法律資格系ライターの朝活は、野菜の水やりと司法試験短答式試験の問題を解くこと?

法律資格系ライターの朝活は、野菜の水やりと司法試験短答式試験の問題を解くこと?

記事
法律・税務・士業全般
暑い日々が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
暑いと記事を書く気力も衰えますが、ご依頼をたくさんいただいているので、夏バテしている暇はありません。

今日は、私の朝活についてのお話です。

最近はものすごく暑いので、庭で育てている野菜が水枯れしないように、毎朝水やりは欠かせません。
現在育てているのは、ミニトマト、キュウリ、ナスです。
どれも鉢植えで育てているので、この時期、水やりを忘れると、速攻で枯れてしまいます。特にキュウリは、接木苗でも弱いです。
おかげで、ミニトマトは毎朝、採り立てのものを食べられますし、キュウリ、ナスは浅漬けにしています。ミニトマトとキュウリはもうすぐ終わりかもしれませんが、ナスはもう少し頑張ってもらって、秋ナスの収穫を目指したいと思っています。
ちなみに、画像にあるおいしいメロンは、失敗しました。メロンはウリハムシにやられたり、葉がダメになったりで、本当に難しいです。

野菜の話はこれくらいにして、本題に入りましょう。

私の朝活は、法律資格系ライターとして、知識を維持するための勉強です。
そのための教材として活用しているのが、司法試験(予備試験)短答式の問題です。
私の仕事で必要な知識は、主に民事系の知識なので、憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法の五科目の短答式の問題を解いています。
毎朝、一問ずつ問題を解きながら、自分なりの解説文を書くという作業を行っています。
その解説文は、過去問の解説の依頼を受けたときとか、予想問題作成の依頼を受けたような場合に、活用することができます。
司法書士試験や行政書士試験、公務員試験関係の問題作成、過去問解説、テキスト作成の依頼を受けたときにも役立つんですね。
自分の知識を維持できるうえに、法律資格系ライターの仕事の下ごしらえにもなるということで、一石二鳥となっています。

もちろん、本業である行政書士の仕事でも、司法試験短答式レベルの知識は最低限必要なので、そのための知識を維持するという意味もあります。すると、一石三鳥というところでしょうか。

今回は、どんなことを書いているのか紹介したいと思います。

令和5年司法試験予備試験・短答式試験「民法・商法・民事訴訟法」の第一問を見てみましょう。

意思能力に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.意思能力とは、自己の行為の責任を弁識する能力をいう。
イ.契約の当事者がその意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その契約の無効を善意無過失の第三者にも対抗することができる。
ウ.契約の当事者がその意思表示をした時に意思能力を有しなかった場合において、その契約に基づく債務の履行として給付を受けたときは、現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。
エ.契約の申込者が申込みの通知を発した後に意思能力を有しない常況にある者となった場合において、その相手方が承諾の通知を発するまでにその事実が生じたことを知ったときは、その申込みは、その効力を有しない。
オ.婚姻の当事者が婚姻届を作成した時に意思能力を有しないことは、婚姻の取消しの原因となる。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ
(令和5年司法試験予備試験・短答式試験「民法・商法・民事訴訟法」[民法]〔第1問〕より引用)
簡単な問題ですね。合格レベルにある方なら、この問題で間違えることはないでしょう。
ちなみに、司法試験本試験の民法でも全く同じ問題が出ています。令和5年司法試験・短答式試験[民法]第2問が同じ問題になっています。
選択肢を一つ一つ見ていきましょう。

ア.意思能力とは、自己の行為の責任を弁識する能力をいう。
意思能力とは、「自己の行為の結果を弁識するに足るだけの精神能力」のことです。
アの記述は、不法行為における責任能力に関する記述のことと思われます。よって、アの記述は間違いだと思われます。
ちなみに、民法上の意思能力の規定は次の通りです。

民法
第二節 意思能力
第三条の二 法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。

イ.契約の当事者がその意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その契約の無効を善意無過失の第三者にも対抗することができる。
上記で確認した通り、意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効となります。
そして、無効は、取消と違い、誰に対しても主張できるものです。よって、設問の「その契約の無効を善意無過失の第三者にも対抗することができる。」との記述は正しいことになります。

ウ.契約の当事者がその意思表示をした時に意思能力を有しなかった場合において、その契約に基づく債務の履行として給付を受けたときは、現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。
この選択肢は原状回復義務に関する問題ですね。
契約の当事者がその意思表示をした時に意思能力を有しなかったということは、その契約は無効になります。
すると、民法第百二十一条の二1項の通り、「無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務を負う。」ことになります。
ただ、3項に「行為の時に意思能力を有しなかった者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。」とされており、原状回復義務の範囲が軽減されることになります。
よって、設問の選択肢は、条文そのままの出題で正しいということになります。

民法
(原状回復の義務)
第百二十一条の二 無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務を負う。
2 前項の規定にかかわらず、無効な無償行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、給付を受けた当時その行為が無効であること(給付を受けた後に前条の規定により初めから無効であったものとみなされた行為にあっては、給付を受けた当時その行為が取り消すことができるものであること)を知らなかったときは、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。
3 第一項の規定にかかわらず、行為の時に意思能力を有しなかった者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。行為の時に制限行為能力者であった者についても、同様とする。

エ.契約の申込者が申込みの通知を発した後に意思能力を有しない常況にある者となった場合において、その相手方が承諾の通知を発するまでにその事実が生じたことを知ったときは、その申込みは、その効力を有しない。
設問は契約の成立時期に関する問題ですね。
まず、原則として、表意者が意思表示後に意思能力を有しない常況になったとしても、その意思表示の効力に影響はありません。民法第九十七条3項の通りです。

民法
(意思表示の効力発生時期等)
第九十七条 意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
2 相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす。
3 意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、意思能力を喪失し、又は行為能力の制限を受けたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。

しかし、契約の場合は、民法第五百二十六条に例外規定が置かれました。
次の規定の通りです。この規定は、契約における申込者を保護するために設けられた規定です。

民法
(申込者の死亡等)
第五百二十六条 申込者が申込みの通知を発した後に死亡し、意思能力を有しない常況にある者となり、又は行為能力の制限を受けた場合において、申込者がその事実が生じたとすればその申込みは効力を有しない旨の意思を表示していたとき、又はその相手方が承諾の通知を発するまでにその事実が生じたことを知ったときは、その申込みは、その効力を有しない。

よって、設問も条文通りの出題なので正しいということになります。

オ.婚姻の当事者が婚姻届を作成した時に意思能力を有しないことは、婚姻の取消しの原因となる。
婚姻の当事者が婚姻届を作成した時に意思能力を有しない場合は、婚姻は無効になると思われます。
ちなみに、受験生なら、次の判例を知っていると思います。

将来婚姻することを目的に性的交渉を続けてきた者が、婚姻意思を有し、かつ、その意思に基づいて婚姻の届書を作成したときは、かりに届出の受理された当時意識を失つていたとしても、その受理前に翻意したなど特段の事情のないかぎり、右届書の受理により婚姻は有効に成立するものと解すべき。(最判昭和45年4月21日)

つまり、婚姻の当事者が婚姻届を作成した時に意思能力があれば、届出の受理された当時意識を失つていたとしても婚姻届は有効だという判例です。
この判例を知っていれば、逆説的に考えて、婚姻の当事者が婚姻届を作成した時に意思能力を有しなければ、婚姻届は無効になると判断できるのではないでしょうか。
よって、この選択肢は間違いだと思われます。

すると、誤っているものの組み合わせは、アとオなので、「2」が答えになると思います。
現時点で、法務省が正解を発表してないので、これが正しいかどうかはわかりませんが、条文レベルの問題なので、間違いということはないと思います。

今回は、私が朝活として、司法試験短答式試験の問題を解いているというお話でした。
司法試験に限らず、司法書士試験や行政書士試験の解説やテキスト、問題作成のご依頼もお受けしていますので、お気軽にお問い合わせください。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す ココナラコンテンツマーケット ノウハウ記事・テンプレート・デザイン素材はこちら