美容師として仕事をしていると、
髪を整えたり、ウイッグをお作りしたりするだけではなく、
お客様から教えていただくことが本当にたくさんあります。
今日は、そんな一日でした。
私は一度、美容師の仕事から8年以上離れていた時期があります。
そして仕事に復帰した時、ずっと気になっていたお客様がいました。
「どうしているのかな?」
「お元気かな?」
「以前、私が作ったウイッグは今も使ってくださっているのかな?」
長い間お会いしていなくても、不思議と気になるお客様っています。
何かを購入していただきたいからではありません。
ただ、本当に、
「お元気でいるかな」
と気になっていました。
そこで復帰してから、3ヶ月に一度くらいのペースで連絡をしていました。
すぐに何かがあったわけではありません。
それでも、気にかけながら連絡を続けて、約1年。
お客様が体調を崩され、以前のように来店することが難しくなっていることを知りました。
車の運転もできなくなったとのこと。
それなら、
「私が会いに行きたい」
と思いました。
ウイッグを売ることより、まずお顔を見たかった
一度、お元気なお顔を見たい。
そんな気持ちで訪問させていただくことになりました。
すると、その中でお客様から、
「新しいウイッグを作りたい」
というお話をいただきました。
そして今日、そのウイッグをお届けしてきました。
今回、お客様から細かなご要望はほとんどありませんでした。
言ってくださったのは、
「あなたに任せるからね」
という言葉。
美容師として、とても嬉しい言葉でした。
同時に、とても責任のある言葉でもあります。
長い間お会いしていなかったのに、もう一度私に任せてくださった。
そのお気持ちが、本当にありがたかったです。
本当に必要なのは「商品」だけではないのかもしれない
今回、本当のところ、お客様が今すぐ新しいウイッグを必要としていたのかは、私には分かりません。
ただ、近々結婚式が一度あるそうで、
「その時につけていこうかしら」
とお話しされていました。
だからこそ私は、
「買っていただいたから良かった」
だけでは終わらせたくありませんでした。
今日一番嬉しかったのは、お客様のお元気なお顔を見ることができたことでした。
そして体調も以前とは違います。
納品の途中でも、
「大丈夫ですか?」
と何度か確認しながら、少しずつ進めました。
急がない。
無理をしていただかない。
目の前のお客様のペースに合わせる。
長く美容の仕事をしてきましたが、こういうことほど大切なのではないかと、改めて感じます。
髪の悩みには、その人の生活があります
私は長年、髪や頭皮、薄毛、ウイッグなど、さまざまなお悩みを持つ女性と接してきました。
でも、髪だけを見ていては分からないことがたくさんあります。
「人に会うのが少し億劫になった」
「以前のように美容室へ行けなくなった」
「ウイッグを使ってみたいけれど、何を選べばいいか分からない」
「誰にも相談できない」
同じ「髪の悩み」でも、その背景は一人ひとり違います。
だから私は、
何を売るかより先に、その方が何に困っているのかを知りたい。
そう思っています。
必要のないものまで勧める必要はありません。
今あるものを工夫して使えるなら、それでもいい。
少し話すことで不安が整理できるなら、それも一つです。
その方にとって、本当に必要なことを一緒に考える。
それが、私がこれまで大切にしてきたことです。
ご縁は、一人ではつくれない
そして今日、もう一つ感じたことがあります。
今回のご縁は、私一人ではもう一度つなぐことはできませんでした。
私を覚えていてくださったお客様。
訪問を受け入れてくださったご家族。
そして、訪問できるよう協力してくれた職場のスタッフ。
皆さんに助けていただいて、今日の納品がありました。
仕事をしていると、つい
「自分が頑張らなくちゃ」
と思ってしまいます。
でも、人とのご縁は一人ではつくれないんですよね。
相手がいて、周りの人がいて、初めてつながっていく。
今日、改めて教えていただきました。
30年以上仕事をしていても、まだ教えていただくことばかりです
美容師として長く仕事をしてきました。
それでも、まだまだお客様から教えていただくことがあります。
技術だけではありません。
人を大切にすること。
すぐに結果が出なくても、誠意を持って接すること。
相手のペースを大切にすること。
そして、ご縁に感謝すること。
今日もまた一つ、お客様から教えていただきました。
髪や頭皮、薄毛、ウイッグの悩みは、とてもデリケートです。
「こんなこと相談していいのかな」
と思ってしまう方もいるかもしれません。
でも、誰かに話すことで整理できることもあります。
私はこれまで美容師として多くの女性の髪に向き合ってきました。
だからこそ、
不安を煽るのではなく、その方に本当に必要なことを一緒に考えたい。
そう思っています。
もし一人で悩んでいることがありましたら、まずはお話を聞かせてください。
今日のお客様との再会を通して、改めてそんなことを思った一日でした。
そして、もう一度ご縁をつないでくださったお客様へ。
本当に、ありがとうございます。