職業は、無職。

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この度、一身上の都合により、退職させていただきたいと思います。

名も無い絵画が飾られている無機質な会議室で、ゆっくりと上司にそう切り出した。その時の上司の顔(目が点)が未だに忘れられない。それ以来、幾度となくありがたい引き留めもいただいたけど、決意は固く1ミリも揺るぐことはなかった。

と言いたいところだけど、本当は安定収入が途絶えることへのとてつもない恐怖と、真の自分で生きる日々にわくわくする気持ちが交錯して、ある意味まじ卍。

最後は、怖いけど、わくわくするこっち!
という直感を信じ、思い切って行動したのだ。

上司は、最後に「わかった。がんばれよ!」と気持ち良く送り出してくれた。あなたが最後の上司で本当に良かった。頭が下がる思いと、ココロから感謝の気持ちが湧いていた。


最後の東京出張に合わせて、上場準備やプロジェクトで苦楽を共にした元上司(恩人でありメンター)と久々に一杯。退職に関していろいろと相談に乗ってくれていた。

終始、理解と応援。
でも、本当は残念がっているのが伝わってくる。実はウラで人事部へフォローしていたことも判明した。どうりで早期退職扱いとして良い方向へ事がスムーズに進むわけだ。
この人は、いつだってそうだったよ。

いつものように勢いよくビールを飲み干し、「いやー寂しくなるよなぁー。会社を離れても、人として繋がっていたいんだ。うまく軌道に乗ったら必ず連絡するんだぞ!」

有難すぎる。この人だけには誰にも言えない弱音がはける。
「...困った時、相談してもいいですか?」

「あったり前じゃん!」
そう言って笑い飛ばす。ぐっと込み上げてくるものがある。こんな上司に出会えたこと、今、目の前で一緒に笑いながら一杯やれるシアワセったらない。次は良い報告を肴に美味い一杯を楽しめるようにする!そう静かに決意した。


退職日が近づき、人事部と退職手続きに関する打ち合わせ。社会保険、年金、社宅、早期退職金、税務、失業保険、社章や社員証の返却など細かく具体的な手続きを確認して行く…

じわじわと、あー、俺、本当に退職するんだー。実感はイマイチで、うまく表現できないけど、まるで夢の中のよう…(目を覚ましたまえ!)

出社最終日。各フロアやお世話になった方々へご挨拶。全国から、同期や元上司、元部下、同僚から、電話やらメールやら。

自分が思っていた以上に、多くの方から励ましや応援をいただいた。じーんと来たし、笑いながら泣きそうになった。

最後にフロアの皆さんへ感謝の意を伝える。大きな花束をいただいた。まるでドラマの定年退職の1シーンよう…

振り返ってみれば、今の自分があるのは、多くの方へご迷惑をかけながら、多くの教示や支えがあったからこそ。

仕事に対する感性、厳しさや楽しみ方もこの会社に勤めさせてもらったからこそ。

全てに感謝の思いで一杯です。皆さまのご活躍とますますの発展を心から祈念しています。長い間、大変お世話になりました。本当にありがとうございました!



何か、スッキリ。

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