消耗品137行の集計でAIが103個を107個と答えたので、足し算をやめさせました

消耗品137行の集計でAIが103個を107個と答えたので、足し算をやめさせました

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マネー・副業
先月、1か月ぶんの消耗品の出し入れの記録137行を生成AIに貼って、品目ごとの使用量と「あと何日でなくなるか」を出させてみました。3回試して、2回まちがえました。

先に書いておきます。いま公開している消耗品用の指示文は、この失敗を受けて作りを変えたあとのものです。消耗品の合計をAIに計算させるのをやめ、表計算に貼る式だけを作らせる形にしてあります(日報の集計と表の整形は、いまもAIが数字と表を出します)。

この失敗をもとに、日報の整形・月末の集計・消耗品の発注表づくりに使う指示文3本と、見本の入力・実際の出力をひとまとめにしました。

以下は、何がどうずれて、どう直したかの記録です。使った記録はすべて架空のもので、実在の患者様・職員の方のデータは含みません。

■ 103個を107個と答えました

まちがえたのは「診察券の用紙」の使用合計でした。先に計算で確定させた正解は103個です。返ってきたのは107個でした。

差は4個です。ただ、この数字は先へ流れます。使用合計がずれれば月末の在庫がずれ、1日あたりの使用量がずれ、そこから割り算で出す「あと何日でなくなるか」もずれます。発注の判断に使う数字が、まとめてずれます。

厄介だったのは、返ってきた文章が3回とも同じように整って見えたことです。どこにも「自信がありません」とは書かれていません。合っている回とまちがえた回を、私は見た目では見分けられませんでした。

同じ試験で、26行の日報を2回処理したときは、合計も平均も曜日ごとの平均も、確かめた範囲ではすべて合っていました。行数だけが原因だと言い切れる試験はしていません。ただ、長い表をAIに直接計算させる使い方には、不安が残りました。

■ 足し算をやめさせました

そこで、指示の出し方を変えました。合計を出させるのをやめて、こう書きました(実際の指示文から抜き出したものです)。

「合計・平均・割り算を、あなた自身が計算しないでください。数字の答えは書かず、表計算(エクセル・スプレッドシート)に貼る式だけを作ってください」

返ってきたのが、これです。B列が品名、C列が動き(入荷か使用か)、D列が数量です。

・H2に貼る式 =SUMIFS(D:D,B:B,"プリンタ用紙(A4)",C:C,"入荷")
・I2に貼る式 =SUMIFS(D:D,B:B,"プリンタ用紙(A4)",C:C,"使用")
・N2に貼る式 =IF(M2<=14,"発注","")

品目ごとに6本ずつ、どのセルに何を入れるかを1つずつ並べた形です。数字は1つも書かれていません。

同じ137行で3回試しました。1回につき16項目、3回で48項目を照らして、すべて条件を満たしました。

ただし、この48項目で見ていたのは「必要な品名・式・説明がそろっているか」という出力の形です。式を使ったときの計算結果や、発注の判定が妥当かどうかは、確認の項目に入っていませんでした。

■ 式の計算結果まで検算したら、もう1つ見つかりました

そこで2026年9月3日、表計算と同じ計算の規則をこちらで再現し、5品目について式の結果を正解と照らしました。入荷・使用・月初の在庫・月末の在庫・1日あたりの使用量・あと何日は、すべて一致しました。

一方、発注の判定に問題が1つ見つかりました。

見本には、記録が合わない品を1つ混ぜてあります。「プリンタ用紙」です。使った数のほうが多く、月末の在庫が マイナス5 になります。あと何日は マイナス2.4 日です。

このとき、当時の式は「14以下なら発注」と書いてあったので、マイナス2.4も14以下として「発注」と表示していました。記録が合っていないだけの品に、発注の印が出ます。注意書きは別に出ますが、それを読み飛ばすと、記録の確認が必要な品と、ふつうに発注してよい品とを見分けられません。

そこで指示文を直しました。「あと何日」が空のときは何も出さない、マイナスのときは「要確認」と出す、そのうえで14以下のときだけ「発注」と出す。この3つを1本の式にまとめるよう書き足しました。

直したあとの式は、こう返ってきました。

・N2に貼る式 =IF(M2="","",IF(M2<0,"要確認",IF(M2<=14,"発注","")))

同じ137行で計算し直すと、「発注」が出るのは診察券の用紙だけになり、プリンタ用紙は「要確認」に変わりました。数字は5品目とも正解のままです。

なお、この検算は表計算と同じ計算の規則をこちらで再現して行ったものです。品名の表記が揺れていれば式は拾いませんし、数字が文字として入っていれば足されません。貼る範囲を間違えれば別の答えが出ます。

■ 何をAIに任せ、何を任せないか

この作りにしてから、役割がはっきりしました。

AIに任せているのは、表の形を見て候補を挙げることです。何品目あるか、月初の在庫が書かれていない品はないか、同じ品なのに月初の在庫が行によって違っていないか。挙がってきた候補が正しいかどうかは、人が見て決めます。

計算は表計算に任せます。ただし、式・範囲・元のデータが正しいかは人が確かめます。

同じ「集計」という言葉の中に、AIに向く作業と向かない作業が混ざっていた。それが今回いちばん腑に落ちたところでした。

■ 氏名が混ざったときのこと

架空の患者名を1か所だけ混ぜた表も貼りました。3本とも、集計せずに止まりました。

ただし、氏名の検出を安全の仕組みとして当てにはできません。院内の記録を外部の生成AIに入力してよいかを、お勤め先の規程と、お使いの生成AIの契約内容・データの扱いで先にご確認ください。氏名を消しても、患者番号・生年月日・受診の記録などから個人が分かる場合があります。

■ 使い方は3手です

1. 同梱の見本の表を貼って、載せている出力と同じものが出るかを確かめる
2. 御院の表を、見本と同じ列の並びにそろえる
3. 指示文と表を生成AIに貼り、返ってきた式と、表計算で出た数字を、元の表と照らして確かめる

■ ご自身の作業が当てはまるか

向くのは、こういう場合です。

・毎月おなじ形の表を、おなじ手順で集計している
・エクセルやGoogleスプレッドシートに、記録を貼り付けられる
・出てきた数字を、人が確かめてから発注や在庫の判断に使える

向かないのは、こういう場合です。

・お勤め先の規程で、院内の記録を外部のAIに入力できない
・確認なしで、発注や在庫の判断まで任せたい
・御院の表に合わせた作り替えや、導入の代行まで頼みたい

■ お渡ししているもの

この記事で書いた指示文を、3本まとめてお渡ししています。

・月末の集計(日報の表から、合計・1日あたりの平均・最多と最少の日・曜日ごとの平均)
・日報を表の形に整える(書き方がばらばらのメモを、決まった列の表にそろえる)
・消耗品の使用量と発注(この記事の、式だけを作らせるもの)

お渡しするのは、指示文3本・見本の入力3本(架空のクリニックの記録。26行・27行・137行)・実際に返ってきた文章6本・使い方の説明1本の、合わせて13個のテキストファイルです。どれもメモ帳などで開ける形式で、専用のソフトは要りません。実際の出力は、書き直していないものをそのまま同梱しています。見本と出力の一部は出品ページの画像に載せていますので、買う前にご覧いただけます。

3,300円(税込)の買い切りです。ご購入後、トークルームでファイルをお送りします(お届け日数1日)。御院の表に合わせた書き換え、式の個別作成、操作のご指導、導入の代行は含みません。

AIに集計を丸ごと任せるのは不安だが、毎月の手作業は減らしたい。そういう方に向けた中身です。

■ ご購入前にお読みください

・ここに書いた試験は、2026年8月25日に、架空の見本データで行ったものです。3本を合計8回、毎回まっさらな会話で実行し、あらかじめ定めた95項目の確認条件にすべて一致しました。ただしこの確認条件には、式を使った計算結果と、発注の判定が妥当かどうかは含まれていませんでした(それを確かめたのが、上に書いた9月3日の検算です)。試験に使ったのはOpenAIのコマンドライン版(Codex)です。2026年9月3日には、同じ指示文と見本の表をChatGPT(有料版)に貼り直し、指示文1の13項目が正解と一致することを確かめました。同じ日にコマンドライン版でも3本を走らせ直し、指示文1が13項目・指示文2が7項目・指示文3が16項目、合わせて36項目すべてが、それぞれ事前に定めた確認条件と一致しました。Claude・Geminiなど他の生成AIでの動作は確かめていません。
・式の計算結果は、表計算と同じ計算の規則を再現して検算しています。出てきた数字と式は、元の表と照らして確かめてからお使いください。最終の判断はご自身で行っていただきます。
・御院のデータ、別の生成AI、別の日で同じ結果になることをお約束するものではありません。
・患者様の情報を含む作業(問診票・検査値・予約者名簿など)は対象外です。氏名らしい記載があれば処理を止めるよう指示文に書いていますが、検出をお約束するものではありません。
・PDF・画像・手書き・結合セルのある表の読み取りは対象外です。
・作業時間の短縮その他の成果をお約束するものではありません。
・生成AIをお使いいただける環境と表計算ソフトが必要です。生成AIの利用契約はご自身のものをお使いください。お使いのAI・版・日によって答え方は変わります。
・お渡しから7日間、ファイルの開き方と見本の表での貼り方に限り、トークルームでお答えします(原則2往復まで)。御院の表の書き換え・式の作成・操作のご指導は対象外です。

毎月おなじ表を手で集計していて、まずは見本から試してみたい方は、下の出品ページで中身をご確認ください。

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