転職で年収を下げずに済む人の考え方と準備 年収を守る「翻訳力」の話

転職で年収を下げずに済む人の考え方と準備 年収を守る「翻訳力」の話

記事
学び
1.「転職したら年収が下がるかもしれない」と思っている人へ

転職を考えているが、

「年収が下がったらどうしよう」

「今の会社でもらっている額を、
次の会社でも維持できるか分からない」

そう思うと、
転職に踏み切れない。

または、
すでに転職活動を
始めているが、

「エージェントに
年収の目安を聞いたら、
今より低い数字を
提示された」

という人も
いるかもしれません。

「年収が下がる転職は
失敗だ」という気持ちが
どこかにあって、

踏み出せずにいる人も
います。

この記事では、
転職で年収を
下げずに済む人が
何を考えて、
何を準備しているかを
お伝えします。


2.なぜ転職すると年収が下がりやすいのか


先に答えを言います。

年収が下がりやすいのは、
「今もらっている年収の根拠」を
自分で説明できていないからです。

今の年収には、
その会社の評価制度、
年功序列の積み上げ、
手当や福利厚生の換算、
業界水準、
さまざまな要素が
含まれています。

それを
「自分の市場価値」と
混同したまま
転職活動をすると、

次の会社の採用担当者には
「なぜその年収を要求するのか」が
伝わりません。

結果として、
「前職の年収は参考にできない」と
判断され、
次の会社の給与テーブルに
あてはめられます。

つまり、
年収が下がるのは
実力がないからでも、
市場価値が低いからでも
なく、

「自分の価値を
相手に伝わる言葉に
翻訳できていないから」が
多くの原因です。


3.年収を守る「翻訳力」とは何か


採用担当者が
年収を判断するときに
使っている基準は、

・この人は何ができるか
・その成果は再現できるか
・うちの組織でどう機能するか

この3点です。

「前職でこれだけもらっていました」
という事実は、
この3点の答えになりません。

翻訳力とは、
「自分の経験と成果を、
採用担当者の評価基準に
合わせて語り直す力」
のことです。

具体的には、

前職での経験
→「何ができるか」に変換

出した成果・数字
→「再現性があるか」に変換

動き方・役割
→「この組織でどう機能するか」に変換

この3段階の
置き換えができると、

採用担当者は
「この人にはこれだけ
払う理由がある」と
判断できるようになります。

たとえば、
「10年間、営業をやっていました」では
払う理由になりません。

「新規顧客を年平均○件獲得し、
担当エリアの売上を
3年で1.5倍にしました。
この進め方は次の職場でも
応用できます」という形になると、
採用担当者は
検討できる材料として
受け取れます。

つまり、
年収交渉の前に必要なのは、
「自分の価値の翻訳」です。


4.年収を守るための準備4ステップ


ステップ1:
現在の年収の「中身」を分解する

今の年収が
何で構成されているかを
確認します。

・基本給
・固定残業代・みなし残業
・各種手当(住宅・家族・職務など)
・賞与の月数と支給実績
・各種福利厚生(家賃補助など)

次の会社と比較するときは、
「年収の総額」ではなく
「同じ条件で比べると
どうなるか」が重要です。

手当や家賃補助が厚い会社から
そうでない会社に移ると、

額面の年収が
変わらなくても
実質的に下がることがあります。

ここを把握せずに
交渉すると、
判断を誤りやすくなります。

ステップ2:
自分の「市場価値の根拠」を言語化する

自分の経験の中で、
数字や成果として
語れるものを
書き出します。

売上・コスト削減・
生産性向上・
チームマネジメント人数など、
具体的な数字が
あるものを優先します。

数字が出しにくい職種でも、
「担当範囲」「関わった規模」
「改善した点」を
言語化することで
代替できます。

ステップ3:
同業・同職種の
市場年収を調べる

転職サイトの
年収診断ツールや、
求人票の給与レンジを
複数確認して、

「自分の職種・経験年数で
市場はどの程度か」の
目安をつかみます。

エージェントに
「同職種の案件で
年収はどの程度が多いか」と
聞くのも有効です。

市場の水準を
知らないまま交渉すると、

「高すぎる要求」か
「低すぎる妥協」の
どちらかになりやすいです。

ステップ4:
「希望年収」ではなく
「根拠のある年収」を提示する

交渉の場では、

「希望は○○万円です」
と言うだけでなく、

「前職では○○の実績があり、
御社の○○の役割で
同等またはそれ以上の
成果を出せると考えています。
その観点から
○○万円を希望しています」

という形で
根拠とセットにします。

根拠が伴うと、
採用担当者は
「検討する理由がある数字」として
受け取りやすくなります。


5.採用担当者から見た「年収交渉」の本音


ここで、
採用する側の
視点をお伝えします。

転職者が思っていること:
「年収交渉は、高く言えば言うほど
印象が悪くなるのでは」

採用担当者が
実際に見ていること:

根拠のある年収交渉は、
むしろ
「自分の価値を理解している人」として
好印象になることが多いです。

問題になりやすいのは、

根拠なく高い額を
提示する場合と、

内定後に条件を
大きく変えてくる場合です。

選考の早い段階で
「希望年収はどの程度か」と
聞かれた場合は、

正直に
「○○○〜○○○万円を
希望しています」と
答えて構いません。

その時点で
レンジを伝えておくことで、
後の交渉が
スムーズになります。

*元採用担当として言うと、
年収交渉そのものを
「失礼なこと」と
感じたことは一度もありません。

むしろ、
自分の価値と
希望をはっきり
言える人の方が、

入社後も
自分の意見を
適切に伝えられる人だと
受け取っていました。

つまり、
根拠のある年収交渉は
印象を下げません。

準備した人ほど、
適切な数字を
出せるようになります。


6.年収を守れた人・下げてしまった人の話


二人のクライアントの
話を比べます。

AJさん(34歳・女性・
法人営業)は、

転職活動の前に
自分の成果を
棚卸しし、

「担当顧客数○社、
前年比○%の売上達成、
新規開拓○件」という
数字を整理していました。

面接では
この数字をもとに
自分の役割と成果を
説明し、

オファー面談では
「前職の実績と
同等の成果を出せると
考えているため、
○○○万円を希望します」と
根拠とともに提示。

結果として
前職比5%増の
年収で転職できました。

一方、
AKさん(37歳・男性・
ITエンジニア)は、

「エージェントに言われた通り」に
年収の希望を
提示していました。

エージェントから
「この会社のレンジだと
○○○万円程度になります」と
言われ、

前職より
80万円低い数字を
そのまま受け入れました。

後から調べると、
同職種・同経験年数での
市場水準は
前職年収と
ほぼ同等だったことが
分かりました。

交渉のタイミングは
内定後が最も
動かしやすいですが、
AKさんの場合は
その機会を
使わないまま
終わりました。

二人の違いは、
「市場の水準を
自分で把握していたか」と
「根拠を持って交渉したか」です。


7.エージェントの提示額をそのまま信じないために


エージェントは
転職活動のサポートを
してくれますが、

「この会社のレンジはここまで」
という提示は、

エージェント側の
過去実績や
企業との関係に
基づくことがあります。

あなたの個別の実績や
交渉次第で、
その数字より
上げられる余地が
ある場合も
あります。

エージェントの
提示額はあくまで
「参考の一つ」として
受け取り、

自分でも
市場水準を調べた上で
判断するようにしてください。


8.まとめ:年収を守るのは交渉術より翻訳力


今日お伝えしたことを
まとめます。

年収が下がりやすい原因は
実力ではなく
「翻訳できていないから」

翻訳力とは
経験・成果・役割を
採用担当者の評価基準で
語り直す力

4ステップ:
年収の中身を分解する→
成果を言語化する→
市場水準を調べる→
根拠とともに提示する

根拠のある年収交渉は
印象を下げない

エージェントの提示額は
参考の一つに過ぎない

年収交渉は、
「もらえるものをもらう」という
話ではありません。

「自分の価値を
正しく伝えた結果として、
適切な報酬を得る」という
話です。

準備した分だけ、
根拠のある数字を
出せるようになります。

応援しています。


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