女性にとって、月経時の頭痛はよく聞かれる症状なのですが、
詳しく探っていくと、その人独自の頭痛の表れ方があります。
今回は、そんな女性の海外症例をご紹介します。
34歳女性
〇主訴
思春期から何年も毎月続いている、目のあたりのひどい頭痛
〇経緯
中等学校1年生の最後の登校日、目の前で友人が車にひかれる事故に遭い、
その日の晩に初潮を迎えた。
頭痛は思春期のこの時期から始まり、それ以来毎月彼女を苦しめている。
最近、元スタイリストの経歴を活かして婦人服店を始めたばかりである。
〇職業
婦人服店経営(元スタイリスト)
※副業(秘密の活動)として、
偽名で女性ファッション誌にセーターのデザインや提案を執筆している。
〇身体症状
・月経が始まった時からの毎月必ず来る頭痛、目の上の痛み
タバコを吸うと改善する
・痩せ型の体型
・多量な月経(月経時の痛みはない)
・食後の消化器系の問題(頭が混乱し、集中力が低下する)
・過去に頻発した膀胱炎と、現在も月経周期に伴って現れる頻尿傾向
・湿った寒さに非常に弱く、すぐ風邪をひく(暑さや海を好む)
・ 浅い睡眠と、夜間に空腹感で目が覚める症状
〇精神症状
・非常に内向的で会話を始めるのが難しい
・ 落ち着きがなく、じっと座っていることがストレスになるほどの強い焦燥感
(指を神経質に動かすなど)
・ 強い閉所恐怖
(閉じ込められた感覚、閉じた部屋、エレベーター、トンネルに対する強い拒絶)
・ 頭痛に伴う、
自分をコントロールできなくなるほどの激しい神経高ぶりと他者への攻撃的な態度
・ 月経周期に伴う、わけのない神経質さや落ち着きのなさ
・編み物に対する強い執着
(編み物をしていないと眠れない、若い人がするものではないと恥じる気持ちがある)
・夢
事故で亡くなった友人が出てきて、
・アイスクリームのカップと糸で作った糸電話で連絡を取る
・絹でできた宇宙船の中で縫物をする
〇好きな食べ物
・ファストフード
(生きるために必要な最小限の量しか食べず、
甘いものや美味しい料理はすべて嫌いと述べている)
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この方の症状の特徴は、月経が始まった時から毎月かかさずこの頭痛が起きてしまう、周期的な頭痛であるという事です。
また、他の特徴として、
閉所恐怖症、
食べることは動きたい自分を抑制するのであまり重要ではないこと、
頭痛がタバコを吸うことで改善すること、
とても寒がりで
落ち着きのない、常に動いていたい人だということが挙げられます。
また、編み物をしないと眠れないというのも大きいですね。
この女性に処方されたレメディは、Aranea diademaニワオニグモでした。
「タランテラ」という名のイタリア・ナポリ生まれのかなり速いテンポの
舞曲があるのですが、
タラントという地名から由来するという説と、
タランチュラの毒の苦しさから踊り狂うという説があります。
曲で表現されるように、クモは落ち着きのない生き物です。
(一度、ピアノを習ったことのある人なら、知っている曲、
ブルグミュラーの「タランテラ」を聞いてみてください。
クモのカサカサと動き回る感じがしますよね。
クモのレメディ全般に、この「落ち着きのなさ」が見られます。)
このニワオニグモはタランチュラほどの毒性はなく、
庭に生息しているクモで、人間の姿を見て逃げるほどかなりおとなしいクモです。
自分で作ったクモの巣を食べて、タンパク質をリサイクルし、
円形の巣を毎日張り直すそうで、この「毎日」が頭痛の周期性を表していますよね。
また、巣に飛び込んできた昆虫だけを捕食するとても日和見的な捕食者で、
食べることに執着しません。
このクライアントも「美味しいものが嫌い」なんて言っていて、
毎日何を食べようかなぁと考えている私には信じられない発言です。
それほど、食べることよりも動いて活動していたい人なんですね。
この方が感じているトンネルやエレベーターでの閉塞感は、
クモの巣にかかった昆虫の「出られない」「捕らわれて自由になれない」という昆虫側の感覚が感じられませんか?
編み物に夢中である事や夢にまで糸が出てきたり、
この方の身体の症状にとどまらず、
精神にもAranea diademaニワオニグモが表現されていて、
全てが処方されたレメディを投影していることを知ると、
とても感動してしまう私です。(これかー!という感じ)
クモのレメディによく見られる特徴として、
「人間関係がうまくいかない」があります。
実際クモは通常単独行動をするので、
人間関係を上手く維持することが苦手なものとしてレメディでは現れるのだと思います。
また、タバコを吸うことで症状が改善すること、
とても寒がりもクモレメディの特徴です。
この女性は、Aranea diademaニワオニグモを処方されてから、
4か月後に頭痛がなくなり、神経質さも大きく改善されたとのことでした。
体重は5キロほど増えたけれど、そんなに気にならないようで、
食事もちゃんととれるようになったのでしょう。
このように、「月経時の頭痛」と一言で言っても、
その人独自の珍しい症状を詳しく探っていき、
その人に一番近いレメディを見つけるのがホメオパシーです。
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