日銀が利上げ、それでも円は売られた【9月21日相場解説】

日銀が利上げ、それでも円は売られた【9月21日相場解説】

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9月21日、今週の相場がスタートしました。

先週末の米国株はまちまちの展開となり、NYダウは下落。一方でS&P500とNASDAQは上昇して取引を終えています。9月18日はダウが約0.2%下落、S&P500が約0.2%上昇、NASDAQが約0.4%上昇しました。

そして今回、為替市場で最も注目されたのが**日銀の金融政策決定会合**です。

日銀は9月18日、政策金利を1.00%から1.25%へ0.25ポイント引き上げました。

しかし、通常であれば円高材料になりやすい「利上げ」にもかかわらず、ドル円は逆方向へ動きました。

一時は1ドル158.05円までドル高・円安が進行しています。

ここに、現在の円相場を考えるうえで非常に重要なヒントがあります。

なぜ「利上げ」なのに円安になったのか


今回の日銀会合では、9人の政策委員のうち7人が利上げに賛成、2人が反対しました。

つまり、

**「日銀は利上げした。しかし、今後も順調に利上げを続けられるのかは分からない」**

という見方が市場に残ったということです。

市場は「今回利上げしたか」だけを見ているわけではありません。

むしろ重要なのは、

**次も利上げするのか。
その次も利上げできるのか。**

という将来の金利です。

今回の決定後、円が売られた背景には、今後の追加利上げペースについて市場が慎重に見ていることがあります。

これは非常に重要です。

FXでは、

**「ニュースの内容」よりも「ニュースを市場がどう解釈したか」**

を見る必要があります。

利上げ=円高。

この単純な公式だけでは、現在の相場は読み切れません。

ドル円は一時158円台へ


日銀会合後、ドル円は一気に上昇し、一時158円台まで到達しました。

ところが、その後ニューヨーク時間に状況が一変します。

日本当局による「レートチェック」が行われたとの観測が広がり、ドル円は156円台後半まで急落しました。

レートチェックとは、為替介入を行う前段階として、市場参加者に実勢レートを確認する行為です。

実際に介入したわけではありません。

しかし市場からすれば、

**「当局が158円近辺の円安をかなり警戒している可能性がある」**

と受け止める材料になります。

そのため、ドル円を買っていた参加者が一斉にポジションを落とし、短時間で円高方向へ振れたと考えられます。

160円は再び重要なラインになる


今年7月には円安が急激に進行し、日本と米国による協調介入が実施されました。

財務省は、米国東部時間7月31日に米国財務省と協調して円買い介入を実施したことを正式に発表しています。

この経緯を考えると、今後ドル円が再び160円台へ向かう場合、市場では当然ながら介入への警戒感が強くなるでしょう。

重要なのは、

**「160円を超えたら必ず介入する」**

ということではありません。

為替介入では水準だけではなく、

・円安のスピード
・値動きの一方向性
・市場の流動性
・投機的な動き

なども重要になります。

したがって160円という数字そのものより、

**157円→158円→159円→160円と、どのようなスピードで到達するのか**

を見ておく必要があります。

今週最大のイベントは9月24日の米中首脳会談


今週は9月24日に、トランプ米大統領と習近平国家主席による米中首脳会談がワシントンで予定されています。

AI、関税、貿易、レアアースなどが主要議題になる見通しです。

米中関係は世界経済への影響が非常に大きいため、内容次第では、

ドル
株式
債券
原油

まで幅広く動く可能性があります。

特に今回の相場では、単純にドル円だけを見るよりも、複数市場を合わせて確認したほうが相場の方向をつかみやすいと考えています。

今週、個人的に最も注目しているのは「原油」


そして今週、私が特に注目しているのが原油価格です。

現在は中東情勢やロシア・ウクライナ情勢など、地政学的な材料が非常に多くなっています。

ただし地政学ニュースには、

「どこまで事実なのか」

判断しにくい情報も少なくありません。

そこで私は、ニュースそのものを追いかけすぎるより、

**実際に市場で取引されている原油価格を見る**

ことを重視しています。

9月21日時点でも原油市場は、中東の供給不安とサウジアラビアからの供給回復期待の両方に反応しており、非常に神経質な値動きとなっています。

ここは今週の大きなポイントです。

原油高はドル円にも影響する


日本はエネルギー輸入国です。

そのため原油価格が大きく上昇すると、輸入コスト増加を通じて円にとって重石になりやすくなります。

さらに原油高が米国のインフレ懸念を強めれば、米金利の高止まりや追加利上げ観測につながり、ドルを支える材料になる可能性もあります。

つまり、

**原油高
インフレ懸念
米金利上昇圧力
ドル高圧力**

という流れです。

同時に日本側では、

**原油高
輸入負担増加
円への下落圧力**

という動きが起こる可能性があります。

そのため今週は、ドル円チャートだけを見続けるより、

**原油+米金利+ドル**

をセットで確認したほうが相場の変化を早く察知できるかもしれません。

ドル円チャートは「短期上昇・中期はまだ重要局面」


ドル円の日足を見ると、短期的には上向きの動きが目立っています。

しかし中期的には、まだ完全に上昇トレンドへ転換したと判断する段階ではないと見ています。

私が注目しているのは、

・日足52日移動平均線
・200日移動平均線
・過去の高値を結んだレジスタンスライン

です。

このあたりを明確に上抜けて定着できるのか。

それとも再び上値を抑えられるのか。

ここが非常に重要になります。

158円まで上昇したという事実だけを見て、

「完全に上昇トレンドへ戻った」

と判断するのはまだ早いと考えています。

今週のドル円で見るポイント


今週は特に、

**158円付近の再トライ**

に注目します。

再び158円を超えて159円方向へ進めば、160円と為替介入への警戒が一気に意識されやすくなります。

反対に157~158円付近で何度も上値を抑えられるようであれば、短期的なドル高が一服する可能性があります。

さらに原油が下落してくれば、ドル高・円安を支えている材料の一部が弱くなる可能性があります。

つまり今週は、

**ドル円単体ではなく「ドル円×原油」の組み合わせ**

を特に重視しています。

今週の基本スタンス


現時点では、短期的にはドル円が上向いているものの、中期的なチャート構造まで完全に上昇へ変わったとは考えていません。

そのため私自身の基本スタンスとしては、これまでと同じく、

**高値を追いかけて買うより、上昇したところから戻り売りできるポイントを探す**

という考え方を継続します。

ただし今回は介入警戒もあるため、値動きが突然大きくなる可能性があります。

特に、

158円
159円
160円

へ近づくほど、通常とは違う値動きになる可能性を意識しておきたいところです。

今週は「ニュース」より「価格」を見る


今週は材料が非常に多い一週間です。

日銀の追加利上げ観測。

為替介入への警戒。

9月24日の米中首脳会談。

中東情勢。

ロシア・ウクライナ情勢。

そして原油価格。

すべてのニュースを正確に先読みすることは不可能です。

だからこそ重要なのは、

**ニュースを予想することではなく、ニュースを受けて市場価格がどう動いているのかを見ること。**

特に今週は、

**原油価格 → 米金利 → ドル → ドル円**

この流れを意識して相場を見ていきたいと思います。

ドル円が158円を再び突破するのか。

それとも介入警戒によって上値を抑えられるのか。

そして原油価格が再び上昇するのか。

今週はかなり面白い相場になりそうです。

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