いつもありがとうございます。
WEB・グラフィックデザイナーのノマキエデザインです。
ロゴやチラシ、バナーなどのデザインを依頼するとき、
「納品されたら自由に使えるの?」
「制作費を支払えば、著作権も依頼者のものになるの?」
「完成したデザインは制作実績として公開されるの?」
と疑問に思う方もいらっしゃると思います。
権利に関する認識が、依頼する側と制作する側で異なっていると、納品後のトラブルにつながることがあります。
今回は法律全般を詳しく解説するのではなく、トラブルを防ぐために、ノマキエデザインが通常のデザイン制作における権利や素材をどのように扱っているかをご説明します。
※この記事は、2026年8月5日時点におけるノマキエデザインの制作方針をお伝えするものです。個別案件についての法律相談や法的判断を行うものではありません。
データの納品と著作権の譲渡は同じではありません
制作費を支払い、完成したデザインデータを受け取ったとしても、それだけで著作権が自動的に依頼者へ移るとは限りません。
原則として、著作物を実際に創作した人が著作者となります。
完成したデータを受け取ることと、著作権を譲り受けることは別であり、著作権を譲渡する場合は、当事者間でその扱いを決める必要があります。
そのためノマキエデザインでは、必要に応じて、
・著作権をどのように扱うか
・納品後にどのような用途で使用するか
・制作実績として掲載できるか
・写真やイラストなど、第三者の素材が含まれるか
などを確認しています。
ゼロから制作したデザインの基本方針
ノマキエデザインがゼロから制作したロゴ、チラシ、バナー、名刺などについては、制作実績としての掲載を許可していただける場合、原則として追加料金なしで著作権を依頼者へ譲渡する方針です。
納品後も、依頼者が事業やサービスの中で使いやすい状態にしたいと考えているためです。
ただし、案件の内容や使用目的によっては、条件が異なる場合があります。
また、著作権のうち、デザインを変更・展開して別の制作物を作る権利などは、契約で明記しなければ譲渡の対象外と推定されるものがあります。譲渡する権利の範囲は、必要に応じて見積もりやメッセージ上で整理します。
実績掲載をお願いする理由
ノマキエデザインでは、完成した制作物を、
・ココナラのポートフォリオ
・ノマキエデザインのWebサイト
・SNS
・営業資料
などで、制作実績として紹介させていただく場合があります。
フリーランスのデザイナーにとって、過去の制作実績は、
「どのようなデザインを作れるのか」
「どのような業種や用途に対応した経験があるのか」
を、次の依頼者へ伝えるための大切な資料です。
そのため、制作実績としての掲載を許可していただける案件では、原則として著作権譲渡の追加料金をいただいていません。
ただし、制作物の掲載許可と、案件のやり取りや内部情報を公開してよいことは別です。
実績掲載の許可をいただいた場合でも、
・依頼時のメッセージ
・担当者名や個人情報
・公開されていない事業情報
・制作途中のやり取り
・契約条件やクライアントの内部事情
まで自由に公開することはありません。
実績として紹介する内容は、許可された範囲や、すでに一般公開されている情報に合わせて判断します。
実績公開を希望しない場合
事情により、完成したデザインを制作実績として公開されたくない場合もあると思います。
その場合、ノマキエデザインでは、基本的に実績公開不可の有料オプションとして対応しています。
これは、著作権を渡さないための料金ではありません。
制作実績として今後の営業活動へ使用できないことに対する条件として設定しています。
また、完全公開か完全非公開の二択だけでなく、
・一定期間が経過した後なら掲載可能
・会社名や個人名を伏せれば掲載可能
・制作物の一部分のみ掲載可能
・商品やサービスが一般公開された後なら掲載可能
など、条件付きで対応できる場合もあります。
事情がある場合は、見積もり相談の段階でお知らせください。
著作権と著作者人格権は別の権利です
著作権と似た言葉に、「著作者人格権」があります。
著作権は他者へ譲渡できますが、著作者人格権は著作者本人に属する権利であり、譲渡することはできません。
そのため、著作権を依頼者へ譲渡する案件では、必要に応じて、
「依頼者に対して著作者人格権を行使しない」
という取り決めを行う場合があります。
これは、著作者人格権そのものを依頼者へ渡すという意味ではありません。
納品後にサイズ変更や加工、別媒体への展開などを予定している場合は、どのような使い方を想定しているかを事前に確認することで、認識の違いを防ぎやすくなります。
ノマキエデザインが用意する画像素材について
チラシやバナー、Webデザインなどでは、ノマキエデザイン側で写真やイラスト素材を用意する場合があります。
その際は、基本的に、
・商用利用が認められたフリー素材
・利用規約を確認した素材
・有料ストック素材サービスから正規に取得した素材
を使用しています。
フリー素材についても、「無料でダウンロードできるから自由に使える」とは限りません。
素材ごとに、
・商用利用できるか
・加工できるか
・印刷物や広告に使用できるか
・クレジット表記が必要か
・ロゴや販売商品へ使用できるか
・素材データそのものを第三者へ渡せるか
などの条件を確認したうえで、案件の用途に合うものを選んでいます。
2026年8月5日現在、ノマキエデザインでは、有料素材サービスとしてAdobe Stockを利用しています。
Adobe Stockにも、通常の商用デザインに使用できる素材だけでなく、広告などの商用目的には使用できないエディトリアル素材や、用途によって追加のライセンスが必要になる素材があります。そのため、「Adobe Stockの素材だから何にでも使える」とは考えず、個別の条件を確認しています。
また、2026年8月1日まではShutterstockも契約していたため、過去に正規に取得したShutterstock素材を使用する場合があります。
その際も、取得済みだから無条件に使えると判断するのではなく、取得時のライセンスと今回の使用目的を確認します。Shutterstockの素材も、購入したライセンスの条件に従って使用する必要があります。
ストック素材そのものの権利を譲渡するわけではありません
有料・無料を問わず、第三者が制作した素材をデザインへ組み込んだ場合、その素材自体の著作権が依頼者やノマキエデザインへ移るわけではありません。
納品するのは、素材を利用規約の範囲内で組み込んだ完成デザインです。
たとえば、ストック素材の元データを、
・素材集のように再配布する
・別の制作者へ素材として渡す
・素材単体を販売する
・ロゴとして独占的に使用する
といった行為は、ライセンス上認められない場合があります。
ノマキエデザインでは、第三者素材の権利を譲渡するのではなく、正規に取得した素材を、許可された用途の範囲内で制作物へ使用しています。
依頼者から支給された素材について
依頼者から、
・写真
・イラスト
・既存ロゴ
・フォント
・ストック素材
・第三者が制作したデータ
などをご提供いただく場合もあります。
この場合、ノマキエデザインでは、依頼者がその素材を適切に使用できる権限を持っていることを前提として制作を行います。
依頼者側で、
・商用利用できる素材か
・加工が認められているか
・制作会社やデザイナーへ共有できるか
・広告や印刷物へ使用できるか
・クレジット表記が必要か
などをご確認ください。
ノマキエデザインが支給素材をデザインへ組み込んだとしても、その素材に関する権利問題が解消されたり、ノマキエデザインから権利を譲渡できるようになったりするわけではありません。
他人の著作物を利用する場合は、著作権だけでなく、利用条件や著作者人格権、肖像権などの確認が必要になる場合があります。
不明な素材や、入手経路が確認できない素材については、使用をお断りしたり、別の素材への差し替えをご相談したりする場合があります。
ロゴの著作権と商標は別に考える必要があります
ロゴを事業やブランドで使用する場合は、著作権のほかに、商標について検討することもあります。
デザイナーからロゴの著作権を譲り受けたとしても、それだけで商標登録が完了するわけではありません。
また、著作権を譲渡できることと、同じ名称や似たマークがすでに使われていないこと、希望する分野で商標登録できることも別の問題です。
ノマキエデザインの通常のロゴ制作には、商標調査や、商標登録できることについての法的保証は含まれていません。
商標登録を予定している場合や、ブランド名を長期的・広範囲に使用する場合は、必要に応じて弁理士などの専門家へご相談ください。
なぜ制作前に権利の話をするのか
権利の話は、少し堅く感じられるかもしれません。
しかし、曖昧なまま制作を進めると、
・納品後にどこまで使用できるか分からない
・依頼者が自由に加工してよいか分からない
・制作者が実績として掲載できるか分からない
・使用できない素材が含まれていた
・素材の元データまで自由に使えると思っていた
・著作権譲渡と商標登録を同じものだと思っていた
といったトラブルにつながる可能性があります。
ノマキエデザインが権利について確認する目的は、複雑な条件を増やすことではありません。
制作する側と依頼する側が、納品後も安心してデザインを使用できるようにするためです。
まとめ
ノマキエデザインでは、通常のデザイン制作における権利や素材を、次のように扱っています。
ゼロから制作するデザイン
・実績掲載を許可していただける場合、原則として追加料金なしで著作権を譲渡
・実績掲載不可の場合は、有料オプションとして対応
・案件内容によって、譲渡する権利や利用条件を確認
・著作者人格権は譲渡できないため、必要に応じて不行使について取り決める
ノマキエデザインが用意する素材
・商用利用が認められたフリー素材や、正規に取得した有料素材を使用
・2026年8月5日現在はAdobe Stockを利用
・2026年8月1日までに正規取得したShutterstock素材を使用する場合もある
・素材ごとの利用規約と、実際の使用目的を確認
・素材そのものの著作権を譲渡するわけではない
依頼者から支給される素材
・依頼者が適切な利用権限を持っていることを前提として使用
・商用利用、加工、第三者への共有などの条件は依頼者側で確認
・入手経路や利用条件を確認できない場合は、差し替えをお願いすることがある
制作内容や使用目的によって、必要な確認事項は変わります。
分かりにくい部分を曖昧なままにせず、制作前に整理することが、納品後のトラブルを防ぐ第一歩です。
権利や素材の扱いについて不安がある場合も、見積もり相談の段階で、分かる範囲をお知らせください。
ノマキエデザインでは、制作内容と用途を確認しながら、対応範囲と条件を整理してご案内します。