1.紹介された求人、気が進まないけれど断りにくい
転職エージェントから求人を紹介されたものの、あまり気が進まない。かといって、せっかく時間をかけて探してくれたのに、断るのは申し訳ない。そんなふうに感じて、返事を先延ばしにしてしまう人は少なくありません。断ったら次の紹介がなくなるのではないか、担当者の機嫌を損ねるのではないか、という不安もあります。
2.「断ったら印象が悪くなる」という思い込み
エージェントの仕事は、求人を紹介して応募してもらうことだけではありません。候補者に合った求人を見つけ、納得のいく転職につなげることが目的です。そのため、求人を断ること自体は、日常的に起きることです。むしろ、気が進まないまま応募を重ねると、選考の途中で辞退することになり、企業側にもエージェントにも負担がかかります。断ることが失礼なのではなく、曖昧なまま進めるほうが、結果的にお互いの時間を使ってしまうのです。
3.先に答えを言います
紹介された求人は、断って問題ありません。大切なのは、断るかどうかよりも、「なぜ合わないと感じたのか」を一緒に伝えることです。理由を添えて断れば、エージェントは次の紹介の精度を上げられます。断ることは、関係を悪くする行為ではなく、条件をすり合わせる作業の一部です。
4.紹介された求人を断るときの考え方と伝え方
まず、断りたい理由を整理します。仕事内容が違う、勤務地が合わない、年収が希望に届かない、社風がイメージと違う、といった具体的な点を挙げてみます。漠然と「何となく合わない」と感じているときも、どこに引っかかるのかを書き出すと、理由が見えてきます。
次に、その理由をエージェントに伝えます。「ご紹介ありがとうございます。検討しましたが、今回は見送らせてください。理由は、○○の点が希望と異なるためです」というように、感謝と理由をセットにして伝えると、角が立ちません。
そのうえで、今後の希望も添えます。「△△のような仕事内容であれば、ぜひ検討したいです」と伝えておくと、次の紹介が的確になります。断った理由が、そのまま条件の修正につながります。
迷っているときは、すぐに断らず、確認したい点をエージェントに質問するのも一つの方法です。情報が足りないだけで、詳しく聞けば印象が変わる求人もあります。ただし、検討の期限は伝えておくと、お互いに動きやすくなります。
また、連絡の速さも大切です。断る場合でも、返事を何日も放置するより、早めに伝えるほうが、エージェントは次の動きに移れます。
5.採用側の視点で見ると
元採用担当として言うと、エージェントが応募者を企業に推薦するときは、候補者の意向が固まっているかどうかを見ています。迷いが残ったまま応募してもらうと、書類は通っても、面接で志望度が伝わらず、途中で辞退になることがあります。
企業側にとっても、辞退が出ると、日程調整や面接準備が無駄になります。エージェントとの関係も、辞退が続くと、推薦の優先度が下がることがあります。ですから、応募前の段階で、きちんと断ってもらうほうが、全員にとって負担が少ないのです。
6.事例:断れずに応募を続けていた相談者
相談者は、エージェントから紹介された求人を断れず、気が進まないまま応募を続けていました。結果、選考の途中で辞退することが重なり、担当者との関係もぎくしゃくしていました。
コーチングの中で、断りたい理由を整理し、伝え方を練習していきました。「仕事内容は魅力的だが、勤務地が通勤に合わない」と、理由を具体的に伝えるようにしたところ、担当者も条件を調整しやすくなりました。
その後は、希望に近い求人が増え、応募の数は減りましたが、選考の通過率は上がりました。ご本人は、「断ることで、かえって関係が良くなった」と話していました。
7.補足:断ることで、紹介の質を高める方法
断るときは、理由を伝えるだけでなく、「何を優先したいか」を改めて共有することが効果的です。年収、勤務地、仕事内容、働き方の中で、どれを優先するかを順位づけして伝えておくと、エージェントは、条件に近い求人を探しやすくなります。
また、紹介された求人の中に、少しだけ気になる点がある場合は、「ここが良ければ検討できる」と条件付きで伝える方法もあります。たとえば、「勤務地が遠い点だけ気になります。リモートの可否を確認できますか」と聞いてみる、といった形です。
複数のエージェントを使っている場合は、それぞれに同じ方針を伝えておくと、紹介内容のばらつきが減ります。断った求人が、別のエージェントから再び紹介されることもあるので、断った理由を記録しておくと便利です。
もし、何度伝えても希望と違う求人が続くようなら、担当者との相性を見直すことも選択肢です。担当者の変更を依頼したり、別のエージェントを使ったりすることは、珍しいことではありません。自分の転職活動なので、納得できる進め方を選んで大丈夫です。
最後に、断ることに罪悪感を持つ必要はありません。エージェントは、断られることも含めて仕事をしています。誠実に理由を伝えていれば、信頼関係は十分に保てます。
8.まとめ
エージェントに紹介された求人は、断って問題ありません。感謝と理由をセットにして伝え、今後の希望も添えることで、次の紹介の質が上がります。迷いを抱えたまま応募を続けるより、早めに伝えるほうが、お互いにとって良い結果につながります。遠慮せず、自分に合う求人を選んでいきましょう。
応援しています。