【共同親権編・第5回】共同親権には課題もある ~「子どものため」を一番に考えてみる~

【共同親権編・第5回】共同親権には課題もある ~「子どものため」を一番に考えてみる~

記事
コラム
こんばんは!
社会派FPのコウダイです。

今回は、共同親権編の第5回です。

これまで、

「共同親権って何?」

「何が変わったの?」

「養育費はどうなるの?」

「先取特権って何?」

というお話をしてきました。

今回は、少しだけ踏み込んで考えてみたいと思います。

テーマは、

「共同親権には課題もある」

です。

ここまで読んで、

「共同親権って、いい制度じゃない?」

と思った方もいるかもしれません。

もちろん、離婚した後も父母が協力して子どもを育てられるのであれば、それは子どもにとってプラスになる場合があります。

しかしですね。

世の中、そんなに簡単ではないんですよね。
今日は共同親権の課題を考えてみようと思います。

夫婦だった2人が離婚するということは、

「はい、今日から仲良く協力して子育てしましょう!」

……と、教科書どおりにはいかないですよね(笑)。

■ 「共同」でできる夫婦ならいいけれど……

共同親権では、父母が一緒に親権を行使することが基本になります。

例えば、進学や転居、重大な医療など、子どもの生活に大きく関わることについては、父母が共同して決めることが基本です。

これを聞くと、

「じゃあ、離婚した後も2人で話し合えばいいんだね」

となります。

しかしですね…

ここで問題になるのが、

「そもそも、この2人は話し合えるの?」

ということです。

離婚した理由は家庭によってさまざま。

性格が合わなかった。

お金の問題。

子育てに対する考え方の違い。

長年のケンカ。

そして、DVや虐待など、もっと深刻なケースもあります。

「話し合って決めましょう」

と言われても、

「いや、それができないから離婚したんですけど……」

というケースも当然ありますよね。

■ 一番心配なのは「子どもが板挟み」になること

ここは、今回一番伝えたいところです。

例えば、

お父さん
「こっちの学校がいい!」

お母さん
「いや、こっちの学校でしょ!」

お父さん
「俺は認めない!」

お母さん
「私も認めません!」

……。

そして、その真ん中にいるのが、

子ども。

これは、かなりつらいですよね。

本来なら、

「どっちの学校に行きたい?」

と子どものことを考えて話し合うはずなのに、

いつの間にか、

「お父さん vs お母さん」

の試合になってしまう。

そして子どもは、

「どっちの味方をすればいいの?」

となってしまいます。

共同親権で一番大切なのは、

「父親と母親が平等に親権を持つこと」

だけではありません。

「子どもにとって何が一番いいのか」

です。

■ そして、もっと慎重に考えなければいけないケースも

共同親権について考えるとき、避けて通れないのが、

DVや虐待の問題です。

もし父母の間にDVがあったり、子どもへの虐待のおそれがあったりする場合、

「離婚した後も2人で協力して子育てしましょう」

なんて無理がありますよね。

そのため法律では、DVや児童虐待などの事情によって共同親権が子どもの利益を害する場合には、共同親権にすることはできないとされています。

また、家庭裁判所が判断する際には、DVや虐待の「おそれ」なども考慮されます。診断書など特定の証拠だけで判断するのではなく、さまざまな事情を総合的に考えることになっています。

■ 「共同親権=何でも一緒」ではありません

ここも大事です。

共同親権だからといって、

「何をするにも父親と母親のハンコが必要!」

というわけではありません。

例えば、食事や服装、習い事などの日常的なことは、一方の親が単独で決められます。

一方で、転居や進学、重大な医療など、重要な事項については共同で決めることが基本です。

そして、子どもの利益のために急いで決めなければならない場合には、一方の親が単独で親権を行使できる「急迫の事情」という仕組みもあります。

例えば、DVから避難するための転居や、緊急の医療などがその例です。

つまり、

「共同親権だから、何でも2人で相談しないと何もできない」

ということではありません。

■ では、共同親権は「良い制度」なの?「悪い制度」なの?

ここは判断が難しいです。

個人的には

「良い・悪いを一言では決められない」

と思います。

なぜなら、家庭によって事情が全然違うからです。

例えば、

離婚後も父母が協力できて、

「子どもの学校はここにしよう」

「習い事はこれがいいね」

「今月の教育費はこうしよう」

と話し合える家庭なら、共同親権が子どもの利益につながることもあるでしょう。

一方で、

「顔を合わせるだけでケンカになる」

「話し合いが成立しない」

「DVや虐待のおそれがある」

という家庭では、共同親権がかえって子どもの負担になる可能性があります。

だからこそ法律も、

「共同親権か、単独親権か」ではなく、「子どもの利益」を基準に判断する

という考え方をとっています。 (courts.go.jp

■ そして、忘れてはいけないのが「子どもの気持ち」

大人は、

「共同親権がいい!」

「単独親権がいい!」

と議論できます。

でも、その真ん中にいる子どもは、

「お父さんもお母さんも好きなんだけど……」

ということだってあります。

だから、今回の改正では、家庭裁判所が親権について判断するときに、子どもの年齢や発達の程度などに応じて、その意見や気持ちも考慮されることになっています。

子どもにとっては、

「どっちの親が勝った?」

ではなく、

「自分が安心して暮らせるのはどんな環境?」

が一番大事なんですよね。

■ FPとして思うこと

ここまで法律の話をしてきましたが、

FPとしては、もう一つ気になることがあります。

それが、

「お金の問題」です。

離婚後の生活では、

住む場所。

食費。

学校のお金。

習い事。

進学費用。

そして養育費。

さまざまなお金が必要になります。

どれだけ父母が子どものことを大切に思っていても、

お金の問題が原因で話し合いがこじれる

こともあります。

だからこそ、離婚後の生活を考えるときには、

「親権をどうするか」

だけではなく、

「子どもの生活をどう支えていくのか」

まで考える必要があるのだと思います。

■ 今回のまとめ

今回は、少し踏み込んで、

「共同親権には課題もある」

というお話をしました。

共同親権は、父母が離婚した後も子どもの養育に関わる選択肢を広げる制度です。

一方で、

父母がうまく話し合えるのか
子どもが板挟みにならないか
DVや虐待から子どもを守れるのか
子どもの気持ちをどう考えるのか
養育費などのお金をどうするのか

など、考えなければならないこともあります。

だから私は、

「共同親権だから良い」

でも、

「共同親権だから悪い」

でもなく、

「その子にとって何が一番幸せなのか?」

という視点が一番大切なのではないかと思います。

法律が変わったからといって、

「はい、今日から仲良く共同経営!」

……というわけにはいきません(笑)。

でも、大人同士の事情よりも、

子どもが安心して笑って暮らせること。

そこを一番に考える制度であってほしいですね。

今回は、共同親権編の第5回でした。

次回も、少し難しい法律をできるだけ分かりやすく、そして私たちの生活に置き換えて考えてみたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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