こんにちは。デザイナーのFU(フー)です。このブログを読んでくださって、ありがとうございます。これからときどき、わたしのこと、デザインにまつわるお話など少しづつ綴っていきたいと思います。よろしく。
今回は、Studio Gill sans((スタジオ・ギルサン)の名前の由来についてお話しましょう。Gill sansとはフォントの名称で、1930年ごろにイギリスで生まれたサンセリフ(ゴシック)体のこと。エリック・ギルという有名なタイプフェイスデザイナーがつくりました。もう100年近く前のフォントなのにまったく古さを感じさせず、シンプルでクリーン。きりっとしていながら、どこかやさしさも同時に秘めたこの書体。私のフェイバリットフォントです。
Gill sansはイギリスで長く愛され、BBCの制定書体として用いられているほか、ペンギンブックス、フィリップス、ロールスロイス、ベントレー、マーガレットハウエルなどにも採用されています。とりわけ私はマーガレットハウエルのロゴの清潔感のある佇まいが好きです。素材を作る職人や工程を大切にし「私はファッションデザイナーではなく、“クロージングデザイナー”です。」と語るマーガレットさんをデザイナーとして敬愛していて、ブランドのアイコンである白いシャツはずっとわたしの憧れでした。
初めてその白いシャツを買いに行った時のこと。一見、シンプルで何の変哲もない白いシャツに袖を通した瞬間、フワッと体が軽くなり、どっしりとしたソファに身を沈めた時のようなリラックス感に満たされました。上質な生地の肌触り、きめ細やかで、ゆったりとしたミシン運びを感じさせる縫い目。裏側の人の目に触れにくい部分へのきっちりとした仕事ぶり。みているだけではわからない。でも着た人なら一瞬でわかる誠実さ。もう20年くらい着ているけれど、ちっとも飽きない。着れば着るほどしっくりと身になじみ、手にとるたびに清涼な気持ちにさせてくれる。まっ白なシャツ。
Gillsansとマーガレットのシャツ。シンプルで、クリーンで、どこかやさしい。さりげないけど、上質なもの。いい意味で変わらないもの。私がデザインや仕事について思うとき思い浮かべる、北極星(目印のようなもの)です。