現場を知らない管理職が「ありえない」と言うと信頼が終わる

現場を知らない管理職が「ありえない」と言うと信頼が終わる

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こんにちは! 
キャリアコンサルタントのきむにぃ(木村尚文)です。

前に、「報告せよ」という言葉が苦手だという話を書きました。

実はもう1つ、「ありえない」という言葉も苦手です。
今日は、この言葉の話を書きたいと思います。


■現場を知る人の「ありえない」

前職は販売会社で、僕はずっと営業をしていました。
「ありえない」、けっこう飛び交っていたんですよね。

どういうシチュエーションかというとほとんどが数字の場面です。

進捗が遅れている。
実績が足りていない。
そういうとき、上から飛んでくるわけです。

この数字、ありえないだろう。

実は営業プレイヤー時代の僕は、そんなに違和感を持っていませんでした。

新人の頃は100件コールで飛び込みをしていましたし、訪問件数が足りなければ言われるのは当たり前だと思っていました。
今は思ってませんよ。

なぜ受け入れられたのか。
いま考えると、理由がはっきりしています。

そう言ってくる上司たちが、現場を知っていたからです。

みんな叩き上げで、トップセールスとして上がってきた人たちでした。
売る難しさを、身体で分かっている。

その人たちに「ありえない」と言われると、まだ自分は甘いのかな、もう少しできるのかな、と思えたんですよね。


■現場を知らない人の「ありえない」

決定的に違和感を覚えたのは、そのあとです。

僕は現場の営業から、内勤営業、いわゆるインサイドセールスの組織に移りました。
最初は課長、その後、部長になりました。

インサイドセールスは、電話で営業をする仕事です。

現場の訪問件数にあたるものが、架電件数になります。
どれだけ電話をかけたか。
この活動量が、とにかく求められる。

そして、その数字に対して上から言われるわけです。

その件数、ありえないだろう。

僕の上は、本部長や役員クラスでした。

その組織は、もともと社内になかったところから立ち上がったもので、電話営業を自分でやってきた人は、上には1人もいませんでした。

だから、思ってしまったんですよね。

あなたたち、ガチで電話をかけてセールスしたこと、ありますか?と。


■想像以上にインサイドセールスは難しいんです

僕はメンバーとよく1on1をしていました。
特に課長たちとは密に話していたので、現場の状態はよく分かっていたつもりです。

電話をかけるのは、そんなに簡単なことじゃないんです。

僕自身がプレイヤーとしてやったわけではないので、本当に分かっていたかと言われると、そこまでではないかもしれません。
それでも、分かろうとはしていました。

課長たちは、リズムをどう作るか、コンディションをどう保つかに、ものすごく気を配っていました。

ただ数をかけるだけなら、ロボットになってしまいます。

インサイドセールスは、テレアポではありません。
関係をつくり、知識を持って有益な情報を渡し、商談にしていく。
1回かけて終わりじゃありません。
現場営業と同じで1度嫌われてしまえば終わりです。
だから電話をかけるのって怖いんですよね。

活動量が大事なことは、みんな分かっています。
分かった上で、環境を整えながら、頑張ろうとしている。

その現場を知らないまま「ありえない」と言われたので、僕は、腹が立ってしまいました。


■上司に反論した

「本当に分かってますか?めちゃくちゃ大変なことだって、分かってますか?」

返ってきたのは「分かってる」でした。

分かってなさそうだったので、僕はもう一度言いました。

「いや、全然分かってないです」

基本的に僕は、上に対して従順なタイプです。
分かりました、頑張ります、で受けることがほとんどでした。

でも、ここは譲れないと思ったときだけ、言ってしまうんですよね。


■「ありえない」で、話が終わる

数字を追うのは、大事です。それはマネージャーとしての僕の仕事でもありました。
そこを否定する気はありません。

問題は、言葉の方です。

「ありえない」と言われた瞬間、話は終わってしまいます。

そこから、じゃあどうやって進捗を上げようかという話には、なかなか進めません。
言った側は指摘したつもりでも、受けた側の思考は止まります。

しかも、状況を知らない人から言われると、刺さり方が違うんですよね。

同じ言葉でも、誰が言うかで、まったく別の意味になります。


■僕は、使わなかった

だから僕は、部下にこの言葉を使いませんでした。

みんな、頑張りたい気持ちは持っているんです。
最初から頑張りませんという人は、まずいません。

でも、うまくいかないことがある。
電話に苦手意識を持っている人もいる。

そこに必要なのは、評価ではなく、確認だと思っています。

この進捗に対して、何が起きているのか。
それに対して、どうすればいいと思うか。

これだけで十分なんですよね。


■どこが難しいのか聴いてみる

もしあなたが、自分ではやったことのない仕事の数字を見ている立場なら。

一度、その仕事の「難しいところ」を、現場の人に聞いてみてください。

何が大変ですかではなく、どこが難しいですか、と。
その一回があるだけで、数字を見たときに出てくる言葉が、たぶん変わります。

僕が上に言ってほしかったのは、それだったなと、いま思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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