尼僧が経験した不思議な話

尼僧が経験した不思議な話

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コラム
父が亡くなる4日ほど前のことです。

不思議な夢を見ました。

色白で、すらっとした男性が現れました。

夢の中で何か会話をしていたはずなのですが、不思議なことに内容はほとんど覚えていません。

ただ一つだけ、今でもはっきりと覚えている言葉があります。

「大丈夫。ちゃんと守るから」

その言葉を聞いたとき、とても嬉しかったのです。

安心したというよりも、心の奥がじんわり温かくなるような感覚でした。

けれど同時に、なぜか切なさもありました。

夢から覚めたあとも、その人にもう一度会いたいと思いました。

それほど印象に残る夢でした。

その数日後、父は亡くなりました。

もちろん、私はこの夢を「誰かが父の死を知らせに来た」とか、「守護霊だった」と断言するつもりはありません。

人の心は不思議なもので、自分でも気づかない変化を夢として表現することがあります。

もしかしたら、離れて暮らしていた父のことを、気にかけていたからかもしれません。

あるいは、人生の節目を前にした私自身の心が生み出した夢だったのかもしれません。

真実は分かりません。

ただ、お坊さんの立場からすると、夢の意味を無理に決める必要はないように思います。

仏教では、出来事そのものよりも、

「その出来事を通して何を感じたか」

を大切にします。



夢が何だったのかは分かりません。

けれど私は今でも、あの言葉を思い出すと少し心が温かくなります。

 「大丈夫。ちゃんと守るから」

父を亡くした今、その言葉は不思議と別の意味を持って聞こえます。

父だったのかもしれない。

父ではなかったのかもしれない。

何か特別な存在だったのかもしれないし、ただの夢だったのかもしれない。

答えはありません。

でも、あの時感じた安心感だけは本物でした。

だから私は、その夢を大切な贈り物として心にしまっています。

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