占いの歴史は実に古いです。漢字は元々、占いのために使われていたそうです。
占いは科学よりも法律よりも人類との付き合いが長いのです。
人は人生の判断で迷ったときに占いにたよります。
うまく使うと人生の助けになるのですが、ときに重大な影響を与えることもあります。
以下は僕自身の体験談になります。
僕はいわゆる「デキ婚」をしまして、結婚するときに、いろいろ騒動がありました。
何の下準備もなく、いきなり結婚することになったので、周囲が驚いて、少なくない方々から結婚を反対されました。
嫁さんは精神面に不安を抱えている人でしたが、嫁さんのご両親からも結婚を反対され、嫁さんは家を飛び出して親子の縁を切ってしましました。
まあ、それまでの僕の所業が良くなかったから仕方がないのです。今思えば、僕は本当にダメなヤツでした。
とは言え、親戚の方々が僕の知らないところで動き出しまして、こっそり占いをしてくれていたのです。
そして、こんなことを言われました。
「九州で一番有名な占い師にアンタの結婚について占ってもらったら、いまは結婚しない方がいい。結婚したら不幸なる。と言われたから結婚はよしときなさい。」
頼りがいのある親戚のおばさんからそういわれると、ほかの親戚たちも「ほほう、なるほどー」のような雰囲気になるのですね。
確かに僕のことを心配してくれている人たちです。その言葉には無視できないものがありました。
ところが僕の母親だけは違いました。
「占いなんて信じるな。あんたが好きなようにしなさい。何が起きても守ってやる。」
そのときのことを思うと母親に対して実に申し訳ないというか、ありがたいというか。思い出すと目から涙です。
僕としては、誰から反対されようとも結婚するつもりだったのですが、当事の僕は無職者で、肩書も収入もありませんから、「やる気」以外にはなんの自信もありません。
頼りにしていた親戚から、「九州一の占い師」という持ち出され方をされると、占いをあまり信じていないつもりの僕でも、なんとなく不安な気持ちになりました。
出産はこれからなので、「子どもが生まれたらどうかなってしまうんだろうか。」という不安もよぎりました。
嫁さんもこの話を聞いたら複雑な気分になるだろうし、いろいろ不安を持ったら出産や育児に影響がでるかもしれません。
ところが、この話が嫁さんの耳に入ってしまいまして、このさき悪影響がでるだろうな、と思ったのです。
というのも、嫁さんも多少は占い的なものの影響を受ける人だったし、精神的にも不安定だったし。
でも、結果的にはたいした影響は受けなかったようで(たぶん)、その後、周囲の反対を無視して僕たちは入籍し、出産しました。
その子は元気に育って今は会社勤めをしています。
塾にも通わないで法学部を卒業し、今朝は私と一緒に公園でバドミントンをしてくれました。
二人目の娘は昨年、どうにか就職しまして、1年が過ぎましたが、今朝も元気に出勤しています。
奥さんのご両親とはその後、同居することになり、療養介護も含めて一心同体の暮らしを平穏に過ごしております。
奥さんのおかげで実に円満な家庭生活を送れていて、占いのこともすっかり忘れていたのですが、僕のために占いをしてくれた親戚のおばさんのことが、たまたま最近、奥さんとの間で話題になり、例の占いのことを思いだしました。
「そう言えば、結婚したら僕たち不幸な人生になるって言われたよねえ。」
「まあね、仕方がないでしょ。心配してくれてたんだから。」
とまあ、奥さんは前向きに捉えてくれています。
奥さんは今や、僕よりも占いを信じない人に成り果てました。
「当時、占いのことを気にしていたの?」
と聞くと、
「子育てで精いっぱいで、そんなこと考えている余裕なんてなかったわよ。」
とバッサリ。
結婚して25年たってもまだ不幸ではないから、占いは「ハズレ」ということでよろしいでしょうか。
このあとどのような不幸なことがあっても、これまでが幸せだったので、別にもうどうでもいいです
僕たちは占いから、たいして影響は受けていませんが、人によっては、同じような状況で結婚を断念してしまうのかな。
そう思うと、占いの功罪ということを考えてしまうのです。
僕だって神社に祈願するし、おみくじも引きます。
「地獄に堕ちるわよ。」
と言っていた細木数子さんのドラマはまだ見ていませんが、ああいう言われ方をされたら、誰でも不安を感じるだろうな。
ちなみに、あれほど自信をもって「結婚やめろ」と言っていた親戚のおばさんは、そのことを今ではケロッと忘れているようです。
そのおばさんは僕の奥さんのことを僕よりも気に入っていて、しばしばLINE通話で奥さんに愚痴や不満を長々と聞いてもらっています。娘並みの待遇です。
奥さんは僕の母親を実の母親のように大事に思っているようで、今も積極的に介護や世話をしてくれています。
あのとき結婚を決断して本当によかったと思っています。
そして、こうも思うのです。
あの占いは最初から「ウソ」だった可能性も少しあります。
おばさんが僕のことを心配して、僕の結婚への本気度を試したのではないか。
いまだに真相は闇の中ですが、占いを信じるのもほどほどに。
僕はカウンセラーとして結婚の相談にのることもあるので、無関係とも思えず、僕の体験談を記事にしておきます。