Web制作というと、
デザインができる
HTML/CSSが書ける
WordPressを扱える
JavaScriptが書ける
といった技術力が重要だと思われがちです。
もちろん、技術力は必要です。
ただ、実際にWeb制作の仕事をしていると、技術力と同じくらい、あるいはそれ以上にコミュニケーション能力が重要だと感じます。
なぜなら、Web制作は「Webサイトを作る仕事」であると同時に、相手の考えていることを理解し、それを形にする仕事だからです。
今回は、Web制作でコミュニケーション能力が重要な理由について書いてみます。
Web制作は「言われたものを作る仕事」ではない
Web制作を始めたばかりの頃は、
「お客様からデザインや要望を聞いて、その通りに作ればいい」
と思うかもしれません。
ですが、実際にはそう簡単ではありません。
たとえば、
「もっとかっこいいサイトにしたい」
「親しみやすい感じにしたい」
「高級感を出したい」
といった要望をもらうことがあります。
しかし、「かっこいい」「親しみやすい」「高級感」という言葉のイメージは、人によって違います。
制作側が考える「かっこいい」と、お客様が考える「かっこいい」が同じとは限りません。
そのため、
「具体的にはどんなサイトをイメージしていますか?」
「このサイトのどの部分が好きですか?」
「誰に一番見てもらいたいサイトですか?」
といった質問をしながら、相手のイメージを具体化していく必要があります。
この作業は、コードを書く能力とは別のスキルです。
お客様自身も、作りたいものを完全には言語化できていない
Web制作で意外と重要なのが、お客様自身も完成形を明確にイメージできていないことが多いという点です。
「ホームページを新しくしたい」
という相談を受けても、実際に話を聞いてみると、
問い合わせを増やしたい
採用につなげたい
古い会社という印象を変えたい
スマートフォンで見やすくしたい
自社の強みを伝えたい
など、本当の目的が別にあることがあります。
つまり、
「どんなサイトを作りますか?」
よりも、
「そのサイトを作って、最終的にどうなりたいですか?」
を聞くことの方が重要だったりします。
ここを理解せずに制作を始めてしまうと、デザインとしては綺麗でも、目的を達成できないサイトになる可能性があります。
ヒアリングの質で制作物の質が変わる
Web制作では、最初のヒアリングがかなり重要です。
たとえば企業サイトを作るのであれば、
どんな会社なのか
どんなサービスを提供しているのか
どんなお客様が多いのか
他社との違いは何か
お客様からよく言われることは何か
Webサイトから何につなげたいのか
といった情報を聞いていきます。
この情報が十分に集まっていれば、デザインや文章も作りやすくなります。
逆に、ヒアリングが不十分な状態で制作を始めると、
「なんとなくそれっぽいホームページ」
になりやすいです。
Web制作では、FigmaやWordPressの使い方だけではなく、
相手から必要な情報を引き出す力
も重要になります。
専門用語を使わずに説明する力も必要
Web制作者にとって当たり前の言葉でも、お客様には伝わらないことがあります。
たとえば、
レスポンシブ
CMS
SSL
DNS
サーバー
ドメイン
キャッシュ
SEO
CTA
などです。
Web制作をしている人同士なら普通に使う言葉ですが、Webに詳しくない方には意味が分からないこともあります。
そこで重要なのが、
専門的な内容を、相手が理解できる言葉に変換して説明する能力
です。
たとえば、
「レスポンシブ対応します」
ではなく、
「スマートフォンやタブレットでも見やすいように調整します」
と説明した方が伝わりやすいことがあります。
知識があることと、説明できることは別の能力です。
修正対応でもコミュニケーション能力が必要
Web制作では、修正はほぼ必ず発生します。
そのとき、
「このデザインは変です」
と言われることもあれば、
「なんとなくイメージと違います」
と言われることもあります。
ここで重要なのは、言葉をそのまま受け取らないことです。
たとえば、
「もっと目立たせたい」
と言われた場合でも、
文字を大きくしたいのか
色を変えたいのか
余白を増やしたいのか
配置を変えたいのか
によって対応は変わります。
「どの部分が気になりますか?」
「目立たせたい理由は何ですか?」
と確認することで、本当に必要な修正が分かってきます。
コミュニケーションが不足していると、
修正
↓
イメージと違う
↓
再修正
↓
また違う
という状態になり、制作側もお客様側も疲れてしまいます。
連絡の速さと分かりやすさも信用につながる
Web制作では、制作物だけでなく、仕事の進め方そのものが評価されます。
たとえば、
「確認します」
とだけ送るより、
「確認しました。〇〇を修正して、明日までに共有します。」
と伝えた方が、相手は安心できます。
また、問題が発生したときも同じです。
何も連絡せずに対応するより、
「現在〇〇の問題が発生しています。原因を確認しています。」
と伝えるだけでも印象は大きく変わります。
お客様が不安になるのは、
「問題が発生したこと」
以上に、
今どうなっているのか分からないこと
だったりします。
技術力だけでは仕事は続かない
Web制作では、技術力が高い人が必ず仕事を取れるとは限りません。
逆に、技術力がまだ突出していなくても、
返信が早い
話を丁寧に聞く
説明が分かりやすい
約束を守る
進捗を共有する
といったことができる人は、仕事を任せてもらいやすくなります。
特にフリーランスや個人でWeb制作をしている場合、
「この人にお願いしたい」
と思ってもらえるかどうかは非常に重要です。
同じようなサイトを作れる人が何人もいる中で、最後の決め手になるのは、技術力だけとは限りません。
コミュニケーション能力=話が上手いことではない
ここは少し誤解されやすいところです。
コミュニケーション能力というと、
「話が上手い人」
「営業が得意な人」
というイメージを持つかもしれません。
ですが、Web制作で必要なのはそれだけではありません。
むしろ、
相手の話を聞く
分からないことを確認する
認識を合わせる
必要な情報を整理する
分かりやすく説明する
といった能力の方が重要です。
無理に話し上手になる必要はありません。
相手と認識をズラさないためのコミュニケーション
ができることが大切です。
まとめ
Web制作では、デザインやコーディングなどの技術力はもちろん重要です。
ただ、それだけで仕事が成立するわけではありません。
お客様の考えを聞き、
目的を整理し、
分からない部分を確認し、
専門的な内容を分かりやすく説明し、
認識を合わせながら制作を進める。
こうしたコミュニケーションがあって、初めて良いWebサイトを作ることができます。
Web制作を学んでいると、どうしても新しい技術やツールに目が向きがちです。
ですが、
「相手の考えていることを正しく理解し、形にする力」
も、Web制作者にとって重要なスキルの一つです。
コードを書く力だけではなく、人と仕事を進める力も含めて、Web制作のスキルなのだと思います。