Q.スタートアップのバックオフィスは何でも屋なのか?

記事
ビジネス・マーケティング
スタートアップのバックオフィスにいると、
こんな感覚になることがあると思います。
管理・総務・経理・法務を一通り見ている
会社の中枢に近い立場のはず
それなのに、
イベント調整
備品管理
細かい「誰かがやらないと詰む」業務
が次々に飛んでくる。
気づけば、
「これって何でも屋じゃないか?」
そんな感覚になる。

なぜ、何でも屋になりやすいのか

まず前提として、これはそこまで珍しい話ではないと感じています。
人が少ない
業務が固まっていない
役割分担がまだ曖昧
想定外の問題が次々に起きる
この環境では、
「誰かがやらないと会社が止まる」
という仕事が必ず発生します。
そして、その受け皿が結果的にバックオフィスになりやすい。
少なくとも私の経験では、
初期のバックオフィスが何でも屋になってしまうのは、かなり構造的な話に見えます。

何でも屋のままでいいのか?

ただ、ここで一度立ち止まる必要があります。
何でも屋で回している間は、少しずつ
判断が特定の人に集まる
同じ問題を何度も処理する
仕組み作りが後回しになる
経営判断を支える時間が取れない
という状態に近づいていく。
結果として、
本来バックオフィスが担うはずの 「会社の中枢業務」 に手が回らなくなっていきます。

本来やりたかったことは何か

私が考えるに、バックオフィスの本来の役割は、
業務を止めない仕組みを作ること
判断を減らす設計をすること
属人性を減らすこと
経営が迷わない状態を支えること
何でも屋であること自体が問題なのではなく、
何でも屋の状態から抜けられないことが問題なのだと思います。

どうやって抜け出すのか

多くの人が、ここでこう考えます。
同じ問題を何度も処理している
→ ルールを作ればいいのでは?
この発想自体は、とても自然です。
都度判断しない
その場対応を減らす
時間を作る
そのために、まずルールを作る。
ただ、ルールを作り始めると次の疑問が出てきます。
どうせなら規程として整備して、
会社の正式ルールにした方がいいのでは?
これも、ごく自然な流れだと思います。
「ルール」と「規程」の違い
ただ、実務で見ていると、
この2つは似ているようで役割がかなり違います。
ルール
現場を回すための仮の型
判断を減らすための道具
壊れる前提
何度も変えるもの
→ 目的は スピード と 再現性
規程
組織を統治するための確定ルール
権限と責任の線引き
説明責任が発生する
原則、簡単には変えない
→ 目的は 安定 と リスク遮断

初期フェーズで起きがちなこと

スタートアップ初期は、
業務がまだ固まっていない
前提が頻繁に変わる
例外が多発する
この状態で規程まで作ろうとすると、
すぐに形骸化する
管理コストだけ増える
結局、判断は個人に戻る
という流れになりやすいと感じています。
実務で機能しやすい順番
何でも屋から抜け出すために、

実務で回りやすい順番はかなりシンプルです。

まずは「仮のルール」で回す
軽く
最低限
何度も壊す前提で
同じ型が回り始める
判断が減る
例外が減る
初めて規程に昇格する
組織ルール
決裁線
最小限の研修
規程は、何でも屋脱却のスタート地点ではなく、
うまく回り始めた後の「結果」 に近いものだと思っています。

バックオフィスの立ち位置の変化

ここで、立ち位置の話に戻ります。
スタートアップのバックオフィスは、
会社のフェーズに合わせて役割が少しずつ変わっていくように見えます。
何でも屋(初期)
とにかく回す
問題対応が中心
仕組みを作る人(転換期)
同じ問題を繰り返さない
ルールで時間を作る
会社の中枢(次のフェーズ)
判断を減らす
経営を支える
COO / CFOに近い立ち位置
大事なのは、
成長したから何でも屋を卒業できるのではなく、
何でも屋をやめ始めたときに、会社のフェーズが一段上がる
という順番だと思っています。

まとめ

スタートアップのバックオフィスは何でも屋になりがち
それ自体は異常なことではない
問題は、何でも屋のままで良いのかどうか
本来は会社の中枢を支える存在
そのために、まずルールで時間を作る
規程はその後
何でも屋 → 仕組みを作る人 → COO / CFO的な立ち位置
この推移が、実務的には一番自然だと感じています。

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