マニアックにもほどがあるだろう!と我ながら思いますが、サンプリング音源としては晩期となるドリームキャスト音源にもそそられます。ドリームキャストの同時発音数はADPCMが64音。PS2やゲームキューブが同世代で、この頃は内蔵音源+ストリーミング再生が一般的だったようです。
今から25年ほど前、当時はどんなゲーム機でも大抵、何かしらの作曲ソフトが発売されていたもので、ドリームキャストも例外ではありません。
ワカ製作所から発売された「お・と・い・れ」。その存在を知ったのはわずか1年ちょっと前で、確かまんだらけで見つけたのがきっかけでした。発売された1999年はMIDI音源はまだ高価で、ソフトウェアMIDI音源も高価だったり動作が重かったりして、あまり気軽に使えるものではありませんでした。昔のゲーム機で作曲ソフトがありふれていたのは、こうした時代背景のせいもあったと思われます。
音色のバリエーションは明らかにGM音源を意識していると思われ、GM音源で使える音色はすべて揃っています。しかも高音質で、PS2の「ループシーケンサー ミュージックジェネレーター」よりも音がきれいです。ボイス素材も、ミュージックジェネレーターほどではないですが、けっこう揃っています。しかし、GM音源にない音色はあまり充実しておらず、「何であの音がないんだ!?」とたまに思います。
使い勝手の癖が強すぎるのも難点です。ピアノロールを開いて音を置いて…というのが一般的ですが、一見、元々用意されているフレーズを並べることしかできないように見えます。フレーズを編集することはできますが、そのフレーズからすべての音符を1つ1つ消さないといけません。これが真実ならとんだクソツールですが、実はSpecialカテゴリのBlankという素材の中から、まっさらなフレーズを呼び出すことができ、これをいじれば簡単に曲が作れます。
拍子の変更機能がないのが少々不便です。小節を無視して、無理やり3拍子などの曲を作ることもできると思いますが、面倒くさそうです。
また、これはドリームキャスト本体の問題だと思いますが、ビジュアルメモリの容量が少なく、簡単な曲でも2曲ほどで容量がいっぱいになってしまいます。しかも、ドリキャスあるあるで、データを保存しようとしたら容量が足りず、ビジュアルメモリを交換したくてもコントローラーから抜けないという事態になると最悪です。ペンチを使ってビジュアルメモリを引き抜くと良いようです。人間の腕の力では抜けないように設計されているとは、屈強なゲーム機ですね。
欠点だけを見ると、あんまりよろしくない作曲ソフトにも見えますが、慣れてしまえば、そんなに使いにくくないように思います。音質だけで言えば、スイッチのKORG Gadgetの次くらいには良いです。ループポイントを設定できる点も優れています。ゲーム音楽と言えば無限ループなのに、ほとんどの家庭用ゲーム機の作曲ソフトにはその機能がないです。すべての作曲ソフトで実装してもらいたいくらいです。恐らく知名度が低いだけで、使い慣れればなかなか良いツールなのではないかと思います。
番外編として、残念ながら自宅で気軽に作曲できない家庭用ゲーム機をご紹介します。3DO、ゲームキューブ、XBOXです。自分は0から作曲できるような技術力はないため、何かしらのソフトを使用してゲーム機で作曲しているのですが、これらのゲーム機では作曲ソフトや開発ツールが発売されていません。
3DOは公式の開発ツールがあるにはあるようですが、どうやら100万円くらいする代物らしく、しかもMac用なので、とても手が出ません。3DO音源はDSPとしか書いておらず、謎に包まれています。推測で申し訳ないのですが、曲を聴いた感じでは、3DOに音源が内蔵されていて、MIDI音源のように使えるんじゃないかと思います。
ゲームキューブは、サンプリング音源からストリーミング再生に移行し始めた頃のゲーム機なのと、パソコンもMSGSが一般的になってきた時代なので、作曲ソフトの需要がなかったのかも知れません。こちらも開発ツールがあるようで、それを入手できればゲームキューブ音源の曲が作れるかも知れませんが、そんなお金もなければ技術力もないのが悲しい現実です。
サンプリング音源を内蔵した最後の据え置きゲーム機はXBOXとなりますが、同時発音数が256音とでたらめな数字になっており、仮に内蔵音源を使用していたとしても、素早い読み込みのための使用が中心だったと思われます。