在庫管理表で「発注点」を決めるときの考え方|使う量×届くまでの日数+安全在庫

在庫管理表で「発注点」を決めるときの考え方|使う量×届くまでの日数+安全在庫

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ビジネス・マーケティング
在庫管理表を作ると、「在庫がいくつになったら注文するか」という数を決める欄が出てきます。これを「発注点」と呼びます。なんとなく「10個を切ったら」と決めていると、忙しい週に足りなくなったり、逆に棚が在庫でいっぱいになったりします。

この記事では、発注点を「勘」ではなく、手元の数字から決める考え方と、Excel での計算のしかたを紹介します。例はすべて架空のデータです。

1. 発注点は「届くまでに使う量」+「余裕の分」

発注点の基本の考え方は、次の1行です。

発注点 = 1日に使う量 × 注文してから届くまでの日数 + 安全在庫

注文してから届くまでの日数を「リードタイム」と呼びます。注文した時点の在庫で、届くまでの間をしのげれば、在庫切れになりません。ただ、使う量は毎日同じではないので、多めに使った日のための余裕(安全在庫)を足しておきます。

2. まず、1日に使う量を数字にする

例として、カフェで使う牛乳(1Lパック)を考えます。過去4週間、1日ごとに使った本数を表に入れておきます(B2〜B29 に28日分)。

1日の平均:=AVERAGE(B2:B29)
1日の最大:=MAX(B2:B29)

架空の例では、平日は4〜8本、土日は8〜12本で、平均は約6.9本、最大は12本でした。過去の数字がないときは、仕入れの伝票から「1週間で何本買ったか」を7で割るだけでも、最初の目安になります。

3. 届くまでに使う量を出す

リードタイムが3日なら、届くまでに使う量は次の式です(E2 にリードタイム、E7 に平均)。

届くまでに使う量:=ROUNDUP(E7*E2,0)

6.9本 × 3日 = 20.7本なので、切り上げて21本です。半端は切り上げておくと、足りなくなる側に外れにくくなります。

リードタイムは「注文してから棚に並ぶまで」で数えるのがポイントです。仕入先の定休日や、注文の締め時間を過ぎると翌日扱いになる場合は、その分も日数に入れます。

4. 安全在庫の決め方は2通り

かんたんな方法は、「いちばん多く使った日」と「平均」の差を、リードタイムの日数分だけ足す考え方です。

安全在庫(かんたん):=ROUNDUP((E8-E7)*E2,0)

例では (12−6.9) × 3 = 15.3 なので16本。発注点は 21+16=37本になります。毎日が最大の日だったとしても届くまでもつ、という余裕の多い決め方です。

もう少し細かくしたいときは、使う量のばらつき(標準偏差)を使う方法があります。

安全在庫(ばらつき):=ROUNDUP(1.65*STDEV.S(B2:B29)*SQRT(E2),0)

例では7本、発注点は 21+7=28本です。1.65 は、使う量がふつうのばらつき方をするとき、届くまでに足りなくなるのを20回に1回くらいに抑えるための目安の数です。欠品をもっと減らしたいなら数を大きく(例:2.33)、在庫を減らしたいなら小さくします。どちらも「目安」なので、在庫切れが起きないことを約束するものではありません。

5. 2つの方法で、判定がかわる例

現在庫が30本のとき、かんたんな方法(発注点37本)では「発注する」、ばらつきを使う方法(発注点28本)では「まだ」になります。

判定:=IF(E5<=E11,"発注する","まだ")

どちらが正しいというより、「欠品したら困る度合い」と「置き場所や賞味期限」の兼ね合いで選びます。牛乳のように日持ちしないものは在庫を持ちすぎない方、切らすと営業できないものは余裕の多い方、というように、品目ごとに決めてかまいません。

6. 注文する数も決めておく

発注点と一緒に、「1回にいくつ注文するか」も決めておくと迷いません。週1回注文するなら、1週間分を目安にします。

発注する数:=ROUNDUP(E7*E3/E4,0)*E4

E3 は注文の間隔(7日)、E4 はケースの入数(12本)です。6.9本 × 7日 = 48.3本を、12本単位に切り上げて60本になります。

7. 決めた数は、ときどき見直す

使う量は、季節や新しいメニューでかわります。月に1回くらい、直近4週間の数字で平均と最大を出し直すと、発注点が今の使い方からずれにくくなります。リードタイム3日を5日にかえると、例の発注点は37本から61本(ばらつきの方法では28本から43本)にかわります。届くまでの日数が、発注点にいちばん大きく効くことがわかります。

まとめ

発注点は「1日に使う量 × 届くまでの日数 + 安全在庫」。平均と最大を数字にし、リードタイムは棚に並ぶまでで数え、安全在庫はかんたんな方法か、ばらつきを使う方法で決める。品目ごとに、困り方に合わせて余裕を選ぶ。この順で決めると、「なんとなく10個」から一歩進められます。

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