中小企業経営のための情報発信ブログ197:限界はあなたの頭の中にしかない

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ビジネス・マーケティング
今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
今日は、ジェイ・エイブラハム著「限界はあなたの頭の中にしかない 小さなアクションで最大の成果を引き寄せる」(PHP研究所)という本を紹介します。著者のジェイ・エイブラハムは、「フォーブス」誌が2000年に全米トップ5の経営コンサルタントに選出した実践マーケティングの巨匠です。「7つの習慣」の著者スティーブン・R・コヴィー博士も「ジェイは、私が知りうるもっとも偉大なビジネスとマーケティングマインドを持つ人物」と絶賛しています。
この本の帯に「落ちこぼれは、いかにして1兆円を生み出す伝説のコンサルタントになったか」とあります。
ジェイは、高校を失業してすぐに、ガールフレンドから妊娠したと告げられます。ADD(注意欠陥障害)で大学進学も就職もできていない時です。結婚して子供を育てるために仕事を見つけますが、すぐに集中力がないとの理由で解雇されます。その後は定職につけず複数のアルバイトを掛け持ちし、絶望だけが、学歴もなく定職もなく子供を育てていかなければならないジェイを襲います。こうした中、ある人物から「君がおしまいと思っているからおしましなだけだよ。君の人生は本当は無限大なんだ」という言葉をかけられます。この言葉を深く考え、ジェイは「どん底にいると気づけば、あとは上に伸びていくしかない。自分に限界を課しているのは自分自身なのだと気づけば明るい未来が広がっている」と考えるようになったのです。ジェイは、この言葉を信じ、行動に移したのです。
ジェイは言います。
「あなたが授かった能力や、あなたの中に眠る偉大さ、あなた方の人に与えられる価値は、本当は無限なのです。問題は、あなたが、自分には無限の能力があると認めるかどうかなのです。それを認めたら、次はそれを活用するかどうかです。活用すると決めたら、あとはそれが最も力強く、最も生産的な方法で活かされているかを、自分に対して監督指示することです」
「あなたはどのように生きるか、あなた自身で決めることができます。そして、そのような人生を生きているかどうか、自分自身で常に分析し、評価し、軌道修正を行い、自分に指示するのです。あなたの人生はあなたが決定すべきです。あなたの理想はあなたにしかわかりません。あなた以外の人があなたが理想に向かっているのかいないのか、判断することはできません」
ジェイは「人生は単なる瞑想によって成し遂げられる成果よりも、行動によって成し遂げられた成果の方が、より多い」とも言っています。瞑想の力や熟考することを軽視しているわけではありませんが、人生における方向性と行動を変えなければ大きなことは成し遂げられないということです。
また、ジェイは「手段ではなく理念を重視する」という強いこだわりを持ってビジネスを行っています。理念が明確になることで、どこに向かおうとしているのか、またその前後逆まで含めてとても明確にコントロールすることができるようになります。進むべき目的地、道のり、途中の通過点、そして進むべきではない方向まで、きちんと把握し、戦略的にコントロールでき、迷いがなくなるのです。手段や手法を必死で追いかけても結果は変わりません。理念は行動であり、活動であり、決断であり、信念体系のこと、それがより高いレベルの結果やより高い成果に導くと言っています。
多くの本を読み、良い考えを持っただけで人生やビジネスが変化することはありません。理念を変え、信念を変え、そこからくる行動を変えることで、結果が変化するのです。自分自身が立ち上がって行動しない限り、何も起きないのです。
この本の中から、ビジネスに関係することで、経営者やビジネスパーパンにとって役に立つと思う言葉をいくつか紹介します。
1:消費者は戦場の兵士ではありません。あなたがどんなに高度な戦略を練り、マーケティングファネルを構築したところで、あなたの指示通りに動いてくれるわけではありません。あなたが消費者の「心」に寄り添わない限り、それはやがて見透かされてしまいます。どんなに熱心に戦略会議を行い、数値分析やグラフを用いてもっともらしく表現したところで、そんなものに本当の人間性は現れないのです。消費者一人ひとり、感情の揺れ動いがあり、悩みがあり、人生があるのです。一人ひとりが存在意義を持ち、価値観の違う個別の人生があるのです。
2:どんなにその商品やサービスの必要性や重要性を信じていても、顧客にとっては何ら重要ではないということです。いかにして顧客に「関係ない」と思っているところから「重要だ」と感じてもらえるかを考えなければなりません。私を重要だと思ってもらうためには、先にその人を重要だと思わなければなりません。そのためには、まず話を聞くことです。人の話を聞くということは、頭の中を白紙状態にして聞き入ることです。言葉の意味だけでなくその内容が意味するところや内容の背景も深く理解することです。そして大事なことは、話し手にしっかり聞いているという合図を出したり、質問を返すことです。しっかり相手の目を見てうなずいたり、相槌を打ったりします。相手の話をしっかり理解しようと集中し、不明瞭な点は確認するために質問するのです。更に詳しく知りたい内容も聞き返します。相手が話を続けているのに、ソワソワよそ見をしたり腕や足を無意識に動かしたりしてはいけません。
3:どんな失敗や危機、ネガティブな事態に陥ろうとも、そこで立ち止まらないことです。経験をバネにして、それをプロペラとして前進し続けることです。そして、必ず、自分へ質問を投げかけることです。自分を振り返り、過去の失敗から何を学んだか、その原因を追究し、受け入れることです。それによって将来をもっとより良いものにコントロールでき、進展していくことができるのです。
4:あなたが働く意味は「あなたの存在を通して、あなたの存在する世界に価値を創出するため」です。あなたは仕事を通して、あなたの職場やお客様やあなたと接する人に何かしらの価値を届けることで、少しずつ豊かになっていきます。より良い価値を創出することに焦点を当ててください。それは素晴らしい笑顔で接客することかもしれません。見えない場所をきちんと掃除し、場の空気まできれいにすることかもしれません。「結果に焦点を当てる」とは、決してお金や数字の結果というのではありません。「どれだけの価値を提供できるか」という意味です。数字を追い求めるのではなく、価値を提供すればするほど、結局、数字としての結果もより良いものになっていくのです。
5:ほとんどの会社が行っているのは手段です。方法論です。戦術です。どのような方法でマーケティングを行い、どこと契約し、どのように顧客にアプローチするのか、どのような価格帯でどのターゲットにどんな製品を届けるのか。これらはすべて手段です。理念によるビジネスは「なぜそのビジネスをするのか」というところからスタートするのです。先ず「なぜ」このビジネスをしているのか、そもそもどんな信念で行っているのか、その現状認識からスタートし、主体的な、なおかつ長期的な理念を考え直さなければなりません。次に、ビジネスにおいて、何に挑戦し、何を成し遂げたり打ち立てたり、維持しようとしているかの信念体系を考えます。そして、どのような大方針を立てれば、追い求める最大の成果を最速で最も長続きする方法で得られるかを考えなければなりません。これらを考えなければビジネスは立ち行かなくなります。このことをしっかり認識する必要があります。
6:「イノベーション」というのは多くの人が技術革新のことだと勘違いしやすい言葉です。技術革新が必要なときもありますが、必ずしも必要とは言えません。イノベーションとは「お客様の生活や状況に、偉大な利益の増大や改善をもたらし、なおかつ、お客様から感謝され、価値を認めてもらるもの」です。お客様が感謝しないのであれば、どんなに製品を10倍速く、うまく作る能力を持とうが何の意味もありません。お客様にコスト削減をもたらしたり、それを加えることによってよい結果を得るということがない場合、たとえ競合の10分の1のコストで生産できる能力を達成しようが何の意味もないのです。
7:多くの人は間違ったビジネスをしています。間違った働き方をしています。ほとんどの人がお客様ではなく、自社の製品やサービスに恋しています。しかし、それは完全に間違っています。自社の製品やサービスと恋に落ちるべきではないのです。恋に落ちるべき相手はお客様です。お客様を恋人のように考えるべきなのです。そうすれば、あなたが行う行動のすべて、あなたが推薦するすべてのもの、あなたが行ってきたコミュニケーションのすべて、さらにはあなたの魂と存在についてのすべてが、恋人にそうであるように、お客様の人生を高め、強化し、より豊かにすることができます。恋人を守るように、お客様を守り、より利益を上げ、より頼れる存在になれるように支援するのです。
8::ビジネスは ①買ってくれる人の数を増やす ②その取引額を増やす ③購買の頻度を増やす というたった3つの要素で成り立っています。お客様は、消費にゃサービスを買っているのではなく、「得られる結果」を買っているのです。ものを買うことで得られる、その人の人生やビジネスに影響する利点、結果、喜び、保証を買っているのです。お客様にとって最高の商品やサービスを提供しなければなりません。そうすることで購買額も増え購買頻度も増えてきます。また、お客様は消費者ではなくクライアントです。人と人との交流なのです。一人の人間として接することです。それを認識したうえでコミュニケーションをとり、親交を深めることで信頼感を得ることができます。それが購買額や朋輩頻度につながります。
9:マーケティング手法に優れていれば、サービズの質が悪くても、短期的に利益を作ることができます。マーケティングの手法だけが取り入れられ、それが独り歩きし始め、間違った戦略や戦術が広がっています。ビジネスの目的や精神性があってこそマーケティングは正しく機能するのです。アイデアのテクニックだけを取り上げても意味がないのです。お客様を思いやり、理解しているのだということを伝えるためにマーケティングがあります。そこから信頼が生まれ、信頼こそが企業家とお客様の双方に繁栄をもたらすのです。信頼が関係性を保つカギであり、そして、そのすべてです。マーケティングとは、人々に少しでも良い人生を送ってもらうための手助けであり、最も誠実で、純粋な、ビジネス活動の本質なのです。
10:ドラッカーが言うように、ビジネスはマーケティングとイノベーションです。小さくはじめ、テストを繰り返し、改善を重ねていくことで、より洗練されたものとなっていきます。ほとんどのビジネスマンは、毎日別の真新しいグランドで、ホームランをいきなり打とうと狙っているようなものです。でも本来は、ビジネスはお客様に手の届く所へ来ていただき、そこから絶対に話さないような関係性を築くことが重要です。そのためには自分の思い込みや熱意だけで押し通すのではなく、テストし、お客様の反応を確かめながら改善しなければなりません。
11:ビジネスにおいて最も重要なのは、そのビジネスを行う目的です。どんなにマーケティング手法が優れていても、どんなの資本金があっても、どんなに優秀な人材を集めても、理念が間違っていれば、そのビジネスはやがて衰退します。中小企業の大半は目的を達成できずに終わります。しかし、そもそも明確な、正しいゴールを持っていないのです。それでは達成のしようがありませんし、成功の意味が分からなければ成功のしようがありません。
12:卓越した企業は、常にお客様や潜在顧客に対して、本当に真摯に、善き人生とするために尽くすのだというはっきりとした志と、強い希望を持っています。この希望こそが、顧客と長期的な、誠実な、一生をかけた関係を築くのだという勇気と信念、力や要求を生み出すのです。こうした正しい信念こそが、強いリーダーシップへと駆り立て、会社全体、チーム全体に卓越した意識を鼓舞するのです。
13:家族のようにお客様のことを扱いなさい。お客様に自分は大事にされていると感じていただきなさい。常に感謝し、コミュニケーションをとり、注意を払い、彼らの悩みを聞くのです。お客様の不満を知り、早急に解決し、お詫びをし、また戻ってきていただくように誠実に接するのです。あなたが得る成功は、あなたがお客様やチーム、取引先に届けた価値と同程度です。価値を作り出すことが、成功へ向けての第一歩であり、卓越した存在になる唯一無二の方法です。人間的成熟度がビジネスの成功に比例していくのです。
この本は、ジェイが、自分の落ちこぼれであった過去をさらけ出し、将来に希望を持てず、人生に満足できずに暮らし、強い欲求も確信も目的も持てずに生きている多くの日本人に向けて、希望の炎となる「着火マシン」となるように書かれたものです。

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