配信の内容でも、送る頻度でもありません。ほとんどの場合、もっと手前で止まっています。どこで止まっているかの見分け方と、直す順番を書きます。
公式LINEを作ったものの、予約にはつながっていない。よく聞く話です。
そして相談の入り口は、だいたい「配信の内容が悪いのでしょうか」「週何回送ればいいですか」から始まります。ただ、そこが原因だったことは、正直あまりありません。
まず、この2つを数えてください
原因を探す前に、数字を2つだけ確認します。友だちの数と、LINE経由の予約が月に何件あるか。この2つです。
友だちが50人に満たないのであれば、原因は配信ではありません。集め方のほうです。どんなにいい内容を送っても、届く相手がいなければ予約は増えません。
友だちはそれなりにいるのに予約が0件なら、原因は追加された後の設計にあります。
どちらに当てはまるかで、直す場所がまったく変わります。ここを確認せずに配信の内容を練り直すと、時間だけが消えます。
たった1つの原因は「置いてあるだけ」であること
予約に届くまでには、実は4つの関門があります。
知ってもらう。追加してもらう。反応してもらう。予約してもらう。この順に通過していく必要があるのですが、止まっているのはたいてい2番目と3番目です。
そして、この2つに共通する原因を1つに絞るなら、こう言えます。公式LINEが「置いてあるだけ」になっている。
店頭のPOPを、思い出してみてください
だいたい、こう書かれているはずです。「公式LINE、はじめました」「ぜひ友だち追加してください」。
これだと、追加する理由が1つも書かれていません。書いてあるのは、こちらの都合だけです。
書くべきなのは、追加すると何が手に入るのか。そして、いま追加する理由は何か。この2つです。
余談ですが、POPを見せてもらうと、9割くらいが同じ文面です。テンプレートがそのまま使われているのだと思います。逆に言えば、ここを1行変えるだけで、周りと違う状態を作れます。お金はかかりません。
クーポンだけでは、弱い
追加する理由として、まず思いつくのが値引きだと思います。「初回500円引き」。これはたしかに理由になります。
ただ、値引きが効くのはすでに行くつもりの人だけです。
まだ迷っている人には、あまり効きません。行くかどうか決めていない段階で、500円安いと言われても判断材料になりにくいからです。
迷っている人に効くのは、不安を消すもののほうです。たとえば、空き状況がその場で分かる。写真で中の様子が見える。相談だけでもしていい、と書いてある。このあたりです。
値引きをやめる必要はありません。値引き「だけ」にしない、という話です。
勝負は、追加された直後の1通で決まる
ここが、いちばん取りこぼしが多いところだと思っています。
友だち追加をしてもらった直後に、何も起きない。あるいは「友だち追加ありがとうございます!お得な情報をお届けします」だけが届く。この場合、その友だちはたいてい、そのまま何もしません。
受け取った側の立場で考えると、理由ははっきりしています。やることが書かれていないからです。
追加した直後というのは、その人の関心がいちばん高い瞬間です。わざわざ追加したのだから、何かしら気になっている。その瞬間に「次にこれをしてください」と示せるかどうかで、その後がまったく変わります。
もう一つ、地味に効くのが逃げ道です。「まだ決めていないけど相談したい、でも大丈夫です」の一文があるかどうか。予約する気が固まっていない人は、予約ボタンしかない画面では動けません。
1通目に入れる要素は、3つだけでいい
長く書く必要はありません。むしろ長いほど読まれなくなります。
入れるのは、こちらが誰か。次に何をすればいいか。決めていない人はどうすればいいか。この3つです。あいさつは1行で十分で、そこに文字数を使うくらいなら、行き先を明確にしたほうが結果につながります。
営業時間や住所を書きたくなりますが、それはメニューの「アクセス」に置けば足ります。1通目に情報を詰め込むと、肝心の行き先が埋もれます。
予約までの道を、1本にする
選択肢が多いほど親切に見えますが、実際は逆です。
電話でもいい、Webフォームでもいい、LINEでもいい、直接来てもいい。こうなっていると、どれを選ぶか決められずに離脱します。決めるという行為自体が、面倒だからです。
他の手段を消す必要はありません。目立たせるものを1つに絞るだけです。押してほしいものを大きくして、残りは小さくする。それだけで通る人の数が変わります。
メニューは、4つまで
リッチメニューは、6つでも8つでも並べられます。だから並べたくなります。
ただ、増やすほど押されなくなります。理由は前の項と同じで、選べなくなるからです。
「よくある質問」や「お知らせ」「スタッフ紹介」を入れたくなりますが、それらは1通目の文章に書けば足ります。メニューに置くのは、押してほしい行動だけにしたほうがいいです。
配信は、頻度よりタイミング
週に何回送るべきか、という質問をよく受けます。
正直なところ、回数はあまり重要ではないと思っています。考えるべきなのは、相手が動ける瞬間かどうかです。
今日や明日の枠が空いた、という連絡は強いです。行こうか迷っていた人が、その瞬間に決められるからです。逆に、月初のあいさつのような配信は、送っても動きようがありません。
全員に同じものを送るより、当てはまる人にだけ送るほうが反応します。これは配信数を減らすことにもなるので、コストの面でも都合がいいはずです。
もう少し具体的に言うと、業種によって「動ける瞬間」は違います。飲食なら、その日の夕方に空きが出たタイミング。整体や美容なら、前回の来店から一定期間が経った頃。工務店やリフォームなら、季節の変わり目に不具合が出やすい時期。
自分の店では、お客さんはどういうときに「そろそろ行くか」と思うのか。そこを1つ言葉にできれば、送るタイミングは自然に決まります。カレンダーを埋めることから考えると、たいてい続きません。
よくある失敗① 友だちがいないうちに、配信を作り込む
シナリオを何通も用意して、分岐まで設計する。ここに何週間もかけたのに、届く相手が20人だった。この話は本当によく聞きます。
順番としては、1通目を作る、集める、反応を見てから増やす。これで足ります。
凝った配信は、友だちが100人を超えてからで間に合います。というより、100人分の反応を見てからのほうが、はるかに精度の高いものが作れます。
よくある失敗② 最後の最後で、電話に戻す
メニューを整えて、1通目も用意して、ここまで来たのに最後にこう書いてあることがあります。「ご予約はお電話でお願いいたします」。
LINEを使っている人の多くは、電話をしたくないからLINEにいます。
営業時間内に電話をかけるのが面倒、話しながら日程を決めるのが苦手、そもそも通話が好きではない。理由はいろいろですが、結果は同じです。ここで止まります。
電話をなくす必要はありません。電話のほうが早い人もいます。ただ、LINEの中で完結する道も残しておく。それだけで、取りこぼしが減ります。
自分でできる範囲と、頼んだほうがいい範囲
ここまで書いたことのうち、かなりの部分は自分でできます。1通目のあいさつを設定する。メニューを4つに絞る。店頭のPOPに追加する理由を書く。空き情報をその都度送る。このあたりは、管理画面から触れます。
時間もそれほどかかりません。半日あればひととおり終わります。
一方で、外部の仕組みとつなぐ必要が出てくると、話が変わります。予約をLINEの中で完結させる、条件に合う人にだけ配信を出し分ける、予約内容を自動で記録してスタッフ間で共有する。このあたりは、つなぎ方を設計する作業になります。
頼むかどうかの判断基準は、シンプルに考えていいと思います。管理画面の中だけで終わる作業なら自分で。外の何かとつなぐ話が出てきたら相談。この線引きで、だいたい合います。
そして順番として、先に自分でできる範囲を全部やってしまうことをおすすめします。理由は2つあって、まず友だちが集まっていない段階で仕組みを作っても効果が測れないこと。もう1つは、自分で触っておくと「何が面倒か」が体で分かるので、頼むときに話が早くなることです。
費用と期間の目安
目安として書きましたが、既存の予約システムがある場合は、そのつなぎ方によって変わります。すでに使っているものがあるなら、それを活かせるかどうかを先に確認したほうがいいです。
作り直すより、つなぐほうが安く済むことが多いです。
はじめる前のチェックリスト
・店頭・名刺・Webに「追加する理由」が書いてある
・追加した直後に、自動で1通届く
・その1通に、次にやることが書いてある
・メニューが4つ以内に絞られている
・予約までの道が、1本になっている
・最後に電話へ戻していない
ここが埋まっていれば、配信の内容は後からいくらでも直せます。逆に、埋まっていない状態で配信を磨いても、効果は出にくいです。
まとめ
公式LINEは、作った時点では何も始まっていません。追加する理由を示して、追加された直後に行き先を示して、道を1本に絞る。この3つが揃ってはじめて、予約という結果につながります。
もし今、配信の内容で悩んでいるのだとしたら、いったんそこから離れて、友だちの数と予約の数を数えるところからやってみてください。原因の場所が、それだけで分かります。
「どこで止まっているか分からない」という段階でのご相談も承っています。現状をうかがったうえで、自分で直せる部分と、仕組みを作ったほうがいい部分に分けてお伝えします。手を入れる順番も含めてお答えします。