中小企業経営のための情報発信ブログ86:無料ビジネス「フリー」

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ビジネス・マーケティング
今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
今日は、無料ビジネスモデル「フリー」について書きます。
1.無料ビジネス「フリー」
 私たちの身の回りには、グーグル検索やGメール 、LINE、Facebook、Twitterなど無料のものやサービスが増えています。スマホアプリもほとんどが無料です。最近ではアメリカからMilesが上陸し、1ヶ月でに登録者数を100万人に達成しました。
 無料ビジネスモデルが増えてきたのには次の3つの理由があると言われています。
1:出費の痛み・・・利用者は、有料ですと「お金を出すかどうか」、費用対効果を検討しますが、無料ですと出費の痛みを考える必要はなく、即座に利用します。
2:ネットワーク効果・・・ネットワーク効果とは、使う人が多いほどサービスの価値が高まるという効果です。電子メールやSNSなど自分一人が使っているなら何の価値もありません。知り合い全員が使うので便利になり価値が高まるのです。
3:限界費用・・・限界費用は、商品1個増やすのに必要な費用のことです。普通の商品の場合では1個増やすのにかかる製造・流通コストのことで、商品を無料で提供するにもお金がかかります。デジタルの世界では、無限にコピー可能なので、無料で大量に配っても追加のお金はかかりません。
2.無料で儲ける仕組み
 高品質のサービスを無料で提供すれば、使う人は爆発的に増え、サービスの価値は高まります。しかし、デジタルの世界では追加の限界費用はかからないとしても、初期段階では当然費用は掛っています。
 ビジネス(商売)というのは慈善事業ではなく「儲けること」がその本質です。社会に貢献することもビジネスの目的ではありますが、利益を上げて儲けることが出来るから、社会貢献も出来るのです。ビジネスの目的は「儲けること」です。
 これは無料サービス「フリー」にも言えることです。無料サービス「フリー」でも儲けなければビジネスとして成り立ちません。
 無料ビジネス「フリー」で儲ける方法が4つあります。
 このうちの最初の2つは昔からあったモデルであり、あとの2つはデジタル時代に出てきたモデルです。
Ⅰ:内部相互補助モデル・・・無料で利用者(顧客)を増やし、別の有料版で儲ける方法
Ⅱ:三者間市場モデル・・・広告で儲ける方法。テレビやラジオなどはCMで広告主がお金を払っているからで、グーグルも広告収入で成り立っています。先ほどのMilesもこのパターンです。企業に利用者の移動情報(ビッグデータ)を提供し、企業と利用者をマッチングさせることで、企業側から支払いをもらっています。
Ⅲ:フリーミアムモデル・・・一部のプレミアム顧客が負担する方法。一般には無料ですが、データ使用量の多いヘビーユーザーは有料となるもの。
Ⅳ:非貨幣市場モデル・・・社会貢献活動として行う方法。ウェブの世界では、情報発信にほとんどお金が掛らないので、お金を得ることが目的でなくても様々な情報をネットで提供できるようになっています。ウィキペキアもボランタリーで運営されています。
3.有料ビジネスへの脅威
 デジタルであれば、複製コストはゼロなので、無料ビジネスは大きな破壊力を持っています。これまで有料ビジネスを行ってきた人にとっては大きな脅威です。
 例えば、音楽業界の場合、楽曲が無料配信され、CDなどの売上は減少しCD製造業者は大きな痛手を被っています。しかし、多くのミュージシャンは稼いでいます。これはライブ活動のおかげです。CDなどの印税収入が減ったとしても、ライブ収入は増えているのです(コロナ禍で減っていますが、コロナが収束すれば増えていくでしょう)。デジタル音楽のように無限にコピーできるものは無料になる一方で、ライブでミュージシャンと共有する時間や生の音楽はかけがえのないものとして更に価値が高まって行くのです。
 一方で、現在、無料ビジネスは岐路に立たされています。人々は、無料でFacebookやグーグルを利用するときに、無料と引き換えにプライバシーや個人情報が漏れているということに気づき始めています。だからといって利用者が減少したという話は聞きません。それは、便利さに麻痺してしまっているのかも知れません。
 それでは、有料ビジネスとしてはどうすればいいのでしょうか?
 無料ビジネスはFacebookやグーグルだけではなく応用範囲は広いのです。無理に無料ビジネスと戦っても勝ち目はありません。むしろ戦わず、無料ビジネスの特徴を理解し、場合によっては味方につけて、有料ビジネスの良さを武器に顧客に大きな価値を提供して稼ぐことを考えるしかありません。
 先ほどの音楽業界のライブのように、顧客が求める価値が何なのかを把握し、無料ビジネスでは出来ない有料ビジネスの良さを提供していくことで、無料ビジネスと有料ビジネスがうまく共存できるのではないかと思います。 
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