが残って言葉が抜けています。人が読み返して送った文章とは考えにくく、定型文を機械的に組み立てて送信していることがうかがえます。
・【2】「凍結」のはずが「ロックする決定」
 1通目は「凍結されました」でした。ところが2通目は「ロックする決定は撤回されません」「機能制限を解除するには」と書いています。Xでは凍結とロックは別の措置です。自分のアカウントにどの措置が取られているのかが、メール同士で一致していません。
・【3】「画面の手順を完了」と言われても、手順が出てこない
 ご依頼人がログアウトと再ログインを繰り返しても、本人確認、電話番号の確認、認証のパズル、問題とされた投稿の削除画面といった復旧の手順は何も表示されませんでした。案内された解決方法が、実際には存在しない状態です。

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3か所目について補足します。Xのヘルプセンターの「信頼性」ポリシー(2025年4月付。2026年10月8日に当事務所で確認)は、強制的措置の一つとして、不審な行為を検知した場合に「アカウントをロックし、追加情報(電話番号など)の提供またはパズルのクリアを求めることがあります」と定めています。本件では、この手続きも示されませんでした。

・メールの案内:アカウントにログインして画面の手順を完了することで違反を解決してください
・ご依頼人の画面:何度ログインし直しても、電話番号の確認・パズル・投稿の削除などの手順は表示されない

なお、送信元の名称が「X」でありながら本文の書き出しが「Twitterからのお知らせです」になっている点も、古い定型文がそのまま使われていることを思わせます。

「違反は生じていない」は、違反なしと認めた文ではない

このメールを受け取ると、「X自身が違反はなかったと認めている。だから凍結は誤りだ」と考えたくなります。当事務所でも、同じ文面のメールについてご相談を受けたことがあります。

しかし当事務所は、この一文を「Xが違反なしと判断した」という意味には読んでいません。理由は三つあります。

・すぐ後ろに、違反したとされるルールの名前が具体的に書かれている
・同じメールが「当初の決定を撤回する正当な理由はない」と結論づけている
・当事務所が別の案件で確認した英語の返信メールでは、同じ位置の文が「違反があったと判断した」という趣旨になっており、前後のつじつまが合っている

こうした点から、日本語の定型文のほうに不備があるとみるのが自然です。Xの判断そのものは「違反あり」のまま変わっていない、と受け止めるべきでしょう。

【この一文を主張の柱にしない】
「違反は生じていないと書いてあるのだから解除せよ」という主張は、X社から見れば定型文の表記の問題にすぎず、再審査を動かす材料にはなりにくいと当事務所は考えています。本件の書面でも、文面の食い違いは「定型文が機械的に送信されていることの表れ」として補助的に指摘するにとどめ、主張の中心は別のところに置きました。

書面で求めたこと

では、何を主張の中心にしたのか。当事務所が作成した「アカウント凍結解除申請書」では、ご依頼人から伺った利用状況と2通のメールをもとに、次の点を整理しました。

1. 理由が特定されていない
通知には「偽装行為を禁止するルールに違反」とあるだけで、違反とされた投稿も、日時も、行為の内容も示されていません。何を直せばよいのかが分からず、反論のしようがないことを最初に指摘しました。

2. 案内された手続きが存在せず、異議を述べる実質的な機会がない
措置の呼び方がメールによって違い、「画面の手順」は表示されない。前章で見た食い違いを、ご依頼人が異議を申し立てる機会を実質的に失っているという問題として伝えました。

3. 「信頼性」ポリシーのどの類型にも当たらない
「信頼性」ポリシーは、禁止される行為を「偽アカウント」「偽装行為」「偽装コンテンツ」に分けて具体的に挙げています。許可されていない自動化、架空のペルソナ、なりすまし、複数アカウントによる操作、コンテンツスパム、エンゲージメントスパム、詐欺、操作されたメディア、悪意のあるリンク。書面では、これらを一つずつ取り上げ、ご依頼人の利用状況がいずれにも当たらないことを示しました。プロフィールの表示についても、第三者との関係を誤解させるものではないことを説明しています。

4. 段階を踏まずに、最も重い処分が行われている
同じポリシーは、処分が「その違反の重大さや違反者の過去の違反歴によって決まります」と述べ、1回目の違反などではポストの削除要請から一時的なロックまでの措置を取る可能性があるとしています。ご依頼人は、警告も、投稿の削除要請も、機能の一時的な制限も受けたことがありませんでした。是正の機会がないまま凍結に至ったことは、ポリシー自身の考え方と合っていないと指摘しました。

5. 「報告された」ことがきっかけである点
1通目のメールには、ルール違反が「報告されたため」凍結したと書かれています。「信頼性」ポリシーは、同じアカウントを繰り返し報告するなどの重複した報告・虚偽の報告を大量に提出することや、他の利用者と共謀して報告機能を不正に使うことを禁止しています。事実に基づかない報告に自動処理が反応した可能性についても、検討を求めました。

6. 理由の通知に関する日本の法律の考え方
日本のX社宛の書面では、情報流通プラットフォーム対処法にも触れました。同法第27条は、総務大臣の指定を受けた大規模な事業者に対し、送信防止措置を講じたときは、原則として遅滞なく、その旨と理由を発信者に通知することなどを求めています(e-Gov法令検索で2026年10月8日に確認。X Corp.は2025年4月に指定されています)。アカウントの凍結はすべての投稿が見られなくなる結果を伴うため、この考え方は本件にも及ぶはずだ、という主張です。

そのうえで、担当者による個別の再審査、違反とされた行為と該当するポリシー項目の説明、凍結の解除の三点を求めました。本人確認など必要な手続きがあれば速やかに応じる用意があることも書き添えています。

【業務範囲についてのご説明】
当事務所が行うのは、お客様ご本人の主張を整理した書類(アカウント凍結解除申請書・内容証明郵便物・書留郵便物)の作成と発送の代行です。行政書士はX社との交渉や代理を行うことはできません。また、書面の送付により必ず凍結が解除されることをお約束するものではなく、結果を保証するものではありません。結果には個別の事情による差がございます。

ご依頼から解除の確認まで

・凍結からご相談まで:約4週間
・ご依頼から原案のお届けまで:翌日
・日本への発送から解除の確認まで:16日

ご依頼人は、将来弁護士へ相談する可能性も考え、送付した書面と配達の記録を手元に残したいとのご希望でした。そこで、日本と米国の両方へ送付し、それぞれの控えをPDFでお届けする形でお受けしています。

日本のX社へ:内容証明郵便
日本語の書面は、X Corp. Japan株式会社宛に内容証明郵便で発送しました。いつ、誰が、誰に、どのような内容の文書を送ったかを日本郵便が証明する制度で、相手方に届く書面と同じ内容の控え(謄本)が作られます。原案はご依頼の翌日にお届けし、ご確認をいただいた翌日に発送しています。

米国のX社へ:米国内からの書留郵便(配達記録付き)
内容証明郵便は日本国内の制度で、海外宛には使えません。米国のX社宛には、英訳した書面を米国内から配達記録の残る書留郵便で発送しました。英訳版をご確認いただいた際、ご依頼人から「日本の法律に基づく指定であることを、米国の読み手にも分かるように書いてはどうか」とのご指摘があり、その一文を補ってから発送しています。

米国のX社宛の書面は、当事務所が受任実績から積み上げてきた運用ノウハウに基づく送付経路で届けています。本件でもこの経路をご提案し、ご了承を得て発送しました。送付経路の詳細は当事務所の実務ノウハウの中核にあたるため、記事内での詳しい記載は控えさせていただきます。

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発送後は、追跡番号で配達を確認してからあらためてアプリで異議申し立てを行うこと、申し立ては週に1回程度にとどめて内容を変えることなどをご案内しました。日本のX社への発送からおよそ2週間後、謄本と配達記録のPDFをお届けし、当事務所の作業は完了しています。

何が効いたのかは分からない、という正直なところ

作業完了の数日後、ご依頼人からご報告をいただきました。

【ご依頼人からのご報告(要旨)】
「今日確認したところ、解除されていた。1週間ほど前に一度再申請をしたが、そのときはすぐに自動返信が届いただけだった。どれが効いたのかは比べようがないので分からないが、ひとまず安心した。」

日本のX社への発送から16日後、凍結からおよそ7週間での解除の確認でした。

ご依頼人のおっしゃるとおり、何が決め手になったのかを確かめる方法はありません。X社が書面をどう扱ったのかが明らかにされることはなく、書面を送らなかった場合と比べることもできないからです。当事務所としては、アプリからの異議申し立てに同じ自動返信が繰り返されていた状況で、ポリシーに沿って主張を整理した書面を日米の両方へ届けたことが、再審査につながった一因ではないかと考えています。ただし、これは推測です。

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解除までの期間や結果は、個々のケースによって大きく異なります。本件のように2週間あまりで解除が確認される例もあれば、数か月を要する例、書面の送付後も動きがない例もあります。必ず同じ結果・同じ期間になるとは限りません。あらかじめご了承ください。

同じメールが届いた方へ:確認しておきたい5つのこと

・メールは全文を保存する。件名、宛先のアカウント名、受信日時、「以下のとおりです」の後ろに何が書かれているかまで残します。文面の一部だけを切り取った画像では、どのアカウントについての返信なのかが分からなくなります。
・「違反は生じていない」の一文だけで判断しない。その後ろに違反したルールの名前が続いていれば、Xの結論は変わっていません。喜んで待つのではなく、次の手を考える段階です。
・ログイン後の画面を記録する。「画面の手順を完了」と案内されたのに何も表示されないなら、その画面をスクリーンショットで残します。案内された手続きが存在しないことを示す材料になります。
・新しいアカウントを作って使い始めない。凍結通知にも、新たなアカウントで凍結を回避しようとした場合はそのアカウントも凍結すると書かれています。
・同じ文面の異議申し立てを短い間隔で繰り返さない。自動返信が続くときは、主張を整理した書面を郵送する方法も選択肢になります。

【当事務所の対応】
当事務所では、SNS凍結解除の内容証明郵便・国際郵便の作成発送代行を年間数百件規模で承っております。書面の文章はすべて当事務所で作成し、原案をご確認いただいてから発送します。

よくある質問(FAQ)

Q. 異議申し立ての返信に「Xルールの違反は生じていないと判断しました」と書かれていました。凍結は誤りだと認められたのでしょうか?
そうとは言えません。本件のメールでは、その一文の直後に「偽装行為を禁止するルールに違反しています」と違反したルールが書かれ、「当初の決定を撤回する正当な理由はない」と結論づけられていました。当事務所は日本語の定型文の不備とみており、Xの判断は変わっていないと受け止めています。メール全体を確認したうえで、次の対応を検討することをおすすめします。

Q. 「アカウントにログインして画面の手順を完了してください」と案内されましたが、ログインしても何も表示されません。どうすればよいですか?
本件のご依頼人も同じ状況でした。ログイン後の画面をスクリーンショットで保存しておくと、案内された手続きが存在しないことを書面で示す材料になります。本件では、この点を「異議を申し立てる実質的な機会が失われている」事情として書面に記載しました。

Q. 送付した書面や配達の記録は、手元に残せますか?将来、弁護士に相談するときの資料にしたいのですが。
書面は校正確認の際にデータでお送りしますので、そちらを保存していただけます。追跡番号は発送後にお伝えします。日本宛の謄本と米国宛の配達記録をPDFでお届けするオプションもご用意しています。作成した書類は、正式に依頼された弁護士や法的機関へ開示していただいて問題ありません。

Q. 「偽装行為」を理由とする凍結は、どのくらいの割合で解除されていますか?
当事務所では凍結の原因ごとの集計を行っていないため、割合をお答えすることはしておりません。解除の可否や期間は個々の事情によって大きく異なり、書面を送れば必ず解除されるものでもありません。

Q. 書面を送った後も、自分でアプリから異議申し立てをしてよいですか?
差し支えありません。追跡番号で配達を確認してから、週に1回程度、内容を変えて行うことをご案内しています。本件では、発送後にご依頼人が行った再申請にはすぐに自動返信が届きましたが、その約1週間後に解除が確認されました。再申請と解除の関係は分かっていません。

ご相談について

SG行政書士法務事務所では、X(旧Twitter)・Instagram・FacebookなどSNS凍結解除の内容証明郵便・国際郵便の作成発送代行を年間数百件規模で承っております。「偽装行為」など身に覚えのない理由で凍結されたケースや、異議申し立てを重ねても解除されないケースも、凍結の通知や異議申し立ての返信の内容をもとに、対応の可否や進め方を確認のうえでご案内いたします。Xアカウントの凍結でお困りの方は、ココナラの出品サービスよりお気軽にご相談ください。

執筆:行政書士 重松 祐達(SG行政書士法務事務所 代表)
日本行政書士会連合会 第23191059号 / 愛知県行政書士会 中央支部 第6790号
X(旧Twitter)・Instagram・FacebookなどSNS凍結解除の内容証明郵便・国際郵便の作成発送代行を年間数百件規模で受任。本記事は実際の受任案件をもとに、個人が特定されないよう一般化して構成しています。行政書士は相手方との交渉・代理を行うことはできず、裁判手続きが必要な場合は弁護士へのご依頼をご検討ください。

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言を構成するものではありません。掲載した事例は実際のご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して再構成したものです。メールの文面は再現イメージであり、実際の表示とは異なる部分があります。アカウントの凍結解除を保証するものではなく、結果は個々の状況により異なります。当事務所は書類の作成・発送代行を行うものであり、相手方との交渉・代理は行いません。また、本記事の内容は作成時点の情報に基づいており、X社の運用方針・仕様や法令の変更により内容が変わる場合があります。


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