はじめに
家系図を作ると、ご先祖様の名前や、かつて暮らしていた土地が分かります。
でも、私が面白いと思うのは、その先です。
「その土地には、どんな景色が広がっていたのだろう。」
戸籍をたどり、名字を調べ、古地図を開いてみる。
すると、名前だけでは見えてこなかった、ご先祖様が暮らした土地の歴史や風景が少しずつ浮かび上がってきます。
今回は、「山下」さんのルーツにつながる土地を訪ねてみましょう。
ルーツの旅クイズ
全国第26位の名字「山下」さん。全国でも特に多い県はどこでしょう?
A 長野県
B 鹿児島県
C 新潟県
ヒント
今回の舞台は、日本本土の南端に位置する城下町。
約700年間、一つの大名家が治め続けたことで知られています。
そして、町の名前には、ある「山」が関係しています。
正解は…
正解は「B 鹿児島県」です。
「山下」は全国各地に広く分布する名字ですが、鹿児島県では特に多く、県を代表する名字の一つとなっています。
その背景には、「山の下」という名字の意味だけではなく、鹿児島という土地が歩んできた長い歴史があります。
そして鹿児島市には、現在も「山下町」という地名が残っています。
では、この「山下」は、いったいどこの山の下なのでしょうか。
名字と地域の歴史
「山下」という名字は、その文字どおり、「山の下」「山のふもと」に暮らした人々から生まれた地形姓です。
昔は、暮らしている場所が、そのまま人を区別する手がかりになりました。
山のふもとに住む人を「山下」と呼ぶ。
そんな呼び方が名字として定着し、全国各地に広がっていったと考えられています。
では、なぜ鹿児島では「山下」姓が多いのでしょうか。
その背景の一つとして考えられるのが、島津氏による長い支配の歴史です。
鎌倉時代から幕末まで島津氏による支配が続いた鹿児島では、古くからこの土地に根付いてきた人々や名字が受け継がれてきました。
そして鹿児島市には、実際に「山下町」という地名があります。
その「山下」とは、鹿児島のシンボルともいえる城山のふもとを指します。
名字の意味と、実際の地名。
この二つが重なって見えてくるところに、今回の旅の面白さがあります。
古地図で見るルーツ
古地図を見ると、鹿児島城を中心に武家屋敷や町が広がり、その北側には城山がそびえていることが分かります。
現在の地図だけを見ると、「山下町」という名前は単なる町名に見えるかもしれません。
でも、古地図と重ねてみると、
城山
↓
鹿児島城
↓
武家屋敷・城下町
という位置関係が見えてきます。
つまり「山下」という名前は、単に「山の近く」というだけではありません。
城山のふもとに広がる鹿児島城下町の風景と結びついているのです。
さらに今昔地図で現在の鹿児島と比べてみると、道路や建物、町の姿は大きく変化している一方で、城山をはじめとする地形は変わらず残っています。
町は変わっても、山は残る。
その山のふもとに人々が暮らし、町が生まれ、何世代もの時間が積み重なってきました。
私は、この瞬間が一番好きです。
私が大切にしていること
私は、家系図を「完成したら終わり」とは考えていません。
戸籍を読み、
名字を調べ、
古地図を開き、
郷土史を読み、
そして、その土地を歩いてみる。
そうすると、名前だけでは見えてこなかった景色が少しずつ浮かび上がってきます。
「ここで暮らしていたのかもしれない。」
「昔は、こんな町だったのか。」
そんな想像ができるようになると、家系図はただの名前の一覧ではなくなります。
土地と人をつなぐ地図になっていきます。
家系図は旅の始まり
家系図が完成すると、多くの方は「調査は終わった」と思われます。
でも、私はそこからが本当の旅の始まりだと思っています。
「ご先祖様は、どんな場所で暮らしていたのだろう。」
「今もその景色は残っているのだろうか。」
そんな疑問を、名字や古地図、郷土史から一つずつたどっていく。
すると、自分だけの「ルーツの旅」が始まります。
戸籍の読み方が分からない。
家系図を作ってみたい。
ご先祖様が暮らした土地を調べてみたい。
そんな方は、お気軽にご相談ください。
まずは、分かっていることと分からないことを整理するところから、一緒に始めていきましょう。
あなたの名字には、どんな景色がありますか?
「山下」という名字から始まった今回の旅は、鹿児島の城山と、そのふもとに広がる城下町へつながっていました。
名字の向こうには、山があるかもしれません。
川があるかもしれません。
城下町や宿場町、港町が広がっているかもしれません。
あなたの名字は、どんな土地とつながっているのでしょうか。
その景色を探す旅をご一緒できたら嬉しいです。