ちび愚者、はじまりの一歩

ちび愚者、はじまりの一歩

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占い
夜と朝の間の曖昧な、世界の一日が始まろうとしている時間。

ちび愚者は、小さな白い花を一輪持って、ぽつんと立っていました。
足もとに道らしい道はありません。

けれど遠くのほうで光る何かが、ちび愚者を呼んでいるような気がしました。


「どこへ行くの?」
後ろから小さな犬が、首をかしげます。
ちび愚者は、少し考えてから言いました。
「わからない。でも、行ってみる」
その声は少し頼りなくて、でも不思議と明るい声でした。

ポケットの中には何もなく、地図もありません。

これからどんな人たちと出会うのか、まだ何も知りません。
でも、ちび愚者は思いました。

『ちゃんと決めてから歩き出す日もあるけれど、

わからないまま、一歩だけ踏み出す日もあるんだ』

怖くないわけではありません。

迷わないわけでもありません。
それでも、胸の奥にある小さな光が、

「こっちだよ」と呼んでいる気がしたのです。

ちび愚者は、白い花をぎゅっと持ち直しました。
「まずは、あの光のところまで」
そう言って、一歩を踏み出しました。
その先に、魔術師が待っているとも知らずに。



今日の小さな道しるべ2.png
愚者のカードは、まだ何も始まっていないようでいて、実はもう始まっているカードです。

準備が完璧でなくても、心が少しだけ動いたなら、それが最初の一歩になることがあります。

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