「何年も前に作ったホームページが、そろそろ古く見えてきた」「スマホで開くと文字が小さくて読みにくい」「アクセスはあるはずなのに、問い合わせが来ない」。
ホームページのリニューアルを考え始めるきっかけは、こうした小さな違和感であることがほとんどです。
ただ、いざ作り直そうとすると、「今のドメインはそのまま使えるのか」「作り直したら検索順位が下がるのではないか」「そもそも何から手をつければいいのか」と、分からないことが次々に出てきます。当方にご相談いただく方も、最初はほとんどがこの状態です。
この記事では、ホームページ制作とSEO・アクセス解析に携わってきた立場から、リニューアルを考え始めたときに確認したいこと、進め方の7ステップ、費用やドメインの疑問、失敗しやすいポイントまでを、できるだけ具体的に整理します。
先に結論:リニューアルで押さえたい3つのこと
本題に入る前に、この記事でお伝えしたいことを3つにまとめておきます。
1つ目は、「全部作り直すべきか、部分的な修正で足りるか」を最初に見極めることです。見た目が古く感じても、困っている原因が料金表の古さや問い合わせボタンの位置だけなら、全面的に作り直さなくても改善できます。
2つ目は、作り直す前に、今のサイトの数字と残したい情報を確認しておくことです。どのページが検索から見られているか、毎月何件の問い合わせがあるかを把握しておかないと、リニューアル後に良くなったのか悪くなったのかを判断できません。
3つ目は、ページのURLが変わるときに、古いページから新しいページへつなぐ設定をすることです。これを忘れると、せっかく検索で評価されていたページが「見つからないページ」になってしまいます。
以下、順番に詳しくご説明します。
ホームページをリニューアルするべきタイミングは?
「ホームページは何年でリニューアルするべきですか」というご質問をよくいただきます。ネット上では「3〜5年が目安」と書かれていることもありますが、当方は年数だけで判断する必要はないと考えています。
5年前に作ったサイトでも、情報がきちんと更新され、問い合わせにつながっていれば、急いで作り直す理由はありません。逆に、公開から1〜2年でも、事業内容が変わっていたり、スマホで使いにくかったりすれば、見直すタイミングです。判断の基準は、「今のホームページが事業の役に立っているかどうか」です。
リニューアルを検討したい5つのサイン
次のような状態が当てはまる場合は、リニューアルを考えてよいタイミングです。
1つ目は、スマホで見ると文字が小さい、画面が横にはみ出す、ボタンが押しにくいといった状態です。今はホームページを見る人の多くがスマホを使っているため、ここで使いにくいと、内容を読む前に閉じられてしまいます。
2つ目は、今の事業内容とホームページの内容が合っていない状態です。サービスを増やした、対象のお客様が変わった、店舗を移転したといった変化に、サイトが追いついていないケースです。
3つ目は、料金や営業時間、スタッフ紹介などが古いままになっている状態です。情報が古いサイトは、「この会社は今も営業しているのだろうか」という不安を与えてしまいます。
4つ目は、自分で更新できない状態です。「文章を1行直すにも制作会社に頼まないといけない」「前の制作会社と連絡がとれない」という状態では、情報が古くなるのを止められません。
5つ目は、アクセスはあるのに問い合わせにつながっていない状態です。見られてはいるのに行動につながらないのは、内容や問い合わせまでの導線に原因があることが多く、構成から見直す価値があります。
全部作り直す?部分的な修正で済む?
サインが当てはまっても、必ずしも全面的なリニューアルが必要とは限りません。課題が一部に限られていれば、部分的な修正のほうが費用も時間も抑えられます。
たとえば、「料金が古い」だけなら該当ページの文章を直せば足ります。「問い合わせボタンが見つけにくい」なら、ボタンの位置や色を変えるだけで改善することもあります。
一方、「事業内容が大きく変わった」「スマホに対応していない」「自分で更新できない仕組みになっている」といった場合は、ページを1枚ずつ直すよりも、全体の構成から作り直したほうが結果的に早く、費用もかからないことがあります。
迷ったときは、困っていることを書き出して、それが「特定のページの問題」なのか「サイト全体の問題」なのかを分けて考えてみてください。
リニューアル前に確認しておきたい7項目
リニューアルで失敗しやすいのは、準備をしないまま「とにかく新しくしよう」と進めてしまうケースです。作り直したあとで「前のサイトにあったあの情報がない」「問い合わせが減った気がするが、前がどうだったか分からない」となっても、元には戻せません。
制作会社に相談する前に、次の項目を確認しておくと、打ち合わせがスムーズになり、リニューアル後の判断もしやすくなります。
自分でできる事前チェックリスト
□ 今の問い合わせ件数(月に何件くらいか)を把握している
□ よく見られているページが分かる
□ 新しいサイトにも残したい文章・写真を整理している
□ ドメイン(URL)をどこで管理しているか分かる
□ サーバーをどこと契約しているか分かる
□ 更新に必要なログイン情報を確認できる
□ リニューアルの目的を一言で説明できる
すべてにチェックが入らなくても問題ありません。特にドメインやサーバーの契約先は、「最初に作った制作会社に任せていて分からない」という方も少なくありません。その場合は、ドメインの更新料の請求書や、契約したときのメールを探してみると、手がかりが見つかることがあります。分からない部分は、制作会社と一緒に確認すれば大丈夫です。
作り直す前の数字を記録しておく
当方はウェブ解析士として、リニューアルの前後でアクセスの変化を見ることを大切にしています。作り直す前の数字がなければ、リニューアルの効果を確かめようがないからです。
Googleアナリティクスが入っていれば、月ごとの訪問数と、よく見られているページを控えておきましょう。Googleサーチコンソールが入っていれば、「検索パフォーマンス」の画面で、どのページがどんな言葉で検索されているかを確認できます。ここで上位に出てくるページは、新しいサイトでも残すべき大切なページです。
計測ツールが入っていない場合も、問い合わせの件数だけは記録しておいてください。「リニューアル前は月2件、リニューアル後は月5件」と比べられるだけでも、十分な判断材料になります。
ホームページリニューアルの進め方7ステップ
ここからは、実際にリニューアルを進める流れを7つのステップに分けてご説明します。制作会社に依頼する場合も、自分で作り直す場合も、基本的な流れは同じです。
① 目的を決める
最初に決めるのは、「リニューアルで何を変えたいのか」です。「問い合わせを増やしたい」「採用の応募を集めたい」「取引先に見せても恥ずかしくないサイトにしたい」など、目的によって必要なページも、載せる内容も変わります。
目的があいまいなまま進めると、打ち合わせがデザインの好みの話ばかりになり、完成したけれど成果は何も変わらない、ということになりがちです。
② 残すページと見直すページを整理する
今のサイトのページを一覧にし、それぞれを「そのまま残す」「内容を直す」「ほかのページとまとめる」「削除する」に分けていきます。新しく作りたいページがあれば、それも書き加えます。
このとき、前の章で確認した「検索から見られているページ」は、削除の候補から外しておきましょう。
③ 制作会社に見積りを依頼する
見積りを依頼するときは、ページ数だけでなく、「文章作成も任せられるか」「今のサイトからの文章や画像の移行は含まれるか」「公開時の切り替え作業は含まれるか」を確認します。
同じ「5ページで〇万円」でも、文章を自分で用意する前提の見積りと、文章作成まで含む見積りとでは、実際にかかる手間がまったく違います。
④ ページ構成と文章を決める
次に、各ページに何を載せるかを決め、文章を用意します。ここで大切なのは、会社が伝えたいことよりも、お客様が知りたいことを優先することです。この考え方については、後ほど詳しくご紹介します。
⑤ 新しいサイトを制作・確認する
新しいサイトは、今のサイトを公開したまま、別の場所で制作するのが一般的です。完成に近い状態のサイトを見ながら、文章や写真、色などを確認して仕上げていきます。
⑥ 公開前に動作を確認する
公開の前には、スマホとパソコンの両方で表示を確認します。問い合わせフォームが実際に送信できるか、電話番号をタップして発信できるか、リンク切れがないか、営業時間や料金に誤りがないかも、このタイミングで点検します。
⑦ 公開後にアクセスと問い合わせを確認する
リニューアルは、公開して終わりではありません。公開から1〜3か月ほどは、事前に記録した数字と比べて、問い合わせが減っていないか、見られていないページがないかを確認します。思ったほど見られていないページがあれば、タイトルや文章を見直していきます。
リニューアルの費用と期間は何で変わる?
リニューアルの費用は、依頼先や内容によって数万円から数百万円まで大きな幅があります。金額だけを比べても判断しにくいため、何によって費用が変わるのかを知っておくと、見積りを比べやすくなります。
費用を左右する主な要素
費用に影響しやすいのは、主に次の5つです。
・ページ数
・文章作成を依頼するかどうか
・予約機能やお知らせの更新機能などの追加機能
・今のサイトからの文章・画像の引き継ぎ
・公開時の切り替え作業
なかでも差が出やすいのが、文章作成です。文章を自分で用意すれば費用は抑えられますが、そのぶんご自身の時間がかかります。本業が忙しい方ほど、文章作成まで含めて依頼したほうが、結果的に早く公開できることもあります。
期間は、素材や文章の準備状況と、確認のやりとりのペースによって変わります。参考までに、当方の場合は素材や情報がそろってから3〜7営業日ほどで最初の確認用のサイトをお出しし、修正を経て公開となります。
自分でWordPressを使って作り直す方法もある
WordPressなどを使えば、自分でサイトを作り直すこともできます。制作費は抑えられますが、デザインや文章だけでなく、サーバーの設定、公開時の切り替え、URLが変わるページの転送設定まで、自分で行う必要があります。
「時間をかけてでも自分でやりたい」という方には良い選択肢ですが、本業の時間を削ってまで取り組むべきかは、一度考えてみてください。
今のドメインのままWordPressへリニューアルできる?
リニューアルのご相談で特に多いのが、ドメインについての質問です。名刺やチラシ、看板にURLを載せている方にとって、ドメインが変わるかどうかは大きな問題です。
ドメインを変えずにリニューアルする方法
多くの場合、今のドメイン(例:〇〇.com)を使ったまま、WordPressで作り直したサイトに切り替えることができます。新しいサイトを準備しておき、公開のタイミングでドメインの向き先を新しいサイトに変える、という流れです。
ただし、ドメインの設定を変えるには、ドメインを管理している会社の管理画面に入る必要があります。前の制作会社がドメインを管理している場合は、事前に相談しておきましょう。また、設定の変更が反映されるまでには、数時間から長いと数日かかることがあります。
制作中も今のホームページは表示できる?
新しいサイトを別の場所で制作すれば、制作中も今のサイトはそのまま表示されます。ある日突然ホームページが見られなくなる、ということはありません。
切り替えの直後は、見る人の環境によって古いサイトと新しいサイトが入れ替わりで表示されることがありますが、時間がたてば落ち着きます。予約や問い合わせの多い曜日を避けて切り替えると安心です。
ドメインが同じでも検索順位に影響することはある
「ドメインが同じなら検索順位は下がらない」と思われがちですが、注意したいのは、各ページのURLが変わる場合です。
たとえば、今のサイトの「〇〇.com/service.html」というページが、新しいサイトでは「〇〇.com/service/」になるとします。何もしなければ、検索結果やブックマークから古いURLにアクセスした人には「ページが見つかりません」と表示されてしまい、検索エンジンからの評価も引き継がれません。
これを防ぐのが、古いURLから新しいURLへ自動で移動させる「リダイレクト」という設定です。Googleも、サイトを移転するときにはこの設定を行うよう案内しています。WordPressであれば、プラグインを使って設定することもできます。
失敗を防ぐために知っておきたい注意点
ここまでの内容と重なる部分もありますが、リニューアルでよくある失敗と、その防ぎ方をまとめます。
検索から見られているページを安易に削除しない
「古いブログ記事だから」「今のサービスと関係ないから」と削除したページが、実は検索からの入口になっていた、というケースは珍しくありません。削除する前に、サーチコンソールやアナリティクスでアクセスがあるかを確認しましょう。アクセスがあるページは、内容を新しくして残すか、関連するページへリダイレクトするのがおすすめです。
事前告知と公開のタイミング
予約や問い合わせの方法が変わる場合や、切り替えの間に一時的に受付を止める場合は、事前にお知らせを出しておくと安心です。今のサイトやSNS、Googleビジネスプロフィールなどで「〇月〇日にホームページをリニューアルします」と伝えておけば、いつものお客様も戸惑いません。
公開日は、繁忙期を避け、公開直後に表示や問い合わせフォームを確認できる日を選びます。金曜の夜や連休の前に公開すると、不具合があってもすぐに直せないことがあるため、平日の日中がおすすめです。
リニューアル費用の勘定科目は?
リニューアル費用の経理処理についてもご質問をいただきますが、ホームページの制作費は、内容や金額、事業の状況によって扱いが変わります。具体的な処理は、顧問の税理士や会計担当の方にご確認ください。見積書や請求書で作業の内訳が分かるようにしておくと、相談がスムーズです。
元新聞記者が考える「伝わるホームページ」の作り直し方
当方は、新聞記者として取材と記事の執筆をしてきました。その後、Webメディアの運営やホームページ制作に携わるなかで、記者時代に身についた考え方が、そのままホームページづくりにも役立つと感じています。リニューアルで特に意識している2つをご紹介します。
会社が伝えたい順番と、お客様が知りたい順番は違う
新聞記事は、最も大切なことを最初に書きます。読者が途中で読むのをやめても、要点だけは伝わるようにするためです。
ホームページも同じです。「当社の理念」や「代表あいさつ」から始まるサイトは少なくありませんが、初めて訪れたお客様が先に知りたいのは、「何をしてくれるのか」「どこで、いくらで頼めるのか」「どうやって申し込めばいいのか」であることがほとんどです。
リニューアルでは、こうした情報をトップページの上のほうに置き、理念やこだわりはその後で伝える構成をおすすめしています。内容は同じでも、並べる順番を変えるだけで伝わり方が大きく変わります。
よく聞かれる質問を集めてから作り直す
記者の仕事では、取材相手が「当たり前」と思っていることの中に、読者にとって大切な情報が隠れていることがよくありました。ホームページでも同じことが起こります。
電話や問い合わせでよく聞かれること、初めての相談で不安に思われていることを、思いつくだけ書き出してみてください。「駐車場はありますか」「見積りだけでもいいですか」「土日も対応していますか」といった質問は、それ自体がホームページに載せるべき情報です。よく聞かれる質問を見出しや「よくある質問」に反映すると、お客様の不安を先回りして解消できます。
まとめ
ホームページのリニューアルは、見た目を新しくすること自体が目的ではありません。今のサイトの課題を整理し、お客様にとって分かりやすく、行動しやすいサイトに作り直すことが大切です。
・まずは、全部作り直すか、部分的な修正で足りるかを見極める
・リニューアル前に、今の数字と残したい情報を確認しておく
・URLが変わるページは、古いページから新しいページへつなぐ
・公開後も、問い合わせやアクセスの変化を確認する
この4つを押さえておけば、「作り直したのに前より悪くなった」という失敗は防ぎやすくなります。
ホームページのリニューアルをご検討中の方へ
当方では、今のホームページを活かしながら作り直す「リニューアル専用」のサービスをご用意しています。
今のサイトを確認したうえで、残すページ・まとめるページ・新しく作るページを整理し、文章も書き直してWordPressで制作します。制作中は今のサイトを公開したまま進めますので、ホームページが見られなくなる期間はありません。
・5ページまで・文章作成込みで60,000円
・今のドメインのままの切り替え作業は、オプション(10,000円)で承ります
「何から準備すればいいか分からない」という段階でもかまいません。今のサイトのURLをお知らせいただければ、どこから手をつけるとよいかを一緒に整理します。詳しくはココナラのサービスページをご覧のうえ、メッセージからお気軽にご相談ください。