ブルーオーシャン戦略とは?価格競争から抜け出し新しい顧客価値を生み出す方法

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ビジネス・マーケティング
ブルーオーシャン戦略とは?競争せずに「新しい市場」をつくる方法
競合より「少し良い商品」を作り続けていないか?

商品企画では競合分析が欠かせません。

競合より性能を上げる。

競合より価格を下げる。

競合より機能を増やす。

競合よりサービスを充実させる。

こうした改善は重要です。

しかし、競合企業も同じことを考えています。

その結果、

高機能化。

多機能化。

値引き。

広告競争。

営業競争。

が繰り返され、やがて市場は消耗戦になります。

そこで発想を変えます。

「競合にどう勝つか」ではなく、「競争そのものを不要にできないか?」

この考え方が、ブルーオーシャン戦略です。


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ブルーオーシャン戦略とは?

ブルーオーシャン戦略は、W. Chan KimとRenée Mauborgneによって体系化された経営戦略です。

既存企業が激しく競争している市場をレッドオーシャン。

まだ競争ルールが確立していない新しい市場空間をブルーオーシャンと表現します。

重要なのは、

競合のいない場所を偶然発見することではありません。

既存市場の常識を見直し、新しい顧客価値を設計することで、企業側から新しい市場を作り出すことを目指します。


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レッドオーシャンとは?

レッドオーシャンでは、市場の境界や競争ルールがすでに決まっています。

例えば、競合各社が同じような性能の商品を販売している市場です。

競争軸も、

価格。

性能。

機能。

納期。

サービス。

など似たものになっていきます。

市場が成長している間は問題になりにくいのですが、成熟すると限られた需要を企業同士で奪い合うようになります。

すると、

「競合A社より5%安くする」

「競合B社より機能を一つ増やす」

といった競争になりやすくなります。

これがレッドオーシャンです。


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ブルーオーシャンは「競合がいない市場」ではない

ここは誤解されやすいポイントです。

ブルーオーシャン戦略とは、

単にニッチ市場を探すことではありません。

重要なのは、

これまで市場に参加していなかった顧客まで取り込む新しい価値を作ること

です。

つまり、

「競合から顧客を奪う」

のではなく、

「市場そのものを広げる」

という発想です。


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中心となる考え方は「バリューイノベーション」

ブルーオーシャン戦略の中心にあるのが、**バリューイノベーション(Value Innovation)**です。

通常の競争では、

高い価値を提供するならコストも高くなる。

低価格にするなら価値を下げる。

というトレードオフを考えます。

ブルーオーシャン戦略では、この前提を疑います。

顧客にとって価値の低い要素を削減する。

その一方で、顧客が本当に求める価値を高める。

これによって、

顧客価値向上とコスト低減を同時に狙う

のがバリューイノベーションです。


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「全部良くする」必要はない

商品開発では、

性能も高い。

品質も高い。

機能も多い。

サービスも充実。

価格も安い。

という商品を目指したくなります。

しかし、それではコストが増え続けます。

ブルーオーシャン戦略では、

「何を増やすか」だけでなく「何をやめるか」

を考えます。

ここで使われる代表的なフレームワークがERRCグリッドです。


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ERRCグリッドとは?

ERRCは4つの問いから構成されます。

Eliminate:取り除く

業界では当たり前だが、顧客にとって本当に必要なのか。

例えば、長年の慣習で付いている機能やサービスを廃止できないかを考えます。

Reduce:減らす

業界標準より大幅に減らせるものはないか。

過剰品質や過剰サービスなどが候補になります。

Raise:増やす

顧客が重視しているにもかかわらず、業界では十分に提供されていない価値を高めます。

例えば、使いやすさ、導入支援、保守性などです。

Create:創造する

業界がこれまで提供していなかった、新しい価値を作ります。

ここから新しい市場が生まれる可能性があります。


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商品企画で「なくす」を考える

商品企画会議では、

「次の商品に何を追加するか」

という議論が中心になりがちです。

しかし、ERRCでは逆の質問をします。

「何をなくせるか?」

例えば、顧客がほとんど使っていない機能。

複雑な設定。

過剰な仕様。

不要なオプション。

こうしたものをなくすことで、

コスト低減。

小型化。

操作簡素化。

短納期化。

などが実現する可能性があります。

つまり、

引き算も商品開発

なのです。


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戦略キャンバスで競争軸を可視化する

ブルーオーシャン戦略では、戦略キャンバスというツールも使われます。

考え方はポジショニングマップと少し似ていますが、目的が異なります。

横軸には、業界で競争している要素を並べます。

例えば、

価格。

性能。

品揃え。

カスタマイズ。

納期。

技術サポート。

保守。

などです。

縦軸には、それぞれにどの程度の価値を提供しているかを置きます。

自社と競合を線で結ぶと、

業界各社がどの競争軸で戦っているのか

が見えてきます。


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競合と同じ形なら要注意

戦略キャンバスを作ったとき、自社と競合企業の線がほぼ同じ形になっていたら注意が必要です。

それは、

競合と同じルールで戦っている

可能性が高いからです。

例えば全社が、

高性能。

多機能。

高サービス。

高価格。

という似た商品を提供しているとします。

そこで、

過剰機能を減らす。

操作を簡単にする。

価格を下げる。

導入しやすくする。

という異なる価値曲線を作れば、これまで購入していなかった顧客を取り込める可能性があります。


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「非顧客」を見る

ブルーオーシャン戦略で非常に重要なのが、**非顧客(Noncustomers)**です。

通常のマーケティングでは、

「現在の顧客は何を求めているか」

を調査します。

もちろん重要です。

しかし、既存顧客だけを見続けると、既存商品の改善に偏りやすくなります。

そこで、

「なぜこの商品を買っていない人がいるのか?」

を調べます。

価格が高すぎる。

操作が難しい。

専門知識が必要。

設備が大きすぎる。

導入が面倒。

そもそも必要性を感じていない。

この「買わない理由」の中に、新市場を作るヒントがあります。


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BtoBでは「手作業」も競合になる

例えば、自動化設備を販売している企業があるとします。

競合分析では他の設備メーカーを調べるでしょう。

しかし、最大の競合が、

人による手作業

というケースがあります。

顧客が、

「設備を買うほどではない」

と考えているからです。

そこで、

大型設備を小型化する。

設定を簡単にする。

初期投資を下げる。

レンタル方式にする。

という価値設計を行えば、

これまで設備を購入していなかった企業まで顧客になる可能性があります。

これがブルーオーシャン的な発想です。


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前回のポジショニングマップとの違い

前回はポジショニングマップについて取り上げました。

ポジショニングでは、

既存市場の中で、競合とは異なる場所を取る

ことを考えます。

一方ブルーオーシャン戦略では、

既存の競争軸そのものを変え、新しい市場を作れないか

まで考えます。

つまり、

競合分析
ポジショニング
戦略キャンバス
ERRC
非顧客分析
新しい価値曲線

と進めることで、既存競争から新市場創造へ発想を広げられます。


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「高性能化」以外の商品開発を考える

特にBtoB製造業では、商品開発が高性能化へ向かいやすい傾向があります。

より高圧。

より高精度。

より高速。

より高耐久。

もちろん、高性能を必要とする顧客は存在します。

しかし、別の顧客は、

「そこまでの性能はいらないから安くしてほしい」

「誰でも簡単に使えるようにしてほしい」

「保守を楽にしてほしい」

と考えているかもしれません。

その顧客を取り込めれば、

性能競争とは別の市場

を作れる可能性があります。


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AI時代のブルーオーシャン

生成AIによって、既存商品やサービスの機能差は以前より短期間で模倣されやすくなっています。

だからこそ、

「競合より機能を一つ増やす」

だけでは優位性が長続きしにくくなります。

一方AIを使えば、

大量の顧客レビュー。

問い合わせ。

失注理由。

営業記録。

SNS。

検索データ。

などから、

顧客が不満を感じている業界慣習

を発見しやすくなります。

AIは新市場を自動的に発見してくれるわけではありません。

しかし、

「業界では当たり前だが、顧客には価値がないもの」

を探す強力な補助ツールになります。


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ブルーオーシャンは永遠には続かない

新しい市場を作って成功すれば、当然競合企業が参入してきます。

つまり、

ブルーオーシャンも時間が経てばレッドオーシャンになる

可能性があります。

だから重要なのは、

「一度ブルーオーシャンを見つけること」

ではありません。

顧客。

非顧客。

技術。

社会変化。

競争環境。

を継続的に観察し、

新しい価値を作り続ける能力

を組織として持つことです。


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よくある失敗

競合がいない市場を探す

競合不在だけではブルーオーシャンとは限りません。需要がない可能性もあります。

奇抜な商品を作る

重要なのは新しさではなく、顧客価値です。

機能を追加するだけ

RaiseとCreateだけではコストが増えます。EliminateとReduceも同時に考えましょう。

既存顧客だけを見る

非顧客が「なぜ買わないのか」を調べることで、新市場のヒントが見つかります。


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まとめ

ブルーオーシャン戦略とは、

競合企業との消耗戦から離れ、新しい顧客価値によって競争のない市場空間を創造する戦略

です。

重要なのは、

競合より高性能にすることでも、

競合より安くすることでもありません。

業界で当たり前になっている価値を疑うこと。

そして、

取り除く。

減らす。

増やす。

新しく作る。

というERRCの視点から、顧客価値を再設計します。

さらに既存顧客だけでなく、

「なぜ買わないのか」という非顧客の声

を見ることで、新しい市場が見えてくる可能性があります。

商品企画で問うべきなのは、

「競合より何を良くするか?」

だけではありません。

「競合と比較されなくなるには、何を変えればいいか?」

この問いから、ブルーオーシャンへの入口が見えてきます。


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要約

ブルーオーシャン戦略は、競争の激しい既存市場で競合に勝つのではなく、新しい顧客価値によって競争のない市場空間を創造する考え方です。中心となるのは、顧客価値向上とコスト低減を同時に目指すバリューイノベーションです。戦略キャンバスで既存の競争軸を可視化し、ERRCグリッドで「取り除く・減らす・増やす・創造する」を検討します。既存顧客だけでなく非顧客の「買わない理由」を分析することが、新しい市場を発見する重要なヒントになります。


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