559.「ワクチン」接種でも“インフル”感染 実は予防効果なし? 

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「ワクチン」接種でも“インフル”感染 実は予防効果なし? 理由&疑問を医師に聞く

インフルエンザがこの冬に大流行する可能性が指摘されており、すでにワクチンを接種した人は多いと思います。
インフルエンザについては、一度もかかったことがない人がいる一方、ワクチンを接種しても感染してしまう人もいます。


 そもそも、インフルエンザのワクチンには、どのような効果があるのでしょうか。
ワクチンを接種してもインフルエンザに感染してしまう場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
あんどう内科クリニック(岐阜市)の安藤大樹院長に聞きました。


感染を予防する確率は6割程度
Q.そもそも、インフルエンザのワクチンには、どのような効果があるのでしょうか。
接種してもインフルエンザに感染してしまう場合、どのような原因が考えられますか。

安藤さん「一般的に、ワクチンに期待される効果は、
『(1)感染・発病予防』
『(2)重症化予防』
『(3)流行抑制』の3つです。

そもそも、われわれ医療者がインフルエンザワクチンに最も求めている効果は(2)の重症化予防で、(1)の感染・発病予防に関しては、『半分程度の確率で感染や発病を防げれば御の字』といった認識です。


例え話でその理由を説明すると、ワクチンの役割は、普段、体の中をパトロールしている警備員(免疫)に対して、『こういう顔をした侵入者(ウイルス)が入ってくるかもしれないので、警備体制を強化するように』と、指名手配写真を配るようなものだからです。
侵入者であるウイルスを死滅させるような武器を配っているわけではありません」


Q.では、インフルエンザワクチンの発症予防効果はどの程度なのでしょうか。

安藤さん「インフルエンザワクチンの発症予防効果は、健康な成人で約60%といわれており、はしかや風疹のワクチンとは違い、高い発病予防効果が期待できないことは確かです。
これは、『免疫が確実に獲得できない』『シーズン後半まで免疫が維持されない』『実際に流行する株が同じ時期に変異する』など、さまざまな原因が考えられます。


特にインフルエンザウイルスの変異のしやすさが、ワクチンの有効率を下げていると考えられます。
インフルエンザウイルスはA型、B型、C型の3種類に分けられていますが、A型に関しては、さらに144種類の亜型に分類されます。
これはA型が毎年のように変異を起こしているからです。B型の亜型は2種類で、C型の亜型は1種類です。

つまり、B型は変異の幅が狭いため、過去に一度感染すると免疫を獲得しやすく、2回目の感染時は症状が比較的軽く済むことが多いです。


C型に関しては感染力、症状ともに弱く、臨床的に問題になることはほとんどありません。
そもそも一般的な検査キッドで測れるのはA型とB型だけであり、実際の医療現場でC型の診断を行うことは、ほぼありません」



Q.インフルエンザワクチンはどのように製造されるのでしょうか。

安藤さん「毎年、WHO(世界保健機関)がその期間に流行するインフルエンザ株を推測し、それを基に国内の専門家がワクチンの基となる4つのウイルス株(A型2種類、B型2種類)を決めます。
その後、製薬会社がその株に基づいてワクチンの製造を開始します。
多くの製薬会社はこの流れに沿ってワクチンを製造しており、製薬会社間でワクチンの効果に差が生じることはありません。


専門家はかなり精度の高い予測を基にウイルス株を選んでいるため、大きく外れることはありませんが、他の株が変異して流行するケースがよく見られます。
『もっといろいろな種類のA型の株を入れたらいいのに』と思うかもしれませんが、ワクチンに関する法律の一つである『生物学的製剤基準』では、ワクチンに入れてもいい病原体の量が制限されているため、現状ではこれが限界なのです」


インフルエンザにかかりやすい人の特徴は?
Q.インフルエンザに感染しやすい人の特徴について、教えてください。

安藤さん「毎年、予防接種を受けているのに頻繁にインフルエンザにかかってしまう人がいる一方で、一度も予防接種を受けたことがないのに、インフルエンザにかからない人もいると思います。
その理由は、医学的に完全に証明されたわけではありませんが、遺伝的な要素が大きく影響しているのではないかといわれています。

近年、病原体の感染に影響を与える可能性のある遺伝子が次々に見つかっており、その遺伝子に傷がつくことで、感染症を発症しやすくなることが分かってきました。
感染のしやすさがあらかじめ遺伝子で決まっているなら、対策しても無駄だと思うかもしれませんが、そんなことはありません。

遺伝子にはスイッチのようなものがあって、生活習慣など多くの環境因子がスイッチを入れたり切ったりすることで、遺伝子の作用を調整する『エピジェネティクス』という仕組みを持っています。
良い環境因子が働けば、感染しやすくなる遺伝子にブレーキをかけやすくなり感染しにくくなる一方、悪い環境因子が働けば、感染しやすくなる遺伝子のアクセルを踏んで感染しやすくなる、というわけです。

また、感染のしやすさの原因として、個人が持っている『免疫力』が重要な役割を果たしていることは間違いありません。
人には元来、ウイルスを始めとした病原体と闘うための免疫力が備わっています。
この免疫力が低下すると、病原体の感染力に負けてしまい、病気を発症してしまいます。

先述の例え話で説明します。ウイルスが『侵入者』でワクチンが『侵入者の顔写真』だとすると、遺伝子を持っているわれわれは『侵入される建物』で、免疫はそこを守る『警備員』に例えることができます。
建物自体を大きく変えることはできませんが、防犯設備を整えること(エピジェネティクス)は可能で、警備体制を強化すること(免疫力を上げること)もできます。

当然、防犯設備の備えや警備体制の強化を怠れば、侵入者であるウイルスが侵入するようになり、感染しやすくなります。
その原因の多くは『生活習慣の乱れ』によるものです。『生活リズムが不規則』『睡眠不足』などに心当たりがある人は、インフルエンザをはじめとした感染症にかかりやすいと言えます。

このほか、高齢者や乳幼児、妊婦のほか、
『呼吸器や心臓に疾患がある人』
『糖尿病の人』
『慢性腎臓病の人』
『抗がん剤や免疫抑制剤、ステロイドなどの医薬品を使用している人』などは、抵抗力が低下する傾向にあるため、インフルエンザをはじめとした感染症にかかりやすく、重症化のリスクも高くなるため、注意が必要です」



 インフルエンザの感染をできるだけ防ぐためにも、まずは生活習慣を見直すことから始めてみましょう。


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